お知らせ

お知らせ
グローバルウィーク・ダイジェスト2024 4日目(11/14実施)
2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月11日(月)~11月15日(金)の1週間を通して実施しました。
今回は11月14日(木)に行われた4日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。
◆トピックコード 401
「心臓は電気とカルシウムイオンで動いている!」
東邦大学薬学部 教授 田中 光 先生
参加生徒数 12名 報告者名 島﨑有華
![]() |
![]() |
---|
1.トピック内容等
(1)講義内容
心臓を動かす仕組みについて、“活動電位”や“カルシウムイオン”、“ミトコンドリア”、“自律神経”などの働きを示しながら、わかりやすくご解説いただいた。また、田中先生の研究室で行われている心臓の研究について、カエルの心臓のみを取り出して人工で動かしている動画などを見せていただき、実際の研究の様子をうかがうことができた。
そして、田中先生の周りの研究者たちがどのように人生を歩んできたか、どんな経緯で薬学研究の道に進んだのかなど、生徒たちの将来の幅が広がるお話があった。薬学は、物理や化学、生物、地学など、様々な分野が関わっている学問であり、たった1つでも好きな分野があれば、どこからでも薬学の扉は開くというお話が印象的だった。
(2)生徒の様子
心臓の仕組みに関するお話では、真剣な表情で学ぶ生徒たちの姿が見られた。心臓の動画を視聴する際には、興味津々に見入っていた。また、進路や将来に関する「どこからでも扉は開く」というお話を聞いて、生徒たちはホッとしたような様子であった。
2.生徒の感想
・カルシウムウェーブの流れによって不整脈などが起こるのを初めて知ったし、洞房結節にあるペースメーカー細胞が1秒に1回くらい微量な神経を出して心臓を動かしていることも分かった。自分が思っていたよりも心臓は構造や仕組みがすごく難しかった。
・カルシウムイオンの濃度勾配による変化によって心筋細胞を動かしていることや、カルシウムスパーク、カルシウムウェーブによって不整脈が起こるというのが面白かったです。
◆トピックコード 402
「誰でもどこでも言語学」
獨協大学外国語学部フランス語学科 教授 田中 善英 先生
参加生徒数 生徒10名 報告者名 徳光 百花
![]() |
![]() |
---|
1.トピック内容等
言語といわれて、音声や文法だけでなく形や色なども文字から私たちは感じたりイメージしたりしている。言語といっても様々なところで点と点が結ばれていることを学んだ。例えば、会社名や商品名の字体がどうなのか。雑誌名には何の言語が使われているのか。会社の戦略や商品の売り方まで言語から読み解けるのが興味深かった。
2.生徒の感想
・文字によって与える印象が違うという、漠然と知っていることについて詳しく知ることが出来て面白かった。これはポスター制作やマーケティングなど様々なことに利用できそうだと思った。言語学をもっと学んでみたくなった。
・昨年も先生のクラスは取らせていただきましたが、昨年も今年もとても楽しく面白かったです。私は文学部の日本文学科志望で、言語学の文法的な方ではなく、文学の方に興味がありますが、今日の授業で日本語の方言や文法に興味を持ちました。改めて問われてみると気づかされる事が多く、日本語の裏の部分や外国語との比較での気づきが多くとても多くのことを学ぶことができました。
◆トピックコード 403
「自分の「強み」と「弱み」、相手との関わり方がわかる統計学の魔法」
ライフコーチ / Webエンジニア 石坪 みわ 先生
参加生徒数 20 名 報告者名 森依子
![]() |
![]() |
---|
1.トピック内容等
”魔法のスイッチ“というテーマで、生年月日ごとに3つの魔法使いに分類されました。
”ホスピタリティ””叶える””アイデア”の魔法使いがの絵が描かれたカードを受け取り、グループごとに座り、ワークシートに記入し、それを基に自分の意見をシェアするという形式で進められました。それぞれのタイプの強みと弱みを知り、自分だけでなく相手のことを知り、それぞれの”やる気スイッチ”理解することにより、日常生活の中でどのタイプの人であってもその人との関係性を築くことができるということを学びました。これからの人生において多くの人と関わりの中で社会生活を円滑にすることができると思います。ありがとうございました。
