お知らせ
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グローバルウィーク・ダイジェスト2024 3日目(11/13実施)
2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月11日(月)~11月15日(金)の1週間を通して実施しました。
今回は11月13日(水)に行われた3日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。
◆トピックコード 301
「『続ける技術』で夢を叶えよう!」
医療法人ふじ歯科 理事長 藤澤隆史 先生
参加生徒数 生徒13名 報告者名 田中 秀長
1.トピック内容等
まず、歯科医師であるご自身がなぜこの題材を発表されるのか、メタボリックドミノ(生活習慣病の現象で、例えば、肥満から糖尿病を発症し、病から免疫力が下がり、延いては感染し易い体質にと、ドミノ倒しのごとく次から次へと状況が連鎖する様子)という用語を用いて、この根源が虫歯や歯周病であり、その治療は結局、生活習慣の改善が第一であること、その改善の努力の継続の難しさが最大のテーマとなることからだと話された。そして、ここで必要となる、すべての判断基準を行動におく『行動科学』をワークショップを通して解説頂き、生徒達の理解が深まるようお話し下さった。
生徒には4,5人のグループに分かれ、ワークショップで、
・達成したい目標、叶えたい夢(または、グループ内で発表可能なやめたい事、改めたい事)を書いてもらい、
・その為に必要な行動(ターゲット行動)を具体的にあげさせた。また、
・ターゲット行動を邪魔する行動(ライバル行動)も考えさせ、それをグループ内で話合わさせた。
生徒は、具体的な行動例を挙げることで、自身の活動をよく解析でき、グループ内の発表に先生が加わり、嚙み砕くごとく、アドバイスされ、生徒達は話に共感し、理解を深めていた。生徒の多くが、今日の1日ですべてを理解できる事は叶わないにしても、明日から早速実践しようとする雰囲気があったことは、喜ばしく感謝を申し上げたい。
2.生徒の感想
・自分の目標を達成するためにどうしたらいいのかを具体的に学ぶことができて嬉しかったです。これからどのように勉強に向き合えばいいのか、楽しく続ける技術などわかりやすく教えていただいてとても有意義な講義でよかったです。
・ちょうど最近、勉強に関する習慣や継続について悩んでいたので、その解決方法の考え方を学べて良かったです。我慢したり無理したりしないほうが良いということを学べて、前までは将来のためには今我慢したほうが良いと思っていたけど、認識が変わりました。今日考えたことを、今日からでも少しずつ実行していきたいです。
◆トピックコード 302
「リベラルアーツ × 健康 ~世界を悩ませる感染症~」
順天堂大学 国際教養学部学部長 ニヨンサバ フランソワ 先生
参加生徒数 生徒18名 報告者名 長澤 幸希
1.トピック内容等
トピックの内容 リベラルアーツ×健康
グローバル市民とは?
多様な価値観の中で自律し、周りの人々と共生し、主体的に生きることができる人物
言語だけではなく、異文化理解や多様な価値観、人々の健康や幸せを網羅して初めてグローバル市民といえる。
ルワンダ、フランソワさんのルーツ
まず生徒からすれば身近だとは言えないルワンダの環境とともに異文化を知った。
アフリカは貧富の差による環境整備不足から、感染症がいまだに猛威を振るっている。
感染症の原因となる病原体は①細菌②真菌③寄生虫④ウイルス
HIV感染者に向けての偏見は、病気自体の苦しみよりも大きいものがあり、一部の日本の若者や医療従事者の偏見や教養のなさは変えなければいけない。
HIVは日本の性教育の未熟さから来ており、性感染症の感染率が先進国の中でも大きく遅れており改善しなければならない。
結核についても完全になくなったわけではなくむしろ毎年しっかりと感染者が増え続けている。マラリアは恐ろしい病気である。予防策は夜しか行動しない蚊をしっかりと防御していく必要がある。
・なぜこれまで南アフリカでエイズ、マラリア、結核が集中してしまうの?
