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グローバルウィーク・ダイジェスト2023 2日目(11/14実施分)
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2024/01/11

グローバルウィーク・ダイジェスト2023 2日目(11/14実施分)

2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月13日(月)~11月17日(金)の1週間を通して実施しました。

今回は11月14日(火)に行われた2日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。

◆トピックコード 201
「社会の変化と健康 ~看護の視点から~」
日本赤十字看護大学 教授 石田 千絵 先生 
 参加生徒数  生徒17名  報告者名 潮田真理子 
 

 

1.トピック内容等
社会の変化と健康課題について厚生労働白書のデータを元に講義が行われた。
社会環境の変化によって生じる健康課題の概要を把握することからはじまり、健康に影響を与える様々な環境要因や社会的要因など健康の規定要因について解説された。

2.生徒の感想
・日本の現在の人口に対しての未来の人口予測などを細かく説明してもらったことで、日本の人口が段々と減っている理由には、出生率が大いにかかわっていることが分かり納得できた。人口の変化や健康については社会環境にも影響されていることがわかり、そのなかに健康格差のメカニズムがあることを知り、面白いと感じた。
・トピックの内容だけでなく、看護とはどのようなことをするのか、看護ができる限界がある中でもどのようにベストを尽くせばよいのかを学べた。今、学校の保健の授業でやっている範囲もあり、その部分を詳しく、わかりやすく教えていただけた。
自分が健康な状態だと思っていても具体的にはどのような状態が健康なのかわかっていなかったので、WHOの定義とは別に健康な状態について深く考えることができてよかった。
また、肉体的にも精神的にも人それぞれの健康があるということを教えていただけて、自分の思う健康な状態でいれば良いのだなと思えた。将来、私達は病床数が少ないため家でしか亡くなることができないと聞いてとても驚いた。少子高齢化は年金などの経済的な面だけでなく、自分が快適で納得できる最期にするためにも解決しなければならないことなのだなと感じた。

 

◆トピックコード 202
「グローバル経済での「ビジネスと人権」を考える」
 昭和女子大学 グローバルビジネス学部長・教授 今井章子 先生

 参加生徒数 10 名  報告者名 梅沢恒郎 

 

1.トピック内容等
①「ビジネスを進めるとどんな問題がおきるか。」の問題提起。
・労働者の人権問題にはどういうものがあるだろうか。
・事前学習で課題を出しておいたので、ビジネスと人権問題について発表させた。
三浦 「ファミマで 過労死」
鳥居 「ジャニーズのセクハラ問題・塾教師児童虐待」原 「東南アジアのアパレル
でナイキの労働者問題」
磯上「日本の過重労働問題・低賃金」 「タイの水産業問題」「児童労働問題」等

②人権問題をめぐる「NIKEの悲劇」について説明。
・NIKEは有名アスリートをCMに使う広告でイメージと知名度を上げるマーケティング手法で有名。
・もう一つの特徴は、自社工場を持たず、途上国に2000社以上の契約先を持ち、コストダウンを図ること。しかし、90年代ごろの下請工場では長時間・未成年労働が横行し、現地政府も十分に労働者保護ができないことが多かった。
・インドネシアの契約先工場でこの問題が発覚したとき、同社は「直営工場ではないのでナイキの問題ではなく、契約している下請企業の工場管理の問題だ」と述べた。これを消費者とNGOが問題視、法的には問題がなくとも社会的な責任を負っているとして、特にアメリカの大学生たちが反発し非買運動が生まれ、売上が一気に7割減となった。Name and Shame (恥ずべき状況を世間に知らせること)で「企業が持つ人権保護の責任」を人々が知ることになった。

③海外進出している企業の問題行動を、進出元の政府がコントロールできるか?
・自由市場において企業は自由に市場を開拓できる。
・国際社会では自国の領土内の統治はその国が行うのが原則。
・企業やビジネスを国際法で規定することは、実際にはかなり難しい。