生徒たちはグループ活動でお互いの意見を活発に行い、楽しそうな雰囲気の中お互いを知り、尊重しあい、人とのかかわり方を学び成長できたと実感している様子でした。
2.生徒の感想
・自分の属性をよく知ることで、弱点を強みに変えて考える方法や、別の属性の人達との関わり方を学んだ。また、自分の弱点のひとつに、人を褒めることが少ないとあったが、将来の夢が教員なので、子どもたちを沢山褒めることが出来るように、今から周りの人を褒める練習・習慣をつけていこうと思った。
・自分の今まで自覚していなかった1面も分かったし、このタイプの人にはこう接する、こんな言葉をかけるなどが知れて、これからの人間関係が良くなりそうだと思った。
◆トピックコード 404
「ヒトの身体と運動の仕組み~姿勢や動作を安定させるには~」
杏林大学保健学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 教授 跡見 友章 先生
参加生徒数 14 名 報告者名 増田 三華
![]() |
![]() |
---|
1.トピック内容等
理学療法士の業務内容や今後の国際的な社会貢献への可能性も含め、進路選択をする上でも明瞭な情報を提供いただいた。
理学療法士は(作業療法士・言語療法士とともに)リハビリテーションを支える専門職の一つである。理学療法学とは「できること」を増やすための知識・技能・考え方を身につける学問であり、身体のメカニズムを学び医療と健康を支える学問である。心身機能・構造の問題を改善する運動プログラムを提供し、患者さんと一緒に取り組む。
Rehabilitation:Re(再び)Habilis(適する)「人がもう一度自分らしく生きること」
骨格・骨格筋・関節支持基底面と身体重心の力学的視点から姿勢や動作の評価・分析・改善方法を明示いただいた。生徒は積極的に関わり、内容に納得しながら視点が増える経験をしていることが生徒の反応から伺えた。
2.生徒の感想
・腕の付け根が鎖骨ら辺だとしり、とても驚きました。また筋肉や骨の柔らかさによって結構体の動かし方が変わると感じ、興味が湧きました。今回の講義で存在感があり、様々な動きの基盤となる股関節が推しになりました。
・私は猫背で、今回の講義で猫背を直すためのストレッチを学べたので、試してみたいと思った。また、正しい姿勢を保つための条件や、骨について学んで、リハビリ関係の学部にも興味を持つことができた。
◆トピックコード 406
「ドラッグストアで、どのうがい薬を購入しますか?」
北里大学薬学部 薬物治療学Ⅰ 講師 毛利 順一 先生
参加生徒数 13名 報告者名 香西 令菜
![]() |
![]() |
---|
1. トピック内容等
講師自己紹介(北里大学薬学部教員、病院薬剤師兼務)の後、グループに分かれてうがい薬の効果についてのサンプル論文(事前課題として読んでおく)を検討しました。参加者たちは、サンプル論文の内容について、それぞれが気付いたことを共有できていました。薬剤効果についての論文が課題のため、全体的にまじめな様子でした。
その後、各グループで検討した内容を発表しました。実験対象者の母数の少なさや不安定さ、実験の実施条件が不明瞭であることなどが指摘されました。
各グループの発表の後、講師からの解説がありました。情報の調べ方、信用できるかどうかを検討することをはじめ、サンプル論文を実際に評価しながらの論文の読み方のポイントの解説があり、探究活動にも生かせそうな内容でした。参加者は、他グループの発表も講師の解説もよく聞いていた印象でした。”
2.生徒の感想
・情報の信憑性の見方について凄く参考になりました。また、薬剤師の目線からの見るべき視点を知ることが出来ました。
・論文の書き方は、探求の発表ポスターや生物の実験レポートを書く際に非常に役に立つものだったので、かつてないほど熱心に聞き入ってしまいました。
◆トピックコード 407
「食品表示に見る「食品科学」の知識とスキル」
日本獣医生命科学大学 応用生命科学部 食品科学科 准教授 奈良井 朝子 先生
参加生徒数 12名 報告者名 小町 浩一
![]() |
![]() |
---|
1. トピック内容等