生徒:お金がない・環境が整っていない・ライフラインが足りてない・野生動物が多い
フランソワ先生:貧困や内戦があるため、医者や看護師が住居できない。
医療水準の低さ。ルワンダの大虐殺による名残からくる貧しさから優秀な医者が帰れない状況がいまだに続いている。
生徒の様子
男子生徒が多く最初はふわふわした空気から始まったが、フランソワ先生の興味深いトークや衝撃的な体験談を耳にし真剣に授業を受けるようになった。
発言機会を与えられると積極的に手を上げ様々な角度からの意見を共有し、深い学びを実践していた。リアルな体験談を聞き感染症の重大さだけではなく現在の我々がどれだけ幸せで且つ危機感を持たなければならないかを肌で感じていた。
2.生徒の感想
・世界の感染症の現状を詳しくしることができました。そして、感染症の怖さも改めて知ることができました。そして、それを伝えつつもすごく面白かったので、聞き入ってしまっていた。もう一回聞きたいと思った
・講座を通して世界の感染症を知り、世界でのような感染症が流行りそれがどうしてなのか、感染症による社会への影響などを学ぶことが出来た。
◆トピックコード 303
「科学的根拠に基づいたスポーツ外傷・障害(ケガ)の予防」
帝京平成大学 准教授 原田 長 先生
参加生徒数 22 名 報告者名 雨宮 妙子
1.トピック内容等
アスレティックトレーナー(AT)とは 安全・健康管理、救急対応、外傷・傷害予防、コンディショニング・リコンディショニングなどアスリートを支える仕事という説明を受けてから実際の現場の出来事を知ることになった。
安全管理・救急対応でいえば学校現場で起こる心臓系突然死は体育授業や運動部部活動において33%~49%とのこと。
そのために校内だけではなく普段の生活を送るなかでどこにAEDがあるか、また遠征時どこにあるかなど把握しておく必要があると感じた。
傷害の予防としては事故発生のリスクを想定し、準備や回避をする方法。競技中の事故を予防する環境作りと予防のプロセスが大切である。目・耳・尾骨・筋関節センサーが重要となる。
本校生徒のデーターから足関節の怪我が多いため、内的危険因子の股関節と足関節の筋力低下、姿勢制御の低下の話を受け予防プログラムの実践。生徒達は筋出力、姿勢保持・バランスのトレーニングなど行った。
2.生徒の様子
講義中も興味をもって参加。実践となると生徒同士お互いの足関節など比較し合いコミュニケーションを取りながら楽しんで取り組んでいた。
2.生徒の感想
・怪我のしやすい人の特徴や、高校生ではどの怪我が多いのかを学んだり、予防するためのストレッチ、リハビリみたいなのしれたので良かったです。今後怪我しない為にも部活前にストレッチするなど、しっかり予防するように心がけたいです。
・体の怪我の予防のために普段から体の動かし方、鍛え方をしっかりと学び怪我をすることがないようにしていきたい。足の筋肉にもバランスを取れるように適切に筋肉をつけたいと思った。応急手当でもAEDの位置の確認や対応の仕方をもう一度確認して確実にできるようにしていきたいと思いました。
◆トピックコード 304
「なぜカルロス・ゴーンは逮捕されないのか?ー国境を越える犯罪から視る国際社会の刑事司法の現在ー」
東京女子大学 教授 根本 和幸 先生
参加生徒数 24名 報告者名 川口純
1.トピック内容等
「なぜカルロス・ゴーンが逮捕されないのか」という問いを軸に、国家主権や国際法について楽しく学ぶことのできる講義であった。国際法というと遠くのものに感じがちだが、「日本を出発した外国籍の飛行機の中で殺人事件が起こったら、着陸後に捜査するのはどの国の捜査機関か」という問いや具体的な事件についての説明、アニメなども用いたテンポの良い説明により、生徒たちも自分の頭で考えたり想像したりしながら理解を深めることが出来ていた。講義後の質疑応答はスマートホンを用いて匿名で質問を投稿する形式だったため、非常に多くの質問が寄せられ、時間の許す限り丁寧にご回答いただいた。終了後もたくさんの生徒が個人的に質問しており、生徒にとっても楽しく有意義な時間だったことがうかがえた。
2.生徒の感想
・カルロスゴーンはなぜ逮捕されないのかというテーマをはじめ、ほぼ全く知らなかった、犯罪が起こった際の処罰などに関することについて詳しくすることができたので、良い機会になり、よかったです。また、処罰がどこでされるかしっかり考えられていて安心しました。
・よくニュースでなかなか国外逃亡したひとがなかなか逮捕されないようなことがあり、やはり国外に逃げた人を逮捕することは難しいんだろうなと思っていたが、その理由がわかってよかったなと感じた。また、飛行機に国旗が書いてある理由などがわかってすごく自分にとってもしれてよかったなと思いました。
・トピックを見た時は難しい話だなと感じていたけれど、今回の講義を受けてとてもわかりやすくて面白かったなと感じました。プリントも用意してくれて穴埋めしながらだったので、最後まで集中して話を聞くことができました。色々な事件のことも触れてくれて知識が広がりました。ところどころジョークも入れてくれて楽しむことができました!最後の質問タイムも色々知ることができました。