④ビジネスと人権について今治タオルをめぐる外国人労働者の問題をグループワークとして話し合った。
・「今治タオル工業組合」が展開するブランドには地元の中小企業104社が加盟している。
・2019年に放送されたドキュメンタリー番組で、このブランドの工場で働くベトナム人労働者の過重労働が報道された。
・放送を受け「今治タオル工業組合」は声明を発表、社会的責任及び道義的責任を重く受け止めて、加盟企業が負う「労働者を保護する責任」に関するガイドラインを作成するなど改善に乗り出した。
・しかし番組をめぐっては、過重労働を放置していた企業とは異なる企業名がインターネット上で拡散、やり玉にあげられた企業が誹謗中傷を受ける事態に発展し、憶測を否定する声明を出すなど混乱が広がった。
・この事例において、「今治タオル工業組合」「風評被害を受けたA社」「外国人技能実習生をサポートするNGO(市民団体)やメディア」の立場に分かれてグループごとにどんな責任や課題を負っているかを話し合った。
・議論の結果、国境を越えてモノやサービスが作られる「グローバルサプライチェーン」には、労働者を守るための何らかのルール(ガバナンス)が必要である、ということになった。
・企業の利益を優先して、その下請けの発展途上国の労働環境・労働条件を配慮しないと大きな問題になる。法的に責任がないとしても企業イメージや民間団体がマスコミに訴え大きな損失になってしまうことが理解できた。
・国連では「ビジネスと人権に関する基本原則」(政府の義務、企業の責任、救済措置)が策定されている。
・先進国の人間が世界的な視野で製品の製造過程の労働問題について、真摯に取り組むことの重要性を提起した。

2.生徒の感想
・日本や世界を通じて人権をどう守るか、どのように責任を取っていくか、大企業にはどんな責任があるのか消費者の自分にも大きく関わっているんだと感じられた。世界の問題ばかり注目するのではなく、日本でも見過ごせない問題があることが分かった。
・法律的な観点から見れば大丈夫なものでも、社会的な観点から見たら問題があるということを学んだ。ある一つの企業が社会から非難されているとしたとしてもその会社自体が問題なのではなく、下請け企業など違う場所で問題が起こっていることもあるから、どの情報の何が正しいのか、情報をそのまま鵜呑みにするのではなく何が誤っているのか取捨選択して吟味した上で自分の意見を決めていかなければいけないと感じた。

◆トピックコード 203
「もうすぐ大人。 お金にまつわる「信用」 を体験しよう」
 公益社団法人 ジュニア・アチーブメント日本 プログラムマネージャー 鈴木麻里 先生

 参加生徒数 16 名  報告者名 小松龍矢

 

1.トピック内容等
我々がお金を借り入れる機会である「クレジット」と「ローン」の2種類の場面から、お金に関する話題を展開していただいた。どのような人間にお金を貸したいと思えるかを探るために、ロールプレイングでの質問を通して考えるようにした。
お金を貸したいと思える人間に必要なものは,信用であり,その信用には2つの要素、つまり「能力」と「意思」が揃っていなくてはならない。返済する能力がいくら高くても,返済意思がなければお金を貸せない。返済意思が高いような振る舞いを見せていても返済する能力がなければやはりお金を貸すことはできない。言われると当たり前のことではあるが,自身が信頼・信用を受け取るために必要な働きかけについて,ロールプレイングの質問と応答で感じることができたのではないか。
また,契約とはなにか,契約には権利と義務が伴うということも話していただいた。
最後に,金融リテラシー検定をご紹介いただいた。改めて様々なリテラシーが必要であることを理解した。

2.生徒の感想
・ローンやクレジットは今まで自分がかかわるこのない話だったが、これから先自分の将来を考えるときに大きく役立つものだったので実際に専門として働いている方からの話をたくさん聞くことができてためになった。自分の判断がとても大事になることを学んだ。
・クレジットカードの便利さと問題点を知り、将来カードをどのように運用していくかの知識を得ることが出来た。

◆トピックコード 204
「リベラルアーツ×健康~世界を悩ませる感染症」
 順天堂大学 教授 ニョンサバ・
フランソア 先生
 参加生徒数 19名  報告者名 田中公男