「食品科学」とは何か、どのような学問かのお話がありました。食品を生産から加工流通、販売、消費に至るまでを農学、化学、医学、安全衛生、社会科学などの観点から研究する分野についてのトピックでした。特に「食品表示」にどのようなことが書かれているか、それは何を表しているのか、何のために表示されているのかがなどについての学びがありました。また、消費者と製造者を守るための表示がなされていることにも触れました。生徒たちは興味を持って参加していました。半数以上の生徒が熱心に質問をしていました。食品科学の分野がいかに広く多様であり、私たちの生活や健康にどのように関わっているかを実感したようでした。担当された奈良井先生からは、「グローバルウィークに何回か参加をしているが、今回の生徒は最も熱心に参加をしてくれた」との感想がありました。
2.生徒の感想
・普段何気なく購入していた商品の多くが加工食品で、その製品に載っている食品表示は消費者と生産者を守ることにつながっていることが分かったのでこれから購入するときには食品表示にも目を向けながら探してみたいと思いました。
・事前課題を通して「自分で選んだ加工食品の成分表示」にしっかり目を通すことができました。普段の買い物の際にも成分表示を見ていますが、こんなにも気づきを見つけようとしたことは今回が初めてだったので、とても興味深かったです。/のあとは添加物ということは知っていたが、文字の大きさや保存方法などの細かいところで知らないことがたくさんあったので、新しい知識を身に着けることができてよかったです。これを機に家族と今日の学びを共有していきます。
◆トピックコード 408
「【体験型】鷹の爪団と学ぶ!目指せ株主王!」
野村ホールディングス株式会社 ファイナンシャル・ウェルビーイング室 シニアアソシエイト 佐藤由紀 先生
参加生徒数 29名 報告者名 矢口 雄翔
![]() |
![]() |
---|
1. トピック内容等
野村ホールディングス株式会社の佐藤由紀さまをはじめ、川口支店の方々が多数おいでくださり、参加型のワークショップを開催してくださいました。はじめに生徒たちは、金融とは何か?お金を必要とするのはどんな人か?という問い掛けに応じる形で、株式についての基礎的な知識を学んでいきました。
その後、生徒たちはグループに分かれて株主の体験をしました。映像の中の吉田くんが社長として意思決定を行うに際し、いま株を売るべきか・買うべきか、いくら分まで売り買いすべきかを話し合い、実際に紙のお金を株式に交換しながら、株式の仕組みを学びました。野村証券の方々が、小さな旗を立てた机を窓口として対応してくださる姿は、リアリティとお茶目さがあり、大変親しみやすかったです。また、鷹の爪団のキャラクターが取り入れられた物語もユーモラスで、難しい内容でも笑いを交えながら理解を深められる工夫がされていました。
最後の質疑応答においては、株式のことだけではなく、証券会社はどのような仕事をしているのか、なぜ皆様が証券会社で働こうと思ったのかなど、職業に対しても活発に質問が行われ、生徒たちの関心の高さがうかがえました。このワークショップを通じて、生徒たちは株式投資や金融リテラシーの重要性を実感し、経済への理解を深める貴重な体験をすることができました。将来の選択肢を考えるうえで、自身の興味や視点を広げる良い機会となったと思います。
2.生徒の感想
・そもそも株式というものがあやふやでよく分かっていなかったので、好きなアニメである鷹の爪団と共に学ぶことができて良かったです!18歳になれば株式を買うことができるということで身近なので、色々調べてみようと思います。
・私の父も投資をやっているのと、商学や経済学に興味があったのでとても学ぶことが多く、とても良かったです。株式投資とふるさと納税の違いについても聞きたいと思いました。株の上がり下がりについてもっと知りたいと思いました。株主王ゲームとっても楽しかったです。また来年も行っていたら行きたいです。
◆トピックコード 409
「異文化を「わかる」とはどういうことか~インドネシアと日本からみる~」
立教大学 教育研究コーディネーター 梅垣 緑 先生
参加生徒数 13名 報告者名 三井田真由美
![]() |
![]() |
---|
1. トピック内容等
インドネシアの少し怖い小説を研究しているという梅垣先生は、真っ先に「問いを進めるのではなく少し問いを戻すことで解像度が上がる」「入口として(異文化という)言葉を解剖する」とお話になりました。探究を行う上でまさに重要な視点です。異文化という言葉を堀下げることからスタートしました。
異+文化に分解し、文化人類学の視点から「文化」についてお話いただきました。