◆トピックコード 305
「AIに負けない経済学」
明治大学・情報コミュニケーション学部 准教授 山内 勇 先生
参加生徒数 23名 報告者名 小見山太郎
1.トピック内容等
明治大学情報コミュニケーション学部の山内准教授をお招きし、「AIに負けない経済学」というタイトルで講義をしていただきました。現代社会では、AIの恩恵をさまざまな形で受けています。デザインや曲、文章も簡単な情報を打ち込むだけで簡単に作れるようになりました。では、AIは万能なのでしょうか?というところから話をしていただきました。後半は、各グループに分かれて、「見せかけの相関」を自分たちで見つけて、そこに仮説を設定し、因果関係を特定するというプロセスを体験するグループワークをおこないました。生徒たちは苦戦しながらも、自分たちで何とか答えに近づこうと努力していました。そのプロセスこそが「経済学」であると、実感させてもらえたことがとても貴重な体験でした。AIはデータを情報化し、相関関係を作り出すことは得意でも、そこに因果関係を見出すことが人間の力であり、それが経済学であると学ぶことができました。
2.生徒の感想
・今まで関係があると思っていたことが見た目が似ているだけで関係がなかったり、別のことが関係していたりしていて流れてくるグラフを鵜呑みにするだけではなく、因果関係も深く考える必要があるなと学びました。また、AIが今は何でもしてくれるように思っていたけれど、まだ不得意な部分があり人と連携をとって経済などを研究していることを学びました。
自分で変数を決めて考えると難しかったです。
・人間には、データを予測するだけのAIとは違い、因果関係を見つけてそれを分析する能力があることを学び、これについて、興味関心を抱きました。この講義を受ける前は、見せかけの相関がどのような仕組みで作用するのか理解できていませんでしたが、受講後、擬似相関に対する理解が深まりました。また、AIがどのようにしてAIイラストを描くのかなどという手順は見ていてとても教養が増えるものでした。講義で用いられたスライドについて、コーヒーの消費量と心臓病による死亡率には、相関関係があると思い込みがちですが、深掘りするとこの2つの事象は見せかけの相関だということがわかります。このように、相関と経済学を結びつけることで情報操作に惑わされずに情報を獲得できるようになることを学びました。
◆トピックコード 306
「「問う・問われる」力を体感してみよう!」
順天高等学校 教諭 川本真一 先生
参加生徒数 22名 報告者名 熊木幸司
- トピックの内容等
『「問う・問われる」力を体感してみよう!』というトピックテーマに沿って、6人4グループに分かれての体験型ワークショップ。生徒の様子から伺えたのは、自分自身に「問う」ことやグループの中の人に「問う」ことで、普段あまり考えていなかったことをじっくりと考えることができたという実感と「問われる」ことで自分の強みや、内なる信念みたいなものを再発見できたという満足感でした。普段からこの「問う・問われる」を意識的に取り込むことで行動も変わるような気がして、他の生徒にも是非薦めたいと思うトピックでした。
2.生徒の感想
・問うことの大切さ、自分は本当は何を考えて生きていたのか知ることができた。この先も多々悩むことがあると思うが、しつもんの力で乗り越えていけるようになりたい。
・自分じゃ気付けないことばっかで、はっとした。他人と関わらないと成長って感じない。色々考えながら生きた方がたのしい。
◆トピックコード 307
「東証×東商プレゼンツ~“渋沢目線”で社会課題を解決しよう~」
東京商工会議所北支部 会長(越野建設(株) 社長) 越野 充博先生
株式会社東京証券取引所 金融リテラシーサポート部 課長 斎藤 史貴 先生
参加生徒数 6名 報告者名 角田 進
1. トピック内容等
〇起業体験ワークショップ(生徒6名を3名1組の2グループに分け実施)
あらかじめ用意された社会課題(環境・防災/安全・地域・高齢者・医療/介護)・企業プランから解決したいものを選び、検討、プレゼンテーションを実施、その内容からどちらのグループに投資したいかを考える。
第1グループ「高齢者」〈自動運転システム搭載自動車の開発・販売〉・〈宅配・移動販売サービスの展開〉
第2グループ「地域」〈空き家を利用した民泊ビジネスの展開〉・「環境」〈収穫した規格外野菜の販売〉
どちらのグループも短い時間の中でアイデアをまとめ、優れたプレゼンテーションを行い、投資家(東商職員、北区職員見学者、教員)から絶賛され、投資を受けることに成功した。
〇渋沢栄一のことばで「今」を考える
東京証券取引所・東京商工会議所は渋沢栄一が未来の日本の課題のため、また「滴も集めれば大河となる」仕組みとして設立し、資本(合本)主義の礎を築いた。
これからの人生で最も大切にしてほしい言葉として「自ら箸をとれ」(自分から挑戦しなければ何も得られない)を託された。
2.生徒の感想
