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イオン・アンバサダー活動報告 in Japan

2025/8/1

イオン1%財団主催「イオンティーンエイジアンバサダー・日本中国交流活動」の代表校に本校が選ばれ、高校1年2年生の代表10名が「アンバサダー」として参加しています。

令和7年7月14日(月)~19日(土)にかけて日本でのアンバサダー活動が行われました。

【1日目:緊張の中でも心が通じ合い、交流が始まった記念すべき日】

プログラム初日は、ホテルでのオリエンテーションや日本人生徒同士の名刺交換を行ったあと、いよいよ中国のパートナー(バディ)と直接会う機会がありました。これまでオンラインでしか交流していなかった相手との対面に緊張しながらも「英語で会話が続くか不安だったけど、趣味の話で盛り上がって自然に話せた」「文化は違っても、“わかり合いたい”気持ちがあれば通じると感じた」というポジティブな気づきが多く、実際の交流の手ごたえが感じられ、アンバサダーとして良いスタートを切ることができました。

中国の学生の語学力や勉強への姿勢に驚き、「夜寝る直前まで勉強していて本当にすごいと思った」「自分も見習わなきゃって刺激になった」といった声が複数上がっていました。言葉の壁に苦戦しつつも、異文化交流の楽しさや刺激を実感できた一日だったようです。

【2日目:国の枠を越えて、人と人がつながった一日】

2日目は首相官邸への表敬訪問から始まり、本校の長本光史君が日本アンバサダーを代表して挨拶を行いました。その後、国会議事堂を訪問しましたが、「思ったより明るくて緊張感が伝わった」「政治の現場に触れられて貴重だった」という声が多くあがりました。議員の方から「自国のために他国を非難することが本当に正しいのか」という問いかけも印象的でした。

午後は中国大使館に移動し、本校の黒澤英太君が日中の友好と平和を願う平和宣言を行いました。また、中国の高校生の歌やダンスに感動し、「文化は言葉を超えて人とつながる」と実感した生徒もいました。バディ以外の友達とも交流でき、「多くの人と話せて嬉しかった」「異文化をもっと知りたい」という感想が多く寄せられました。

【3日目:知ることが変化を生む力になることを再認識した一日】

この日は明治記念館で外務省職員の方より、その役割や国際関係についての講演を聞きました。「自国だけを大切にしても本当の意味で国のためにならない」「これからは他国の人と共存することが必要」といった深い考えを持つようになった生徒も多くいました。また、本校の福地経平君からの「他国に興味がない高校生に興味を持ってもらうにはどうすればよいか」と率直な質問に対しては「イオン活動のように、他国の人と一緒に活動や会話を楽しみながら、相手国を知ることの楽しさを伝えることが大切である」との回答をいただき、この活動への参加を更に充実させたい、との意欲が高まったようでした。

午後は日本科学未来館や幕張のイオン歴史館とイオンモールを見学し「日本の技術や企業の歴史や努力を知り、もっと学びたい」などの感想があがりました。3日目の交流を通して「政府間の交流は難しいが、私たち市民の交流が友好関係を築く鍵だ」と感じるなど、参加者全員が民間レベルの交流の大切さに気づき国際理解への意欲を深めることができました。

【4日目:伝統を編み、未来を歩いた一日】

4日目は、午前中に日本の伝統工芸「組紐」体験を行い、ものづくりの奥深さと日本文化の美しさに触れました。組紐は鎧や刀の装飾などにも用いられ、約1300年の歴史を持つ技術であり、日中の交流のルーツにもつながる文化財です。組紐体験では「初めての体験だったが意外と集中できて楽しかった」「職人の方の話が面白く、文化の深さを感じた」という声が聞かれました。また、「自分の性格が作品に出ると聞いて驚いた」という感想もあり、文化体験が自己理解にもつながった様子が伺えました。

午後は、再開発が進む「高輪ゲートウェイシティ」を訪問し、都市開発や未来型まちづくりについて学びました。駅周辺に設置された実験的な移動手段や、スマートシティ構想についても紹介があり、生徒たちはテクノロジーと暮らしの関係性に思いを巡らせました。高輪ゲートウェイでは、「未来的でワクワクした」「スマートシティ構想の裏にある課題(プライバシーや利便性)についても考えさせられた」という前向きな意見が出ました。

【5日目:異文化交流で成長できた一日】

5日目は、午前中に順天高校での学校交流が行われ、ダンス部や吹奏楽部の発表、「ハンカチ落とし」を日中20名で一緒に行いました。ハンカチ落としを中国の生徒たちが知っていたことに驚き、思わぬ共通点が交流のきっかけにもなっていました。その後、茶道・書道・華道などを通して、日本文化を中国の生徒たちに紹介しました。「自分の文化を教えることで、逆に自分の学校や文化への理解が深まった」「中国の生徒の書道の上手さに驚いた」という声が多く聞かれ、文化を通じた共感が生まれました。

放課後には、ペアの生徒を連れて国立歴史博物館、浅草、東京スカイツリー、後楽園などを訪問したり、ホストファミリーと過ごす時間や夕食(焼肉・寿司など)を通して、交流を深めました。「迎えられる側から、迎える側へ。自分も温かくもてなしたい」という言葉もあり、異文化交流の中で育まれた思いやりや責任感も感じられた一日でした。

【6日目:一緒に過ごした“日常”が日本と中国をつなぐ架け橋になった一日】

この日は、日本活動の最終日。午前から午後にかけては、各自が家族と中国人生徒のペアとともに自由に行動し、渋谷、上野、浅草、お台場、池袋、新宿など、思い思いの場所で一緒に時間を過ごすことで、より深い“ふれあい”が生まれた日となりました。

「仲見世通りを歩いて一緒に浅草寺をお参りした」「お台場でスポッチャを楽しんだ」「一緒に焼き肉を食べながら中韓日の違いについて語り合った」など、それぞれの体験が、文化のちがいへの理解や、相手を“知る”ことの楽しさにつながっていました。

午後には、全員が羽田空港近くのホテルに再集合し、最終報告会が開かれました。この一週間を振り返る場面では、「短い期間だったのに、まるで1か月過ごしたかのような濃さを感じた」「首相官邸でのスピーチよりも、その言葉を実行に移す方が大事だと気づいた」など、深い学びを言葉にする姿が印象的でした。

一方で、「名刺は“つながり”のきっかけにすぎない。大切なのは、その後どう関係を育てるか」「文化の違いに驚くこともあったが、それを面白がれる自分でいたい」といった声も多く聞かれ、このプログラムがただの国際交流にとどまらず、自己理解や対人関係の学びにもつながったことが感じられました。

イオンアンバサダーになった生徒達が、日本で共に体験した表敬訪問や文化交流、ホームステイでの時間は、日中の相互理解を深める大きな一歩となり、両国の未来をつなぐ架け橋となったと感じる6日間でした。

中国での活動で、この架け橋が更に強固なものになることを期待しています。