 

1.トピック内容等
講師のフランソア先生はルワンダ出身であり、ルワンダを代表して国費で中国の医学部で学び、現在は順天堂大学の教授としてアトピー疾患の研究などをなされています。講義では、まず初めに順天堂大学国際教養学部の紹介がありました。
順天堂大学には9つの学部があり、国際教養学部は文理混合の学部であり4割は理系の生徒です。
他の大学の国際教養学部とは異なり、健康と医療の知識を学びながら、グローバルcitizenを養成する学部とのことです。

今回のGWのテーマである「リベラルアーツ×健康 世界を悩ませる感染症」では、
最初に三大感染症のエイズ、結核、マラリアについて解説がなされました。

・エイズは症状が出るまで長い時間がかかるので、知らないうちに感染させてしまうこと。病気以上に差別と偏見に苦しんでいる人が多いことが紹介されました。アフリカでは感染者が33%減少している一方、日本の新規感染者数は20%も増えていること。その原因は、日本での性教育の不十分さであるとの指摘がなされました。

・結核の感染者1060万人(2021年)のうち160万人が亡くなっており、95%は発展途上国が占めている。結核においても日本人の感染者が増えていることが指摘されました。規則正しい生活と早期発見による確実な治療が大切であることを学びました。

・マラリアには2.3億人が感染、そのうちアフリカが93%を占めています。死亡者は61.9万人、それは、毎分1人の子供がマラリアで亡くなっている計算になります。防蚊対策と予防内服が必要です。これらの紹介の後、何故サハラ砂漠以南のアフリカでこれらの三大感染症が集中してしまったのかを隣同士で話し合い、発表しました。様々な考えられる原因が出されました。

フランソア先生からは、貧困、内戦、医療水準の低さ、教育水準が低く妖術師を信じてしまうこと、政治的要因、宗教的な要因、男性優位社会、多剤耐性の問題とともに、気候の要因、特にアフリカは気候が温暖で人間も野生動物も住みやすいため菌が繁殖しやすいことなどが話されました。

最後にネルソンマンデラやオバマ大統領などの著名人の言葉が紹介され、生徒に対し励ましの言葉もいただきました。フランソア先生の人柄や熱意のある言葉に引きこまれた90分でした。

2.生徒の感想
・いかに日本で性教育がなされていないかということ。アフリカではたしかに結核やマラリアなどの患者は増えているが、日本では大人も子供も性についての会話をすることを避けているから他の先進国では、HIV感染者は減少しているのに日本ではHIV感染者が増加している。このままではいけないと思ったし、性教育をこれから発展させるのにはだいぶ勇気もいると思うけれどとても重要な事だと思う。
・エイズは唾液、空気、皮膚での感染はしない。日本は性教育しなさすぎで自分の首を絞めている。先生の授業、考え、とても素晴らしかったです。また先生に会ってお話ししたいです。”

◆トピックコード 205    
 「ビジネスで求められる コミュニケーションスキルとは」
 iU 情報経営イノベー ション専門職大学 教授 平山 敏弘 先生

 参加生徒数 21名   報告者名 肥田規幸

 

1.トピック内容等
内容は次の3つパートで構成されていました。
①ビジネスコミュニケーションについての講義
 企業の求めるコミュニケーション力とはどのようなものか,などについてご説明いただきました。
②自己表現のためのフィンランドメソッドの紹介と実践
 まず,事前に考えてきた自分の強みについて,近くの席の人と自己アピールをし合いました。その後に,フィンランドメソッドの手法である「カルタ」を用いて整理し,改めて発表し合うことで,自己アピールが改善されたことを実感しました。
③自己理解のためのエゴグラム分析
 本校でも実施しているエゴグラム分析を実施しました。自分の特徴を理解し,相手とどのようなコミュニケーションが生まれる傾向があるのかを予測し,対策できることを学びました。