・事業の難しさや渋沢栄一の考え方というのがより良く理解できて、ほんとに良い機会になりました。事業で必要なことやどのようなニーズを対象にしないといけないかとまた事業の仕方がわかって大人になってもこのことは忘れないことを決意したいい日になった。
・事業プランを考えるのもとても楽しかったし、渋沢栄一の話もとても面白く、有意義な時間になりました。
◆トピックコード 308
「KPOPで学ぶ韓国文化」
日本大学危機管理学部 准教授 田 昌禾 先生
参加生徒数 21名 報告者名 神林絹枝
1. トピック内容等
1 講座内容
韓国人の田 昌禾先生による講座では、韓国語の挨拶や数字の数え方を学習しました。 数種類の挨拶をどのような場面で使用するかなどの挨拶の使い分け。韓国語での数字の数え方、また数字の数え方にも日本同様、数種類あること、などを学ぶことができました。数字の学習では、ダンスやゲームを行いながら覚えることができました。また、それらを行いながら、同時に韓国の文化、生活習慣などの説明もしていただき、実際の韓国の雰囲気に触れることができました。
2 トピック中の様子
講座では、説明だけではなくダンスやゲームに取り入れて学習することができたので、生徒たちも飽きることなく参加していました。ダンスでは、最初は恥ずかしそうでしたが、皆で踊るうちに恥ずかしさが消えて、とても楽しそうに踊っていました。ゲームでは、ゲームの中で慣れない韓国語の数字を一生懸命に数えながら行いました。先生に、20や30などの新しい数字の発音を自分たちから教えていただき、積極的に参加していました。
2.生徒の感想
・韓国語での基本的な挨拶や数字が正しい発音で言えるようになった。韓国人の人間性や文化について学ぶ事ができてよかった
・KPOPを通してのゲームをして韓国語での数字の言い方などを学べてとても良かったと思いました。親しみやすく豆知識のような感じですることが出来たのでやや緊張感はあったものの、リラックスして楽しく講座を受けることが出来ました。本日はありがとうございました。
◆トピックコード 309
「国際社会における「価値」の調整(医薬品アクセスについて)」
北里大学・一般教育部 教授 猪瀬 貴道 先生
参加生徒数 4名 報告者名 金子哲也
1. トピック内容等
猪瀬教授は、医薬品開発に必要な莫大な費用と、それを回収するための特許制度の役割について講演を行った。特許により研究開発費用が回収され、新薬の開発が可能になる一方で、高額な価格設定が発展途上国での医薬品アクセスを妨げる問題があることを指摘。国際社会における「価値」の調整が求められる現状について考察がなされた。
授業の様子
少人数で行われた授業では、猪瀬教授との対話を通じて、薬の持つ「価値」や医薬品アクセスの問題、医療全般へのアクセス課題について議論が行われた。参加者が少なかったため、常に意見を求められ、その結果、生徒も積極的に述べ、多角的視点を深めることができた。
総評
医薬品の特許制度が抱える課題やその解決に向けた国際的取り組みを学び、医療の公平性について考える貴重な機会となった。議論を通じて、医薬品や最近の医療インバウンドによる医療へのアクセス問題に関しても理解が深まり、大きな学びを得るイベントであった。”
2.生徒の感想
・医薬品の問題では発展途上国だけではなく先進国などもふくめて世界での問題で、お金の問題もそうだがそれ以外の問題もあり全て一つにつながっているなと感じました。
・医薬品特許は需要と共有が成り立っている上で、研究費回収ができないことや発展途上国に供給できないなどといった問題が発生してしまうことが分かりました。今の日本では需要に供給が追いついていないと思うので改善すべき問題だと思いました。
◆トピックコード 310
「拓本の魅力」
日本近世書道史研究家 拓本技能士(毛筆文化研究) 岩坪 充雄 先生
参加生徒数 4名 報告者名 海老原 賢宏
1. トピック内容等
拓本について、またその取り方について、実際に道具を作りながら生徒と共に体験型のワークショップを開催していただいた。岩坪先生がこれまで採取してきた拓本の実物を参照しながら、その際の苦労話やエピソードなどを交えて、お話いただいた。生徒たちは、絹と綿を使って自分の道具を作製し、それを用いて木や石に刻まれた文字の拓本を実際に採取した。初めて採取した拓本を各生徒が記念として持ち帰り、とても喜んでいた。感想としては、拓本が木や石などの現物を破壊・破損しないということ、碑文や書跡を大切に残すための優れた技法であるということを知ることができた、また拓本を採取する専門家の数は減少してきており、若い人に興味を持ってもらえると嬉しいと先生がおっしゃっていたので、自分がその手助けをできたらいい、などの感想があがった。
2.生徒の感想
・拓本体験に興味をもったので参加しました。実際にやってみると、実寸大でとる大切さや純粋な楽しさを体感しました。道具や手順についても詳しく、わかりやすく教えていただいたので、親族の墓や身の回りの凸凹したもので実践したいです!本日はありがとうございました!
