English Site

お知らせ

創作や探究の醍醐味( 10/14 全校集会より  ~抜粋・補遺~ )
順天中学校・高等学校 > お知らせ一覧 > 創作や探究の醍醐味( 10/14 全校集会より ~抜粋・補遺~ )

お知らせ

創作や探究の醍醐味( 10/14 全校集会より ~抜粋・補遺~ )

  1. 文化祭の様々なチャリティ活動

 ・・・

 卒業生の北斗会では、今年も北海道の富良野で農場を営む卒業生(大野さん)が作った農産物を販売してくれましたが、少し紹介したいのは、卒業生のお母さんたち(後援会)による創作品チャリティです。文化祭でのチャリティ活動収益の半分は、世界のこどもたちのために活動する5つのNGOに寄付されますが、あの毎年のチャリティ創作品をどのような人が作っているのか知らない人も多いかもしれません。*ちなみにチャリティ活動収益の残りの半分は生徒の活動に還元されます。

 そのうちの一人である斎藤美穂子さんは、現在は北海道の札幌に住んでいますが、いつも手作りパッチワークのクリスマスツリーなどを一年がかりでたくさん作って、文化祭にチャリティで提供してくれています。今年で18年目になります。もう一人同じくらい続けておられる関口文子さん。関口さんは伊豆七島のご出身ですので、郷里の海岸で集めた貝殻や流木を使ったオブジェ作品を、やはり一年がかりでたくさん作ってチャリティで販売してくれています。一つ一つ違う大自然の味愛のある作品が本当に素晴らしいです。

 どうしてそんなに続けていただけるのかお尋ねしました。すると斎藤さんからは、「だって先生が、継続は力なりですよとおっしゃったでしょ。」と、屈託なく返されてしまいました。そうおっしゃってももちろん大変だとは思うのですが、継続する間に、年々その作品が素晴らしいものになってきたのを感じています。そして、チャリティに向けた創作活動の楽しみや気概を、仲間のみなさんと共有しておられることに、あらためて感謝せずにはおられません。これからも本当に楽しみです。

関口さん   斎藤さん
  
  1. 後援会の皆さん(富良野のラベンダーなども使った創作品)   大野さん(富良野から来校時)
     
  2. ザンビア共和国に診療所を創る

・・・

 さて、今年で2度目になるグローバルウィークは50以上の講座ワークショップが予定されていますが、その中には、多くの大学の先生たちに混ざって、在校生や卒業生がプレゼンするワークショップもあります。本校卒業生のワークショップは医学部に進んだ宮地くんと星くんによる「ザンビア共和国に診療所を建設するプロジェクト」がテーマです。二人とも、アフリカのザンビアに診療所を作るための挑戦をしています。この文化祭でもチャリティのアッピールをしてくれていました。

 まだ大学三年生の宮地くんから名刺をもらいました。「国際医学生連盟・公衆衛生に関する委員会のプロジェクトスタッフ」というものでした。医療環境がないところでそもそも医療をどうするか? そういえばこれらからの大学入試で学ぶ姿勢として求められるのは、まさにそのような主体性、多様性、協働性だと思いますので、本当に関心します。

 ・・・

2次元バーコードで、プロジェクトのHPをご覧になれます。   宮地くん(左)& 星(右)くん
 

正解がないことへの挑戦の中に

 さて、衆議院選挙が行われることになり、各政党の公約として、ほとんど全ての政治家のみなさんが、教育の無償化を言うようになってきました。日本の高等教育、大学の費用はアメリカなどに比べると高いとは言えませんが、ほとんどが保護者負担です。皆さんにとっても無償化が実現するかは、当然ながら関心があることでしょう。18歳選挙権のある高3生は、皆さんの意思を反映する権利と責任がありますね。

 ところで、その教育の無償化一つにしても、その財源を賄うために税金を上げるのか否か、それを良しとするか否かは人によって考えが違います。どちらが絶対に正しいと、誰も決めつけることができないことなのです。もちろん、それぞれの人は自分の考えが絶対に正しく、それ以外はまちがっていると考えてしまうのもまた、人間社会の常です。

 実は、政治のあり方だけでなく、文化祭やチャリティ、グローバルウィークにしても、その方法や内容についても正解はないのです。しかしもし、ただうまくやることだけが目的になっていると、達成した途端に目的完了で、それでおしまいということになりがちです。その場合に満足というよりも、虚無的になってしまうこともあるものです。しばしば大学受験はその一つで、合格すれば目的完了だからです。

 そもそもほぼすべてのことが、どのようにするのが良いか、初めから決まっているわけでもないし、他にやり方がないわけではないものです。正解がない中で、どうあるべきかを考えて、様々な可能性を創意工夫していくことや、最適なあり方を求めて挑戦していくことの中に、創作や探究の醍醐味が隠されているのではないでしょうか。

  ・・・

 

このページのトップへ