自分の強みや自分の特徴を理解することの重要性を感じ取ったのか,生徒たちはとても真剣に受講していました。特に自分の強みに関する自己アピールや,カルタを用いた改善のワークでは,しっかりと相手に伝えようと一生懸命話し合う姿が見られました。コミュニケーションのスキルや手法,ツールを知ることで,人と話すのが苦手な人でも,相手に伝えたいことを伝えることができるようになると実感できたようです。

2.生徒の感想
・コミュニケーションスキルは、スキルを高めていくことで対応能力が向上することがわかった。社会で求められているコミュニケーション能力を身に着け、どんな相手とでも良好な関係を築いていけたらと思った。
・企業が求めるコミュニケーションスキルは自分が思っているコミュニケーションスキルとかなり違うということと、自分の性格も影響するが、自分が学ぶことによって高めることができるということ。

◆トピックコード 206
「組織不祥事・事故と組織コミュニケーション」
 明治大学情報コミュニケーション学部   教授 山口生史 先生

 参加生徒数 10名 報告者名 土屋有加

 

1. トピック内容等
組織不祥事が起こる原因は何か。それは「① 専門家・分業化=部門・職種の壁」

「② 権力の格差」などがあげられる。学校組織にもあてはまることであり、教科の壁など組織不祥事が起こりやすい身近な環境ともいえる。このトピックは、様々な組織不祥事の事例を取り上げ、班で原因を見つけていくという内容であった。
生徒は、複数の事例の中から組織不祥事の原因を見つけ自分なりにまとめ、発表をした。活発的に活動している様子であった。

2.生徒の感想
・組織の不祥事がコミュニケーションなどの不足が原因ということがよくわかった
・社会の闇をしり、その対策法を知ることができた。それを、将来実践したい!
・組織とは何か(目標、参加協動意欲、コミュニケーションの3つから成り立つ)ことから始まり、過去の様々なコミュニケーション障害による事件を上記で挙げた三つのことを意識しながら深く考えることができた。

◆トピックコード 207
「最年少女性政治家が伝える!政治の裏側と思考力トレーニング」
 成田市議会   総務常任委員会委員長 小高夕佳 先生

 参加生徒数 9名 報告者名 レプシャー・ニコラス

 

1. トピック内容等
前半:経歴を中心に自己紹介(動物愛護がきっかけのひとつとなり政治に興味が湧いてきた;
大学でフィールドワークが多く、外国人労働問題や介護問題について勉強し始めた;
最年少の議会委員として当選した)。その後、「政治の裏側」についてのお話、Q&A。

議員の仕事とは何?
①選挙活動(但し、選挙カーが発車する前に、選挙結果は9割以上決まっている)。
②自己宣伝(SNSを利用する政治家については、投稿する内容が不利益にならないようにもっと考えるべきであろうという意見を述べた)。
③視察(本格的な現地調査となるものの方が多いという報告があった)。
④政策作り(人としての本質、人間関係で決めるということであった)。

後半:「クリティカル・アナリティクス」という思考力トレーニング。
つまり、一人対集団のディベートであった。
テーマは話題提供者が事前に参加者に振った二つのものであった:
①少子化が進んでいる中での公立高校の建て替えに賛成するか、反対するか;
②ごみ収集の有料化に賛成するか、反対するか。

一人で自分の意見を言ってから他の参加者全員からの反論に負けずに自分の主張を述べ続ける練習であった。

2.生徒の感想
・クリティカル・アナリティクスは緊張したが、短い時間の中で必死に考えをめぐらすことで新しいイデアや解決策を見つけられることを実感できた。政治家の仕事のテレビ等に出ない部分について知ることが出来て、イメージが変わった。
・議員という仕事は具体的に何をするのか知ることができたことが一番の収穫です。
この講義のおかげで自分は将来とくにやることが決まっていなかったが、自分の地元をよくする仕事がすごく楽しそうに見えたので、区役所や市役所もしくは今日の話題提供者のように市議会議員などにもなって見たいと思えました。

◆トピックコード 208
 「UNHCR の難民支援と 私たちにできること」
 特定非営利活動法人 国連 UNHCR 協会 広報啓発事業/難民高等 教育プログラム担当 天沼 耕平 先生

 参加生徒数 11名   報告者名 田部葉子

 