・拓本についてほとんど知らない状態で行ったことを少し後悔するくらい拓本についての魅力を知ることが出来たと思います。工程としては、単純なことが多いのに人によって完成度や手際が全く違くて驚きました。同じことをしているはずなのに手先一つ一つの動かし方や完成したものが異なっていて実際に見れて、体験出来て本当に勉強になりました。来年もGWで講座があれば絶対に参加したいです!
◆トピックコード 311
「人食いバクテリアって何!?ウイルスとの違い ~致死率30%の感染症、劇症型溶結性連鎖球菌感染症の今~」
日本薬科大学 准教授 齋藤 博 先生
参加生徒数 25名 報告者名 白井恵美
1. トピック内容等
流行の兆しを見せている「人食いバクテリア(劇症型溶血性レンサ球菌感染症)」についての講義であった。「バクテリア」は細菌であるが、ウイルスと細菌を比較しつつ、それらの危険について説明いただいた。講義概要は以下の通り。
「エボラ出血熱」や「狂犬病」、感染率、致死率が高いが、これらは、ウイルスである。ウイルスは抗生物質がきかない。ワクチンで予防できるが、薬がないと致命的である。
「人食いバクテリア(劇症型溶血性レンサ球菌感染症)」は、致死率30%と、危険な細菌である。毒素を出すという点が危険であり、日本で流行しつつあるが、細菌であるので。抗生剤がきく。早期治療が大切であるが、治療が遅れると、細胞が壊死する。細胞は再生しないので、切断という処置になる場合もある。治療の際も、大病院で受診することが大切である。
この1年で発生件数が約2倍となっている。大流行の恐れがあるので、常に情報を確認し、若者も過信せず、予防に努めてほしいと、メッセージをいただいた。”
2.生徒の感想
・ウイルスと細菌などの違いも分かりました。情報を知らないと何が怖いのかなども分からなかったので人食いバクテリアのことをしることができよかったです。また、細菌は抗生物質があれば大丈夫なので少し安心することができました。
・人食いバクテリアは自分から遠いものだと思っていたが、今日の講座を聞いて身近にいるし、自分がかかってもおかしくないことを知りました。これからは傷口ができたら細菌が入らないように気をつけたいと思いました。ためになる話だったと思います。
◆トピックコード 312
「自分を磨く靴磨きの習慣」
いとの靴磨き屋さん 代表 伊藤由里絵 先生
参加生徒数 10名 報告者名 池田皓
1. トピック内容等
靴磨き職人の講師の方をお招きし、「自分を磨く靴磨きの習慣」というテーマで講習を行っていただきました。この講習では、靴磨きの魅力と意義を教えていただいただけでなく、基本的な靴磨きの技術も体験的に学ぶことができました。生徒たちは講師のアドバイスに従いながら、普段履いているローファーを一人一人丁寧に磨き、仕上げていくなかで見える変化を実感し、靴磨きの楽しさや達成感を得ました。また、生徒たちは、講師の方の「靴磨きは自分を磨くことでもある」と熱く語る姿に対し熱心に耳を傾け、終始意欲的かつ真剣に講習に取り組んでいました。この講習での体験は、ただの技術の習得を超え、生徒たちの人生においても重要な学びの機会となったのではないかと感じます。
2 生徒感想
・今日は事前学習から今まで知らなかったことを知れる機会があったのでとても面白かった。私は以前父の革靴を磨いたことがあって鏡面磨きまでやっていたけど今回の授業よりも大幅に時間をかけていたので正しいやり方で早くできる方法を知れてよかった。ただ自分に筋力が全くないせいで家でやっていた時も今回も肩などがすごく凝ってしまったので靴磨きをする前に筋トレもするべきなのでは…と思った。
・最初選んだ時は、どんな講義なんだろうと言う興味で、靴磨きには興味がなかったのですが、講義を受けて、靴磨きをすることで、こんなにも集中できて、落ち着くことができるんだなと実感しました。勉強して疲れて気分転換にもとてもいいなと思いました。まさか、警察官から靴磨きの職人なるなんてびっくりでした。私も普段の生活で将来生かせることを日々見つけて行きたいなと思います。とても楽しかったです。
◆トピックコード 313
「薬学や生命科学ってどんな学問?大学ではどんなことを学ぶの?」
東京薬科大学 生命科学部 分子生命科学科 創薬化学研究室 准教授 藤川 雄太 先生
参加生徒数 10名 報告者名 肥田規幸
1. トピック内容等
前半は薬学部の学びの内容などについてご説明いただきました。また,薬学部を卒業した後の進路のお話や,薬が開発されてから利用が承認されるまでの大きな流れもご紹介いただきました。
後半は生命科学という学問や,東京薬科大学生命科学部での学びの内容について,具体的な講義内容にも触れながらご紹介いただきました。生命科学というと漠然としたイメージになりやすいですが,様々な視点(専門分野)から生命を理解しようとするのが生命科学という学問なのだということでした。大学での講義の内容も,学生とのざっくばらんなディスカッション中心のものなど,とても興味深いものがありました。