現在では、「特定の集団のメンバーによって学習され共有された自明でかつ影響力のある認識のしかたと規則」と定義されています。
しかし、19世紀ヨーロッパでは、彼らが文化の頂点だと考えていたので、進化前の人間がアフリカにいるとし、ロンドンやパリの美術館で生きた人間を展示しました。残念なことに日本の万博でも同様なことがありました。文化は複数あり、優劣はないという考え方になるまでに、100年以上の年月を有しました。「文化の優生思想がどれほど多くの人を殺してきたのか・・・」先生が語られたとても深い言葉です。
続いて「異」です。「多様性の理解は言語の習得で感度が高くなる」ということで、インドネシアのベストセラー作家、エカ・クルニアワンの小説「美は傷」をご紹介いただきました。この小説は、読み手の年代によっても感じ方が変わるそうです。
最後に、先生は小説を読むことを薦めてくださいました。「鈍感な状態では異文化へのアンテナが低いので、言語を習得して小説を読み、異文化や他社との出会いに開かれた人になってください。」とコメントを頂きました。”
2.生徒の感想
・文化を理解するとはどういうことなのか知ることができた。また、日本人みんな同じ日本文化だと思い込んでいたけれど、日本人の中にも様々な文化があるということに気づくことができた。
・一口に「文化」と言っても、これまでの歴史の移り変わりとともに文化というものは変化してきていて、その過程には無意識な人種差別が当たり前のように行われてきたことがよくわかった。自分が生きてきた環境とはなじみのないものを「理解する」ことが本当の意味で行われていない事、それは難しいことだけれど、逃げてはいけない課題であることをさらに多くの人に周知することがとても大切だと感じた。また、研究を行ってくうえで定義づけ、調査方法、分析方法を慎重に取り組んでいく必要があると再度痛感したので、これからの研究活動でそれらのことを心に置きながらより良い研究をしていきたい。
◆トピックコード 410
「人生を10倍楽しく生きる発想法、最強の学び方」
株式会社フォース・アラウンド 代表取締役社長 飛澤 宗則 先生
参加生徒数 42名 報告者名 ジュード・ライアン
![]() |
![]() |
---|
1. トピック内容等
このワークショップでは、生徒たちが学び方を見直し、目標達成の方法を考える時間が提供されました。主な内容は「最強の学び方」やマインドマップ、人生の夢や目標を達成するための質問の活用方法についての説明と実践でした。また、講師は自身の人生経験を共有し、成長過程で出会った恩師への感謝や「なぜ勉強するのか」という問いかけがもたらした気づきについて語りました。この中で、「どうなりたい?その結果どうなる?本当はどうなったらいい?」という問いを通じて、自己省察の重要性が強調されました。さらに、生徒たちは「真の目的シート」を使って、それぞれの目標達成の道筋を考え、自分なりの方法を見つけることができました。
生徒たちは講師の温かい姿勢に触れ、安心して意見を共有しやすい雰囲気が生まれていました。特に、ワークショップで学んだ内容を日々の学習や成績向上にどのように応用できるかに強い関心を示していました。グループワークを通じて、他者の意見や視点から多くを学び、目標達成に向けた方法が一つではないことに気づいた様子でした。これにより、学び方を見直すきっかけを得て、具体的な行動につなげる意識が高まったと考えられます。
2.生徒の感想
・意外にも自分のことなのに紙に書き出してみると出てこなくてびっくりしました。ですがじっくり自分の将来のことについて考える時間はひさしぶりだったので楽しかったです。
・人生をより楽しく生きる方法や勉強の方法を教えていただき、自分だけのオリジナル方法をいまからでも少しずつ組み立てていけたらいいなと思いました。また、自分でもワークで行ったようなものをやってみようと思いました。
◆トピックコード 411
「海氷ってなにもの? 〜地球温暖化は海に何をもたらすのだろうか〜」
東京農業大学生物産業学部海洋水産学科 教授(生物産業学部長) 西野康人 先生
参加生徒数 13名 報告者名 栗原好典
![]() |
![]() |
---|
1. トピック内容等
