お知らせ

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グローバルウィーク・ダイジェスト2024 2日目(11/12実施)
2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月11日(月)~11月15日(金)の1週間を通して実施しました。
今回は11月12日(火)に行われた2日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。
◆トピックコード 201
「表現を間違えると国際問題?!-ケースで学ぶ日本語・英語のジェンダーと社会-」
名古屋商科大学 国際学部 学部長 磯野 英治 先生
参加生徒数 生徒10名 報告者名 徳光 百花
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1.トピック内容等
私たちの性別というのは小さい頃からの生活環境の中で形成されていきます。「人は女に生まれるのではない。女になるのだ。」とはシモーヌ・ド・ボーヴォワールの言葉です。また、日常生活の中で言語というのは自分自身を表現するものとして大きい役割を果たしています。自分が普段何気なく使っている言葉のなかに潜む、問題のある表現を見つける作業はとても有意義な時間でした。言葉自体を変える作業でありながら、思考や視野までも広がる体験ができてとても貴重な時間でした。
2.生徒の感想
・考えてみると性別に囚われている言葉がかなりあり驚きました。言い換え表現について知らない言葉もかなりありました。より多くの言葉を知っていき、気持ちの良いコミュニケーションを行っていきたいです。
・普段何気なく使っている日本語の中でも差別的な言葉があることに気付かされました。社会に出た時に何気なく誰かを傷つけることのないように、適切な言葉使いをできる人間になりたいです。今勉強しなければいけない意義を感じました。
◆トピックコード 202
「多文化共生と異文化コミュニケーション能力 (日本語)Cross-Cultural Communication Challenges (英語)」
法政大学 人間環境学部 人間環境学科 教授 ESTHER STOCKWELL 先生
参加生徒数 13 名 報告者名 デグラ・シェバ
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1.トピック内容等
Dr. Esther Stockwell from Hosei University recently delivered an insightful lecture about Cross-Cultural Communication Challenges, where she explored the vital relationship between communication and culture. Her talk underscored the interconnected nature of these two elements, emphasizing that wherever people gather, both culture and communication play essential roles. Dr. Stockwell’s lecture was clear and accessible, conducted in English at a measured pace with direct language, which helped students engage effectively with the material. This approach exemplified her commitment to cross-cultural understanding and communication. Dr. Stockwell’s lecture provided valuable insights into how culture shapes communication and identity, highlighting the need for empathy and awareness in our increasingly interconnected world. Understanding and respecting cultural differences, she argued, is essential for effective intercultural communication and cooperation.
法政大学のエスター・ストックウェル教授は、「多文化共生と異文化コミュニケーション能力」と題して洞察に満ちた講演を行い、コミュニケーションと文化の重要な関係についての話があった。 教授は、この2つの要素が相互に関連していることを指摘し、人々が集まる場所では、文化とコミュニケーションの両方が重要な役割を果たすことを強調した。ストックウェル 教授 の講義は明瞭でわかりやすく、英語によるテンポのよい語り口で行われた。このアプローチは、異文化理解とコミュニケーションに対する彼女のコミットメントを例証するものであった。ストックウェル 教授 の講義は、文化がどのようにコミュニケーションとアイデンティティを形成するかについての貴重な洞察を提供し、相互の結びつきが強まるこの世界における共感と認識の必要性を強調した。文化の違いを理解し尊重することは、効果的な異文化間コミュニケーションと協力に不可欠であると主張した。