生徒も積極的に先生にコミュニケーションをとっており,大学のことや薬学部のこと,進路のことなど様々な質問をしていました。大学での学びのイメージとともに,何を考えて進路を選べばよいか,具体的につかめた生徒も多かったようです。
2.生徒の感想
・生命科学って難しそうって思っていたけど、話を聞いてみると意外と他の学問に通じるところがあるなと思った。1つの学問を色々な角度から切ってみると今自分が見ているものとは違うものが見れるかもしれないと思った。
・薬学や生命科学について詳しくお話を聞くのは初めてだったけれど、興味深い話をたくさん聞けて良い経験になりました。また、将来やりたいことが明確でなくても何かやっているうちに興味を持てることが見つかるという言葉を聞いて納得しました。
◆トピックコード314
「確率論に触れてみよう!―”同様に確からしくない”確率とポアソン分布―」
芝浦工業大学/東京都立産業技術高等専門学校 非常勤講師 徳山 喜一 先生
参加生徒数 12名 報告者名 小松龍矢
1. トピック内容等
話題提供者の目的は,数学の確率・統計分野が【中学校・高校から大学へ】繋がるような講座でした。
ラーメン屋さんなどの人気店に,順番を待つための行列を「待ち行列」と呼び,そのような行列は,電波や通信速度などの世界にも応用されるものである。それらを考えていく上で,確率論を用いるのだが統計学とのすみ分け・区別がなかなか難しい。
確率論と統計学の違いはなんだろうか?という問いから始まって,具体的な「サイコロを投げたときに3の目が出る確率」から今まで当然のように使っている(仮定)と(同様に確からしい)を振り返った。
もし,100点満点のテストの得点が10点区切りで見たときに「同様に確からしい」とした場合は,0点台にいる確率も,60点台にいる確率も同じ1/10となる。実際は,そんなことはほとんど無くて,平均点に近い部分が多くて20%=20/100ぐらいで,そこから段々と減少していくような山なりの分布となることが多いだろう。
このような確率の現れ方を表すものを「確率分布」という。
中高生で知っている分布は,度数分布や標準正規分布などである。話題提供者の私見ではあるが,その次に人気とされるのが「ポアソン分布」である。ある一定の期間内における現象を考察していくときに用いることが多い。
高校の数学Aで習う「独立・反復試行の確率」から,交通事故のおこる確率へ結びつけてある期間をn等分したときのnを十分に大きくしていく…というところで数学Ⅲまで飛躍していきました。とても簡単な例から,どうしてnを十分に大きくしていく必要があるのかまでの細かい部分まで分かりやすく話して貰いました。
また,組み合わせに用いるn_C_rのrをx実数まで拡張することが大学数学での学びのモチベーションのひとつにもなった。
2.生徒の感想
・少し難しい内容だったがわかりやすく解説してくれたので理解しやすかった。
・同じように考えてしまっていた確率、統計の違いについて知ることができた。また、まだ学校でも習っていない確率分布やポアソン分布について分かりやすく教えてくれたため、今まで以上に高校や大学などの数学について興味をもてた。ポアソン分布を使って、今までのデータに基づく仮定から実際の結果を導くというのがとても素晴らしく、面白かった。
◆トピックコード 315
「異世界探究アカデミー 〜 ゲームクリエイターの世界 〜」
株式会社パンドラ 取締役 ゲームプロデューサー 淺井 大樹 先生
参加生徒数 35名 報告者名 髙橋眞由美
1. トピック内容等
クイズ RPG 魔法使いと黒猫のウィズ / 白猫プロジェクト / 白猫テニス を生んだ、ゲームクリエイター 淺井大樹(あさいひろき)先生ゲームを造るお仕事のあれこれ、ゲームクリエイターになる道、ゲームの未来など、通常垣間見ることのできないゲームクリエイターの世界を順序だててご自身の体験を通してお話しくださった。
クリエーターに求められるものは、クリエーターであり続ける意識・協調性・粘り強さ・誰にも負けないスペシャルな「何か」好きなものをなんでも良いのでやり続ける事!誰よりたくさんのインプットとアウトプットを繰り返し、日々の勉強も大切にして頑張ってほしい。
ゲームの話になると、生徒は身を乗り出していた。
終わった後、個人的に質問にいった生徒が多かった。
2.生徒の感想
・ゲームクリエイターと言ったらエンジニアさんがなさっているような仕事が1番最初に出てきていたのですが、シナリオライターなどもゲームクリエイターとして働いていることを知り驚きました。普段遊んでいるゲームがどのように作られたのかを知ることが出来てとても面白かったです!