「海氷」をテーマとして、その内容の詳細や、地球環境にどういった影響を与えているのかを、パワーポイントを用いて丁寧にご説明いただいた。「海氷をなめるとどんな味がするのか?」という親しみやすい話題を導入に用い、ブライン(濃縮された海水)が沈降する事実、アイスアルジー(藻と氷が合体したもの)が生態系に与える影響、気候の安定、酸素の供給などにおける海洋大循環の役割など、専門的内容へと無理なく進み、ご説明くださった。生徒の興味を充分に喚起する内容であり、講義後も質問を重ねる生徒も目立った。受講した生徒の感想としては、海氷が地球環境に与える影響がこれほど大きいものだと今回初めて知った、0.1℃というわずかな海水温の上昇が、生態系に影響を与えるかもしれないという事実は恐ろしいと思った、海洋大循環が約2000年もの時間を経て地球を周回するという、壮大なスパンのお話を聞けて楽しかった、熱や塩分の差が海流を生み出し、地球環境に大きな影響を与えている事実には、これまで想像もしなかった内容で、今後さらに調べてみたいと感じた、などの感想があった。
2.生徒の感想
・海に含まれている塩分は固まらずに流れ出ることで海氷は味がしないことを知り、とても驚きました!その塩分が抜けた隙間にアイスアルジーが入り、光合成をすることで、生態系にも非常に重要なことを知る良い機会になりました。色々な話を聞くことができとてもためになりました。ありがとうございました。
・今まで自分の中で気候変動が起こっている理由を知らないまま南極の氷が溶けているとか二酸化炭素の排出が良くないみたいな情報を見ていたけれど今回の講義を通して今私たちが向き合っている気候変動がなぜ起きているのかをよく知ることができた。
◆トピックコード 412
「ロボットと街中で暮らす社会」
大阪音楽大学 音楽学部音楽学科ミュージックビジネス専攻助教 太田 智美 先生
参加生徒数 12名 報告者名 川本真一
![]() |
![]() |
---|
1. トピック内容等
未来のものとして語られことが多かった「ロボットと暮らす」ということが、見方によってはすでに思っている以上に身近になっていることを、様々な事例を通して知る機会になっていた。話題提供者は実際にロボットと生活を共にし、何が起こり、どのような感じをいだいているかも交えながら話されていた。体験に基づく内容には説得力があり、リアルなイメージを描けた生徒も多かったように感じた。「かけがえのないもの(ここにロボットも含まれる)とかけがえのない時間を過ごせる社会」というフレーズは本トピックの内容を表しており、印象に強く残るものがあった。
2.生徒の感想
・ロボットは手軽に手に入らない別の世界の話のように思っていたのですが、身近に生活している様子を知って、人々の生活のためにはどんどん普及していかなければいけないものだなと感じました。利便性のためだけでなく癒しの分野で将来手に取ってみたいと感じました。議論では、政府によるルール作りがロボットの普及のためにいいのではと思いましたが、身近にできる取り組みとして、実際の屋外でのロボットとの過ごし方をYouTubeで発信するのもよいのではと思いました。
・社会には様々な考えの人がいるのを再確認した。自分の理想をかなえるために頑張っていてかっこいいなと思った。将来自分はシステムエンジニアになりたいと思っているため、大変参考になる意見を聞けて良かった。
◆トピックコード 414
「看護師の仕事はどんなこと?男と女で違いはあると思いますか?」
学校法人 北里研究所 北里大学病院 看護部 主任 川上 大輔 先生
参加生徒数 生徒6名 報告者名 芳村桜子
![]() |
![]() |
|
---|---|---|
1.トピック内容等
北里大学病院の具体的な紹介から始まり、看護師の職務内容を生徒たち全員に答えてもらい、それらに対して丁寧な説明がなされた。中でも「看護実習で忙しく寝られないのは本当か」や「患者さんの『死』についてどう考えるか」など、現実味を帯びた質問も多く、将来看護の道を考えている生徒が多いことが伺えた。また、男女差がどの程度影響するかなどの男性看護師特有の話題もあり、今後男子生徒が看護職を目指した際の大きな指針になると考えられる。
終始楽しげな雰囲気で講義が進んでおり、生徒からも楽しかったなどの声が多く聞こえた。収穫の多い講義だったと推察される。
2.生徒の感想
・今年のグローバルウィークの中で1番興味深い講義でした質問にもたくさん受け答えして頂きありがとうございます!話も面白くて聞いててとても楽しかったです
・男女で多少なりとも違いがあると思ったらないと言われて驚きました。思っていたよりも部署みたいなものが多くて、自分に合ったところで働けそうでいいなとおもいました。色々具体的で貴重なお話が聞けて楽しかったです!