1. トピック内容等
UNHCRの活動紹介が主な内容であった。最初に学生団体SOARメンバーによる「いのちの持ち物けんさ」のワークショップが行われ、自分にとって大切なものを喪失してしまう疑似体験を行った。

生徒は、「あなたにとって替わりないもの(赤)」「あなたにとって替わりのあるもの(青)」
「赤でも青でもないもの(黄)」を分類し、青がなくなったら→黄がなくなったら→赤の「いのち」以外がすべてなくなったら と想像をして、意見をシェアした。

「青がお金で買えるものだよ」と事前に指定を受けていたが、赤に「お金」を入れていた生徒が複数いたことは意外だった。その後、UNHCRの具体的な活動や、現在各国でどのような支援を必要としているかなどの活動内容を聞き、我々が現在できることについて知ることができた。

2.生徒の感想
・性難民の捉え方について偏った捉え方をしていたが、改めて偏っていたことを実感した。難民の人には研修旅行の際に実際に会って自分よりも年下の子供たちと触れ合ったこともあって色々と考えることがあったし、自分にできることはあるのだろうかと考えさせられた。
・困っている人がいたら助けたい。募金活動をしたい。他の人にも学んだことを伝えたい。

◆トピックコード 209    
「人生には目標が必要?大学生と一緒にキャリアを考えるワークショップ」
 東京経済大学コミュニケーション学部 准教授 北山聡 先生 
 参加生徒数 13名  報告者名 高野幸子

 

1. トピック内容等
「偏差値の高い大学・学部に進学する」のは、日本とドイツの特徴。世界のスタンダードは「大学に入ってから、学部を選ぶ」方式。生徒たちが、この講座で最初に聞いたお話です。
生徒たちにとっては、驚く内容だったのかもしれません。

「(大学に入る前に学部を選ぶように)知らないことを選ぶのは、難しくない?やってみないと分からなくない?」いう問いかけがありました。

次にレゴを使った工作を元に、キャリアを考える方法を説明してくださいました。レゴを使ったワークショップは「LEGO Serious Play」と呼ばれるもの。生徒は皆、レゴのセット(レゴの数も形も平等)を渡されて、以下の3つの工作を行いました。

  • プリントの絵にあるものをレゴで作成する。
  • 約束事4つを守って、タワーを1つ作る。
  • ②の残りのパーツを使って、もう1つのタワーを作る。

ここで大切なのは、③のタワーです。使えるパーツの形や数は同じでも、一人一人のタワーの形は全く異なっており、こだわりも違います。この結果から、キャリアを考えるとき、一人一人のこだわるポイントが違うのだから、一人一人キャリアの考え方や選び方が違って良いのだ!と諭されました。

生徒が作成した③のタワーに「間違い」が存在しないように、自分自身が選んで進むキャリアには間違いなんてないんだと、力強くお話してくださいました。様々なデータを用いて、「夢」だけがキャリアではなく、偶発的なことを計画的にとらえてキャリアアップしていくことが大切である。偶然を受け入れてチャンスに変えていき、トライ&エラーを繰り返しながら、キャリアを作っていくことが大切であり、実際にやってみないと分からないことが多いと、先生の経験談を交えてお話してくださいました。実は、私もそう思っています。

レゴでの体験もあり、生徒たちは真剣に話を聞き、考えているようでした。
高校は、文理選択や学部学科選びなど、人生の分岐の選択をする時期です。生徒の心に残る言葉をたくさん頂いた講座でした。

2.生徒の感想
・夢や目標は偶然の産物と呼べる物なので今焦って決める必要はないということです。どういう事かと言うと海外では元々広告系の所に行こうとしたが失敗して友人に誘われた不動産会社に入ったら最終的に副社長になるなど偶然の重なりでやることが変わるということです。確かに決める必要もありますが僕達はまだ高校生なので大学に入ったらどうするのか?と考えると今焦っても仕方がないと言うことを学べました。
・将来の夢ややりたいことが決まっておらず不安があったのですが、無理に決めることも無いんだなと安心しました。