・前からゲームを作ることに興味があったので、ゲームを実際に作っている方のお話を聞けて良かったです。プログラミングの勉強を小1の頃からしていましたが、今回の講座を聞いてよりモチベーションが上がりました。これからもプログラミングの勉強を続けていきたいと思います。
・ゲームクリエイターという中々お話を聞けない方の講習を聞けて、とても興味深かったです。自分は将来の選択肢の一つとして、小説家を考えているので、ゲームの製作でシナリオライターとして活躍できることについて非常に楽しく聞かせていただきました。
◆トピックコード 317
「Economics for Success~生きていくうえで必要なお金との付き合い方~」
公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本 プログラムマネージャー 川島 加奈惠 先生
参加生徒数 6名 報告者名 吉原正寛
1. トピック内容等
お金について考えるというテーマで前半は、職業とお金の関係をゲームで学び、後半はクレジットカードに関して学ぶという内容だった。前半のゲームでは、会社員・自営業・フリーターという3つの職業に分かれて人生ゲームを体験し、それぞれの職種によって収入を得る方法や社会保障がどのように異なるのかを学んだ。
クレジットカードに関する講義では、支払い方法の違いや使用上の留意点等を体験的に学んだ。生徒は6人と少人数であったが、逆に、一人一人の意見を聞くことができて、生徒たちの感想も、前向きなものが多かった。この世代で、知っておくべきお金の知識を学ぶことができることは幸せだと感じた。
2.生徒の感想
・各業種による収入や働き方の違いを理解することができた。またクレジットカードの分割払い、リボ払いがどういうものなのかと危険性を理解することができた。双六を通して行ったのでわかりやすかった。
・お金の怖さと使い方の大事さがよくわかりました。お金管理は苦手なので、リボ払いに気を付けて自分の力で管理できるように頑張ります。
◆トピックコード 318
「農学の世界は広い~青果物の収穫後ロスを減らそう!~」
東京農業大学 農学部 農学科 助教 吉田 実花 先生
参加生徒数 10名 報告者名 上里拓也
1. トピック内容等
内容の説明:収穫後ロス(ポストハーベストロス)は、輸送や管理など業者側の問題もあるが、それと同じくらい消費者側のロスも多く、転じてどうすれば食べ物を長期間保存できるのかという問題につながる。野菜や果物を生のまま保存するには冷蔵庫に入れることが第一だが、呼吸を制限することで成長を抑えるという視点が重要である。モヤシや葉物野菜は植物として若い段階であるため成長しようとする力が強い。一方果実や根菜は次世代につなぐ段階であり成長する力が弱い。それゆえ前者は低温状態で成長を抑えなければ長期保存できないが、後者は常温でも保存することが可能である。また、植物の成長ホルモンであるエチレンについても重要な要素で、影響を受けやすい果実(スイカなど)は、エチレンを出しやすい果実(リンゴなど)と一緒に保管してしまうとすぐに熟れて腐ってしまう。
生徒の反応:長期保存の方法を応用することで、やわらかい果物が好きな場合はエチレンを多く受けられるように保管するなど、生活で使える知識に生徒がよく反応していた。講義後、食品管理や冷凍保存について、また農学部への進路なども含めた質問があった。
2.生徒の感想
・野菜によって売られている袋の種類が違うのは初耳で驚きました。袋は単に野菜を保護するだけではなく野菜の呼吸を抑制し鮮度を保つ役割あらことをしれて良かったです。今度スーパーに行ったら野菜の袋をこっそり触ってみようと思います。
・なんとなくでやっていた果物・野菜保存方法を学ぶことができた。昔ながらの冷蔵保存をしることができた。今回学んだ保存方法を生かして、食品ロスを減らしていこうと思った。また、果物や野菜をより美味しく食べられるように今回学んだことを生かして工夫をしてみようと思った。包装フィルムにも種類ごとに役割があることを知ることができた
・今まで農学に興味はあって将来も考えていたのですが、実際に学部を卒業されて助教をされている方のお話を聞く機会を今回もつことができたのが僕の将来のビジョンをより高めることができました。質問も快く受け答えしていただけてとても嬉しかったです。
◆トピックコード 319
「論文デザイン部~探究プロジェクト課のあゆみ~」
順天高校 高等部1年 森川 智世 先生・ 内藤睦 先生・ 阿部邦宏 先生
参加生徒数 8名 報告者名 ジュード