◆トピックコード 415
「日本と世界の水問題を考えよう〜SDG6の観点から〜」
北里大学 医療衛生学部 保健衛生学科 教授 清 和成 先生
参加生徒数 生徒6名 報告者名 上里拓也
![]() |
![]() |
---|
1.トピック内容等
「20リットルの安全な水に1km以内でアクセスできる」という日本では当たり前の条件すら叶わない国がたくさんある。日本では1日あたり一人300リットルの水を使っているがこれは世界平均の2倍の量であった。しかし日本は降水量こそ多いものの人口も多く、1人あたりが使える量は世界の半分程度である。日本では節水という考えが広がっているが、自由に使える水は意外と少ない。なお世界の水の7割は農業用水として使われており、農業用水なども含めた日本の使用量は先進国の中では少ないほうに見える。しかし日本の場合は農産物の半分を輸入に頼っているため、外国の農業用水を使っていると考えることもできる。このような目に見えない水(ヴァーチャルウォーター)を含めると、先進国の平均値を優に超える水を使っている。日本の水は質が良い。しかし発展途上国は衛生環境が悪く、病気になるかもしれない水を使わざるを得ない。「安全な水へのアクセス」というSDG6であるが、このままだと20億人の人が安全な水を飲めないまま2030年が来てしまう。
生徒の反応
実際に先生が訪れた調査先の様子を等身大で語っていただき、日本では考えられないような状況に驚きの声が上がっていた。また、都度、どれくらいの水を使っているのかなど参加生徒全員の予想する数値を聞いてくれて、自分の予想とどれくらい違うのか気づくことができた。
2.生徒の感想
・20億人の人が2030年にも水が得られていないという事実にただ衝撃をうけた。
・アフリカや南米だけでなく世界中の人々が水問題に対して向き合っていかなければなと思いました。自分たちには何もすることはできないかもしれないけれども、技術や寄付などはできると思うのでそれらについてももっと調べてみたいです。
・実際に現場にいった話を聞くことができてよかった。私は水質について調べていたけれど、水量にもたくさんの問題があって驚いた。現地の人には簡単に手を差し伸べてはいけないという話を聞いてなるほどと思った。
◆トピックコード 416
「超高齢社会の未来を支える!私たちのアクションアイデア」
東京健康長寿医療センター研究所 東京都介護予防・フレイル予防推進支援センター 副センター長(順天中高卒業生) 植田 拓也 先生
参加生徒数 生徒4名 報告者名 山口佑真
![]() |
![]() |
---|
1.トピック内容等
日本は年々、高齢化が進んでいる。そんな未来の超高齢化社会のために私たちができることは何だろうか!?高校生ならではのアクションアイディアを各々考え、ディスカッションを通して実現を目指した。高齢化社会を支える発想が今後の日本には求められている。未来の社会情勢を予測し必要とされていることを率先として行うことが生きる力であり、ビジネスチャンスにも繋がるのかも…?
2.生徒の感想
・普段の探求では活動をしっぱなしでインプットができていなかったので考えるきっかけになりました。私たちがAgeismの中で動いていたと気づきました。
・探究の具体的な手順や大切な考え方などを教えていただいて、今後を活動によいチップをえることができた
◆トピックコード 417
「Design and Digital Science」
千葉工業大学 教授 髙木 徹 先生
参加生徒数 生徒4名 報告者名 富樫 和之
![]() |
![]() |
---|
1.トピック内容等
高木先生は、ご自身の研究分野であるデータサイエンスについてお話しくださいました。データサイエンスはアメリカでは人気の学問分野であり、日常生活のさまざまな場面で活用されていますが、日本ではまだ普及が遅れており、データサイエンティストの数も少ない状況です。最近話題のAIやメタバースもデータサイエンスの分野に含まれます。高木先生からは、アメリカでの自動運転や電気自動車の普及状況、AIの実績、さらにはおすすめのAIについてもお話しいただき、生徒にとって非常に興味深い内容だったと感じます。また、生徒の中にはデータサイエンスに興味を持つ者もおり、将来の進路についての相談に対しても熱心に回答してくださっていました。
私自身これまで、学習においてAIを使うことに否定的な考え方を持っていましたが、使い方次第では非常に有用なツールであると感じました。生徒たちにも「楽をするためのAI」ではなく、「自分の能力を向上させるためのAI」として活用できるようになってほしいと思います。