◆トピックコード 210
 「民族/国民意識が形成される過程」
(講演者)● 東京商工会議所 北支部会長(越野建設株式会社)  越野 充博 先生(グループワーク担当)
●株式会社 東京証券取引所 金融リテラシーサポート部 課長  斎藤 史貴 先生

 参加生徒数 11名  報告者名 藤井健太

 

1. トピック内容等
プログラムはまず、渋沢栄一の経済、会社に関する考え方の講義から始まった。
渋沢は会社というものは社会全体のためにあり、会社自体のためだけにあるものではないと考えた。この考えは現在のCSRにもつながるもので、自分勝手に利益を追求することは会社や経済の本質ではないと考えていたのである。

この考えを大切にしながら、SDGsの目標に合致するような社会課題を解決する事業を企画するグループワークを行った。完成したアイデアを北区の職員の方々や東京証券取引所、北区商工会議所の方々に発表しフィードバックをいただいた。
実務に携わる方々にフィードバックをいただける良い機会になり、プログラム終了後も活発に質問する様子が見て取れた。

2.生徒の感想
・ ”合本主義を学んだ。「みんなの利益のために出資を集めて事業を起こしそこで得た利益を社会に分配する」このように「みんなのために」を考えて会社を起こす。論語とそろばんを大切に。”
・ 事業も含めて「みんな」に利益があるように考える。とても楽しかったです。

 

◆トピックコード 211
 「これで良いのか?性の知識とジェンダーギャップ;私の体は私のもの」
行徳総合病院 婦人科 婦人科内視鏡室長(産婦人科医) 坂本愛子 先生

 参加生徒数 15名  報告者名 髙橋 眞由美

 

1. トピック内容等
#つながるbook…手作りの資料だったことにびっくりしました。
わかりやすく、後で、確認しやすくして下さり、生徒も、後で、ゆっくり今日の振り返りができると思います。

個々の質問が出なかったのには申し訳ありませんでした。テーマとして、皆の前で発言しにくかったと思います。これが、日本の性教育の未熟な結果だと感じました。
解散した後、4~5人の女子生徒が、個々に先生に質問に行っていたので、相談できて良かったと思います。ありがとうございました。

2.生徒の感想
・生理痛や妊娠時などへの現実的な対策、理解が進んだ。今は関係ないことでもこれからを考えると知っておくべきことは多々あるのだと改めてわかった。ロールプレイなどもありとても分かりやすかったです。変に隠さずに説明することが、理解する上で大切なのだろうと思いました。
・産婦人科に気軽に行けること。色々な知識を教えて頂きありがとうございました。悩みがあったので少し改善された気がします!

◆トピックコード 212
 「心臓は電気とカルシウムイオンで 動いている!」
 東邦大学 薬学部 薬物学教室、教授 
田中 光 先生
 参加生徒数 10名  報告者名 鹿島知周

 

1. トピック内容等
心臓の構造や拍動の仕組みについて、中学生や高校生でもわかるような知識に落とし込んで説明していただいた。生物分野中心の研究をなさっている先生であったが、物理や化学の知識も登場して、生徒たちの中には「研究って色々な分野を知っていないといけないから大変だ」と感じたものもいると考えられる。しかし、逆の発想をすれば、研究には多くの扉があるといえ、例えば化学しかできなくてもそれを活かせるフィールドは必ずあると生徒に伝えて頂いた。この講座を聞いた生徒が、多角的に物事を考えることの大切さに気付いてくれていれば幸いである。

2.生徒の感想
・臓の構造と細胞内のイオンの量に応じて変わり、電荷が正に傾くことで活動電流が変わり心臓が動くと分かった。内容は難しいものであったがものの例を交えてくださりとても分かりやすく聞きやすかった。
・教科選択によって自分のしたいことを絞ってしまうのではなく、広い目で見ることが大切だと先生が仰っていたので参考にしたい。生物で習った内容とも結びついて、理解が深まった。

 