1. トピック内容等 この発表会では、生徒たちがそれぞれの探究活動について報告する貴重な機会が提供されました。三人のスピーカーによる発表が行われ、最初の発表はPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)型の探究についてでした。従来の「コンテンツ・ベース」から「コンピテンシー・ベース」への移行や「ラーニングコンパス」の重要性が述べられ、探究とは単に課題を設定し情報を分析・発表することではなく、他者と協力して価値のある新しいものを創造することだと再定義されました。
次に、内藤さんが「くわい」の探究について発表しました。くわいを身近な食材にする可能性を追求し、フィールドワークを通じて新たな疑問として、くわいの葉の安全性やその成分分析について研究が進行中であると紹介されました。
最後に、森川さんがガーナのカカオ生産とフェアトレードについて発表しました。児童労働や低賃金の問題に触れ、持続可能なフェアトレードの仕組みの必要性について提起しました。また、カカオがチョコレートに変わる過程についても説明がなされました。
発表を聞いた生徒たちは、自分たちの研究に対する興味と意欲が高まり、単なる学習活動から社会に積極的に関わりたいという思いに変わっていったようです。
2.生徒の感想
・くわいからもチョコレートからも、サステナブルに課題を解決していく必要があると分かりました。同情で買っていては続かないということにハッとさせられました。利点を見つけてフェアトレード食品を買っていきたいです。また、くわいも食べて見たくなりました。
・少しでも自分の探究のヒントになればと思い参加したのですが、少しどころではなく自分の高校やその後の将来を考えられて、とても良い時間でした。先生、先輩方の発表もとても興味を惹かれたし、今学校でやっている探究とは別に、今日の学びから探究を始めてみようかなと思いました!(もしかしたら来年からの部活候補かもしれないです。)
・くわいと、チョコレートのフェアトレードについてとても興味深く学べました。くわいでは、日本産のくわいがあることを初めて知りました。いつかスーパーで見かけたら食べてみたいです。チョコレートでは、カカオ豆からの作り方を聞いて、長時間練ることに驚きました。これらの発表をきいて自分の探求活動に役立てたらうれしいです。
◆トピックコード 320
「UNHCRの難民支援と私たちにできること~いのちの持ち物けんさとともに~」
特定非営利活動法人国連UNHCR協会 広報啓発事業/難民高等教育プログラム担当 天沼 耕平 先生
参加生徒数 8名 報告者名 松村真人
1. トピック内容等
はじめに、いのちの持ち物検査を行った。これを通して、喪失の疑似体験をできるもので、ワークシートの中に、赤色(あなたにとって替わりのないもの、例えば家族など)、黄色(あなたにとって赤でも青でもないもの、例えば国籍など)、青色(あなたにとって替わりのあるもの、例えば衣服など)の部分を失ってしまったら、どのように感じるか想像した。そして、もしそれぞれの色のものを失ってしまうとどのように感じるかを想像して書き出した。生徒の様子を見てみると、黄色をなくすと、自分を表現するのが難しくなる。自分の居場所がなくなる。自由がなくなると表現していた。この活動を通して喪失体験を行い、実際に難民の人が奪われたものに焦点を当てた映像を見た。UNHCRの活動や現在のウクライナ緊急事態の支援活動を現地の写真を通して見ることができた。支援は物質的なものだけではなく、精神的にも支えてきているものであった。参加している生徒は国際問題に対しての興味が強く、将来も国際人として働きたい生徒が多いように見られた。
2.生徒の感想
・『いのちの持ち物検査』というワークショップを通して、私は難民というものはとても遠い存在でどういう存在かがあまり知らなかったのですが、私たちが難民になる可能性も低くなく助けが必要な存在だということを認識することが出来ました。また自分の大切なものが無くなってしまったらどうなるのかということを疑似体験することができてとても貴重な体験になりました。
・今日の講義を通して、UNHCRがどのような活動をしているのか、また無国籍の人々がどのような状況にあって私たちはどう彼らを支援していくべきなのかがわかった。いのちの持ち物けんさでは、私は赤色のものを失った状況を想像するのは難しかったが、世界には、突然、紛争で家族を失ったり住む場所を失ったりという状況が起きているということを知った。その後に観た動画には、実際に難民の方が避難する際に持っていったものが紹介されており、家族の写真や難民カードなどさまざまあったが、中には、周りの人に難民だと悟られないようにするために肌を綺麗にするクリームや水を飲むためのコップなど思い浮かべづらいものもあり、難民についてまだまだ知るべきことがあるのだと改めて実感した。これからは自分はどんな社会にしていきたいのか、自分は何ができるのかをしっかりと考え、行動していきたい。