2.生徒の感想
・AIに支配されると恐れられている日本ではアメリカに比べAIを用いた自動運転車などが予想以上に走行していることに驚きました。GEMINIやChatGPTを用いた効率的な世界が遠くないことを知り、それが良いことなのか悪いことになるのかはその時代が来た時の情勢だと思う。効率的にAIを使って学んでいきたい。
・これから世界がどうなるかの最前線の話を聞くことができ、この先の世界にもっと興味がわいた。日本とアメリカでは先端技術の情報量が大きく違っていると感じた。また、進路は情報系にすると決めているものの、情報系のどの職業に就こうか悩んでいたが、データサイエンティストという分野は前から知っていたものの、それに世界がここまで注目されていることは知らなかった。
◆トピックコード 418
「自分らしさを大切にする進路選択」
キャリアプロデュース株式会社 代表取締役 桑名 暢 先生
参加生徒数 15名 報告者名 小林優子
![]() |
![]() |
|
---|---|---|
1.トピック内容等
『自分らしさを大切にする進路選択』というテーマでご講演頂きました。
自分のタイプを知るために『セルフ・アセスメント』というテストを実施しました。そこからコントローラーの点数が高かった人は自分の直感を大切にし、プロモーターの点数が高かった人はこだわりを大事にし、サポーターの点数が高かった人はどんな人を喜ばせたいか、アナライザーが高かった人はまず情報収集をしてから進路選択をすると自分の性格に合った進路選択ができることを学びました。自分の『好き』なことを誰に何を言われても好きでい続けることが、『自分らしい進路選択』につながる。『好き×得意=最強』進学することは、この得意を増やすためである。なので、今後、日々過ごしていく時にその人が楽しかったことは、感じ体験したこと、興味のあることは好きなこと、気になっていることはできる・できないに捉われずに考えたこと、という3つの視点が大事である。その視点を大切にすると自分の進路が見えてくる、とのことでした。
最後に、自分の未来は自分で描く、人の言いなりにはならず、自分のことは自分で決めることが重要。そして、自分の進路をより詳細にイメージしていくと実現に近づくと教えて頂きました。
生徒達は最初の導入部の自分の進路とミスマッチした状態で進んだ場合の具体例を聞き、自分らしい進路選択をすることの重要性を痛感していました。また、自分の進路選択には自分のタイプを活用するといい。情報収集する際の方法や他人の意見に流されず、『好き』でい続けることの重要さを学び、終始熱心に受講していました。
生徒からは「得意なことを探すにはどうしたらいいか?」という質問があり、「無意識のうちにやっていることを探すとよい」とアドバイスを受けていました。この講演を受け、今後の進路選択に生かしていってもらえればと思います。
2.生徒の感想
・私はよく、何かを決断するときに、私にはできないかな、家族に言ってもやめた方がいいと言われるかな、と思い楽な方を選んでしまったり、やめてしまったりして、少し後悔することもあったので、最初から制限をかけないことが大切だと教えていただき、大変勉強になりました。好きなことを好きでい続けることもあまりできたことがなくて、私にはもうできないから諦めようと思ってしまい、好きではなくなってしまうこともあったので、未来の自分を想像して続けてみようと思いました。
・今回、桑名さんのお話を聞いて、自分の将来の選択肢が広がりました。私は、親に「国公立に行け」とか、「近いところに行け」と言われたりしていて、本当は独り暮らしがしたいという意見が言えずにいました。また、「大学は就職に大切なもの」という考えを持っていたので、自分の好きな芸術系の大学はいかないほうが良いと思っていました。しかし、これから桑名さんに教えていただいたように、数字や名前を意識したり未来の自分を想像したりして、自分の決めた道を親にしっかりと伝えたいと思います。自分の好きを大切にして生きることと得意なことをたくさん見つけるために、頑張ろうと思います。
◆トピックコード419
「仕事とクリエイティビテイ」
セレクトショップBOY オーナー 奥冨 直人 先生
参加生徒数 11名 報告者名 阿部邦宏
![]() |
![]() |
|
---|---|---|
1. トピック内容等