◆トピックコード 213
 「世界で今何が起こっているのか~ 日本と世界の平和と経済発展の ために~」   
 内閣官房 副長官補付参事官補佐   冨田 翔 先生
 参加生徒数 24名 報告者名  池田皓

 

1. トピック内容等
冨田さんが、内閣官房で行っている仕事について具体的にお話をしてくださいました。
官僚の仕事および国際関連の仕事に就きたいと考えている生徒にとって、非常に参考になる話でした。また、日本政府から発信されている文書についても、一文一文、その裏の意味までも説明をしてくださり、メディアリテラシーを育む意味でも非常に意味のある素晴らしい講演でした。

多くの生徒が意欲的に講義に参加しており、数名の生徒は会の終了後、質問をしていました。日本の将来を担う人材を育成する意味でも非常に有意義な会となったこと、職務御多忙の中、講義していただけたこと心から感謝します。

2.生徒の感想
・国際的にいろいろなことが起こっているのに対し、日本がどのように動いているのか、そしてその中での仕組みを知ることができた。
・将来の職業選択を考えるにあたり、大きな指標となる情報を得られた。すごくお忙しい中、お話に来てくださりありがとうございました。素人の質問にも真摯に答えてくださってあんまり公言できないようなこともユーモアたっぷりでお話しされていて、非常に面白く学び多い時間でした。

 

◆トピックコード 214
 「食品表示に見る「食品科学」の知識とスキル」
 日本獣医生命科学大学 応用生命科学科 食品科学科 准教授 奈良井朝子 先生

 参加生徒数21名 報告者名   田中秀長

 

1. トピック内容等
 前半は、ご自身が今現在、どのような分野を研究されているのかを話された。「食品」に関する学部でも、例えば食品学、栄養学、調理学は互いに関連しつつも、実際に学び取り組むことはそれぞれ大いに異なることがよく理解できるお話しをして下さった。
まだまだ、漠然とした目標しか持たない生徒には、改めて真剣に進路を考えさせるきっかけになったのではと思います。後半は食品の表示項目のお話しになりました。
事前課題を丁寧に取り組んだ生徒の発表に、大いに感心され、「スカウトしたい」などとおっしゃっていただいて、当該生徒が喜んでいました。

2.生徒の感想
・食品と薬品の表示の違いだったり、製造場所など食品ごとの書かなくてはいけない項目だったり、普段食べているけれど知らない食品のことをよく知る機会になりました。特にお米などと比べると加工食品は書かなくてはいけない項目が5倍くらい多くてびっくりしました。だからいつも買っているお菓子やハムなどの裏面はびっしり文字で埋まっているんだなと思いました。また、アイスクリームや氷など賞味期限を省いてもよい食品があるのにも驚きました。
・特定保健用食品と機能性表示食品の表示方法を学ぶことができた。機能性表示食には、機能性表示食品が薬ではないこと、1日三食バランスの良い食事を摂ることなどが書かれているということが特に面白かった。さらに、日本獣医生命科学大学の食品科学科の准教授ということで、食品科学の話をされていたのですが、食品科学が私の探求や将来やりたいこととも関わりがあることだったため、とても役立つ情報を得ることができた。

◆トピックコード 215    
 「科学的根拠に基づいたスポーツ 傷害(けが)の予防」
 帝京平成大学 人文 社会学部 経営学科、准教授 原田 長先生

 参加生徒数 17名 報告者名  齋藤 成利

 

1. トピック内容等
アスレティックトレーナー(AT)の役割やコンピテンシーについて説明があり、ATに求められるスキルを知ることができた。また、学校現場で起きる心臓系突然死は、体育的部活動で49.7%、体育授業で33.4%とのこと。いかに迅速にAEDを用いた心肺蘇生法を実施することができるかどうかが、生死を分けるということを学ぶことができた。そのため、自分たちが生活する学校のどこにAEDがあるかを把握しておくことも重要。ちなみに参加生徒の約7割がAED設置場所を知っていた。ATは初めての場所に行く際AEDがどこにあるかを観察することが重要であるという話を聞いて、教員としても同じ意識を持つべきだと感じた。

