8月18日~8月23日の期間で、北海道・東北研修旅行を実施しました。
このコースは、ファームステイを通して現地の人々の生活を体験し、2011年東北大震災の被災地を訪れ、現地の人の話を通して震災や防災ついて学ぶコースです。札幌・函館では班別自主行動を実施し、決めた場所を観光し、名物を食べ、存分に楽しみました。また、北里大学十和田キャンパスに立ち寄り、獣医学部の施設を見学しました。
【 ウポポイ【民族共生象徴空間】 】
8月19日、北海道白老町のウポポイ(民族共生象徴空間)に行きました。天気はあいにくの雨でしたが、ポロト湖畔は美しく、豊かな自然に囲まれた地でした。
体験交流ホール(アイヌ語で「ウエカリ チセ」)では伝統的な舞踊を鑑賞し、文化や世界観を身近に感じることができました。ウポポイのスタッフたちはそれぞれがアイヌ語の名前を持ち、施設内のいたる所にアイヌ語の説明があり、文化を残そうとする人たちの強い意志が表れていました。
生徒たちは、アイヌ民族の人が自分たちの文化をどのくらい大切にしていたかということや和人との文化・生活習慣の違いを感じられたようです。
【 ニセコ地区営み生活体験(ファームステイ) 】
19日午後~21日午前まで、ニセコ地区でファームステイに参加しました。4~7人のグループに分かれ、それぞれ生産者さんの家にお世話になります。採れたての野菜やスイカを食べたり、農業についての話を直接聞いたりと、東京ではできない体験がたくさんできたそうです。
農作業では収穫や、牧場の土の調査、草むしりなどを体験することで、スーパーに並ぶ野菜が当たり前に出来上がるものではないこと、作物に対しての感謝の気持ちをより深めることができたとのことでした。ファームステイ先のご家族ともとても仲良くなり、一人の生徒は「いつでも北海道のママとパパたちに戻っておいで」という言葉が今でも刺さっているようです。
【 北里大学十和田キャンパスを見学 】
北里大学十和田キャンパスを見学しました。十和田キャンパスには獣医学部(獣医学科・動物資源科学科・生物環境科学科)が設置されています。北里大学を見学してみて、ここでの学習や研究の環境がとても専門的であることに気づきました。
学内にはなんと附属の動物病院までありました。教学棟や実験室、実習施設も非常に整っていて、学生たちは実際の環境の中で経験を積むことができます。手術室を見学した後は、彼らが動物に対して抱いている尊重の気持ちや、知識に対する真剣さを強く感じることができました。
【震災遺構 田老観光ホテル 学ぶ防災ガイドより】
震災遺構の田老観光ホテルにて、防災ガイドさんの話を聞きました。防潮堤から津波が見えたら逃げる時間は10秒ほどだ、という話を聞き、津波だけでなく地震や土砂災害などにも言えることだが、自然災害が起きた場合には事前準備と油断しないことが命を守るためには大事なのだということ学びました。
田老観光ホテルのようにありのままの姿を残しておくことは、次世代にこの悲惨な歴史を後継することにつながることに気づきました。また、実際にホテルに残った支配人のいた位置に立ってみて、「どんな気持ちや覚悟でここに残ることを決めたんだろう」と感慨深い気持ちになりました。
特にファームステイが一番生徒の心に残ったようです。農業体験を通じて、集団で生活するための思いやりや人の暖かさに触れ、大きく成長した研修旅行となりました。