講師の奥冨直人さんは渋谷で古着店「BOY」を営むかたわら、年間100本を超えるイベントに参加している有名なDJである。数年前にある人を通じて知り合ってから、文化祭の音楽イベント等も含めてたいへんお世話になっている。
奥冨さんと会うといつも驚かされる。何年経ってもそれは変わらない。奥冨さんは人と人のつながりを何より重視していて、自分のやりたいことが仕事になっている。そこには「カネ」とか「安定」とかいうことばは見当たらない。要するに、われわれとは違う論理で動いている。それがたまらなくうらやましい。そして、だからこそ奥冨さんの発言は生徒に「刺さる」のだと思う。
今回は奥冨さんからの提案で、自分たちで古着店を始めるとしたらどんな提案ができるか、というワークショップから始まった。ふつう、うちの学校を卒業して、古着店のオーナーになる未来は描けない。年間100本のイベントに参加するDJになる卒業生もたぶん、いない。しかし、絶対にならない(なれない)大人の人生をなぞることは、「この道(=大学受験)しかない」と考える生徒にとってものすごく有益なことだと思う。
今年は「本当は音楽がやりたい」という生徒が多く集まった。悔いのないようにやったらいいと思う。もちろん、本校に在籍している以上は、勉強もしなくてはだめだ。将来、苦労することも覚悟しなくてはいけないが、君たちはその覚悟を奥冨さんに見たはずだ。
2.生徒の感想
・自分のやってみたいことについて、大変有意義な意見を聞くことができました。今回の講義で得た企業の起こし方に対しての意見や、人との接し方についての人生の先輩である奥富さんから聞けたことをこれからの生活や人生で活かしていけたらいいなと思いました。また、今回私が持ち出した商売方法について実際に商売をしていらっしゃる奥富さんからの意見をいただけたため大変有意義な時間を過ごすことができました。
・自分の質問である「未知のことへの挑戦に対する恐怖はあったのか」という質問に対する「怖くはなかった」という答えに背中を押していただきました。今は勉学の関係上、あまり様々なことに挑戦することはできないのですが、大学ではやりたいと思っていることをたくさん挑戦してみようという気持ちになることができました。また、人と人とのつながりが将来的に役に立ったりするということを聞き、今現在の仲はもちろんとして、たくさんの人とコミュニケーションを取ろうと思いました。
◆トピックコード420
「宇宙線検出器を組み立てて測定してみよう!」
加速キッチン合同会社 スタッフ(19歳) 貫輪美博 先生
参加生徒数 17名 報告者名 鹿島 知周
![]() |
![]() |
---|
1. トピック内容等
宇宙線検出器をお借りして、4つのグループに分かれて学校内で宇宙線を検出するワークショップを実施していただいた。生徒たちは実際に検出器を手に取り、扱い方を教えてもらったうえで、グループごとに建物の階数や測定角度を変えながら宇宙線量の測定を行った。測定データをグラフ化し、結果を考察、その後発表を行い、質疑を受けるという形式でワークショップが行われた。知識が少ない中でも生徒たちは協力しながら考察していたが、発表に不慣れで質疑に対する応答はしどろもどろになってしまう生徒も多かった。具体的には、宇宙線は上方向からやってくると思い込んでいる生徒たちは、その思い込みを基に考察をしてしまった生徒は誤った考察をしてしまっていた。今回のワークショップを通して生徒たちは、実験や考察をする際に何が重要なのかをそれぞれ学んだのではないかと考える。
2.生徒の感想
・自分の思い込みを前提に考察をしていたので、わからないことやすこしでも疑問に思ったら有識者に効こうと思います。初めての経験で知らないことがたくさん知れたので、興味の幅が増えてよかったです!
・宇宙線は全方位からくることがわかりました。友達と実験することができたので楽しかったです。やり方が間違っていたかもしれないので結果は変わってしまい、難しかったけれども楽しかったです。天井の材質などで宇宙線などの量が変わるかもしれないこともわかりました。
・仮説を立てたり、考察をする過程で見落としていた視点が多くあり、満足できる発表をできなかったことが悔しいです。わからないことを多分こうだろうという思い込みで決めたり、スタッフの方々とコミュニケーションを十分に取れていないまま実験を進めてしまったことも反省点だなと思います。これらの反省点を得られたことや積極的に自分から行動することの大切さを学べたことなどが収穫になりました。