また、スポーツ傷害のメカニズムを学ぶことができた。原田先生は本校のスポーツ傷害のデータを分析しており、足関節のけがが多いことを指摘されていた。そのため、実際に生徒たちに足関節の傷害リスクを確かめる方法とリスクを下げるための対策法を指導していただいた。この時、生徒同士で観察しあいながら活動している様子はとても楽しそうであり、興味をもって講義に参加している様子が見られた。

2.生徒の感想
・アスレティックトレーナーになるための方法を教えてもらいました。ネットで調べていたのですが実際に話を聞くとすこし違う部分があったので勉強になりました。とっても面白い内容でした。私はバスケットボール部に所属しており、サッカー観戦に行くことも多いのでアスレティックトレーナーには元々興味があったので仕事の内容、アスレティックトレーナーになる方法を実際に聞いたのはいい経験になりました。この話を聞いて今後の進路に活かしていきたいと思いますし、よりアスレティックトレーナーに興味を持ったのでたくさん調べたいと思いました。
・怪我は方法によっては予防できる。今、実際に疲労骨折になってしまっているので1日でも早く治してこれからの競技生活に活かして行きたいです。

◆トピックコード 216    
 「災害を「忘れない」とは どういうことか。」
 明治大学・情報コミ ュニケーション学部 専任准教授
小林秀行 先生
 参加生徒数 21名 報告者名  浅輪旬

 

1. トピック内容等
小林先生ご自身が、災害社会学に興味をもたれたきっかけから本セッションがスタートしました。

「災害を記憶するとは?」「災害を記憶するのは何を目指すのか?」など私たちが当たり前に使っている表現の定義を理解しました。911メモリアル・ミュージアムやホロコースト博物館などを例に出しながら、様々な人が遺構などに対してどのように感じてしまうのか考えるきっかけをいただきました。「防災」という用語も一般的に使われているが、その単語ですべてを包括してよいのか。参加者全員にとって、普段の自分たちの言動を改めて考え直す機会になりました。

また、明治大学の情報コミュニケーション学部のご紹介やミニレクチャーなど、非常に濃い90分間でした。小林先生、ありがとうございました。

2.生徒の感想
・災害と防災についての別の視点、観点。自分たちの立場と被災者の立場でのこれらの言葉の意味は全く違うことがよくわかった。
・防災や災害について今まで思っていたものと実際は違っていてとても考えさせられました。災害の遺構を残すのにもいろいろな葛藤などが被災者の中に合ってその中で今残されているものがあるということを知りました。

◆トピックコード 217    
 「質問力を高めよう」
 順天中学高等学校、教諭
川本 真一 先生
 参加生徒数 10名 報告者名 ライアン・ジュード

 

1. トピック内容等
川本先生は、質問の仕方によって答えが変わるという話をし、質問の言い回しの重要性に気づかせてくれました。物事をどう記憶するかという点で、その時どう感じたかという質問よりも、何をしたかという質問の方が答えやすいということを学びました。質問の違いによって、頭の中の考え方や気づくものも違ってきます。

また、人間は自動的に回りに反応して生きているが、質問を使うことで選択肢を作り、自分の歩む道をコントロールできるようになるということも学びました。質問の力について書かれた本や著者も紹介されました。

内容のほとんどは、参加者とのアクティビティに基づいていました。参加者は、良い質問と悪い質問とは何か、質問の利点とは何か、効果的な質問とは何かについて熱心に話し合い、またパートナーに「何を?」「本当に?」「それで?」「どうやって?」と質問することで、お互いがより深く考え、自分のことを説明できるようにする方法も練習しました。

参加者は聞き上手であり、会話の間がほとんどないほど話していました。
彼らは他の人の発言に貢献し、それを土台にして、自分の考えをみんなと共有しました。

2.生徒の感想
・質問についての考え方がガラッと変わった。自分ももっと意味のある質問ができる人になりたいと思った。質問と問いについての違いを考える機会を得た
・探求の具体的なやり方進め方、探究のノウハウを、具体的に知ることができた
・「効果的」な質問。質問を作る上で4つの軸が存在

 

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