2.生徒の感想
・文化がどのように人々の根底から影響するのかが分かった。英語であったがとても分かりやすかった。
・オールイングリッシュの講義はとても楽しかった。コミュニケーションと文化は身近な存在だが、深く考えたことはなかったのでいい機会だった。グローバル化社会だから、このようなことについて学ぶのは大事だとおもいました。
◆トピックコード 203
「映画で世界を知り、課題を解決する」
ユナイテッドピープル株式会社 代表取締役 関根 健次 先生
参加生徒数 28 名 報告者名 田中 公男
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1.トピック内容等
最初に、話題提供者の関根さんが訪れたことのある世界の国々の写真を見ながら、世界の美しさ、自然の豊かさ、歴史、文化や世界の多様性について紹介された。
次に、ガザ地区を訪れたときの経験談と、現在のガザ地区の現状が伝えられ、関根さんがIT関連の仕事を辞め、ユナイテッドピープルを立ち上げることになった経緯が話された。たとえ、募金を募って病院を作っても1発の爆弾で破壊されてしまう。その一方で映画には、人々を感動させる力がある。ストーリーがあり、登場人物やその家族の背景があり、共感できる。こんな生き様があるということも知ることができ、共感もできる。ユナイテッドピープルのCinemoというサイトにはSDGsすべてのカテゴリーに入る映画が用意されており、今までコミュニ―ティーセンターやシェアオフィスなどで、2000回以上の上演会を行ってきた。上映会後には必ず皆でディスカッションをしてもらい、何ができるかグループで考え発表し合うという活動を行っている。
最後に映画、「ガザの素顔の日常」「ミッドナイト・トラベラー」「ゴースト・フリート」「ザ・トゥルー・スト」にまつわる話とともに、各映画の紹介があった。
関根さんからは、「今日はもやもやした気持ちで帰ってほしいい。平和実現のために、持続可能な未来のために我々ができること何か、どうしたらいいかを考え続けてほしい。中東などについての本を読み、難民のことなどニュースで取り上げられたら気にしてほしい」とメッセージをもらった。
2.生徒の感想
・今日の講義で難民と言うものは遠いようで近い事だと実感することが出来ました。関根さんの話を聞いて、私も沢山の国に行って多くのことを知りたいなと思いました。難民を無くすというのはとても難しいことで解決しがたい問題であり、その問題を解決するために映画は沢山の人に今現在ある問題を知ってもらうという大きな役割を担っているなと思いました。今回は貴重なお話を有難う御座いました!
・このトピックを選んだときは、軽い気持ちで映画というワードで参加をしました。実際に参加をしたら、今、世界ではどんなことがおこっているのかとか、自分には何ができるのか考えていたら、今悩んでいる小さいことがどうでもよくなってしまいました。これからは、募金などに積極的に参加し、買うものを考えて生きていこうと思いました。
◆トピックコード 204
「学びを深めるための人工知能関連技術活用法 〜試薬を使わない生命科学研究〜」
東京電機大学 理工学部 生命科学系 教授 根本 航 先生
参加生徒数 9名 報告者名 熊木幸司
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1.トピック内容等
タンパク質の配列などの最先端研究を行っている根本さんが、普段どのようにしてその分野に対して「問い」を立てているのか?そんな話から始まり根本さん自身も使っている論文検索ツールの紹介などを通じて、探究活動に必要な「問い」を立てるための様々なアドバイスをいただきました。
特にAI技術の進歩に伴い、その恩恵を受けた論文検索のツールの使い勝手には私自身驚きました。生徒たちにとっては探究活動(特に理数探究)を一歩先の段階に導いてくれるような魔法のツールとして感じられたのではないでしょうか。
2.生徒の感想
・理数探求の際のテーマを決めるうまい方法が知れた。先行研究を調べるのに手間取っていて、困っていたのでとてもよかった。
・理数探求で実験を始める前に必ず論文を読む必要があるので、論文の探し方を学ぶ事が出来てすごくためになりました。それぞれのサイトでできることも分かりやすく説明していただいたので困ることなく操作出来ました。
・論文の検索の仕方とを学ぶことができた。探求で先行研究探しや、その分野で今わかっていることを調べるのに手こずっていたためとても良い検索方法が知れてうれしかったし、モチベーションになった。また関連した論文の見方を知ることができて、さらに自分の興味を深めることができた。
◆トピックコード 205
「「環境」を社会と教育の面から考える」
一般社団法人東京学芸大Explayground推進機構 木育研究所 団体代表 東京学芸大学教育学部 2年生 2023年度順天高校卒業生 坂本 駿樹 先生
参加生徒数 9名 報告者名 座間亮人
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1.トピック内容等
環境を社会と教育の面から考えるというトピックで、高校生3人と中学生6人の計9人で環境問題・教育について講義を受けた後、実際に体験を行った。講義では、時代によって受けた環境教育が違い、環境教育は公害対策基本法の時期から公害についてと教育現場が作った慈善環境保護の2台柱から現在ではリサイクルやサステナブルな問題についてになってきていることを学んだ。また教員という立場だと当たり前のことだと感じていたがいかに子供のころに受けた環境教育が私たちの環境に対する印象を与え、その印象が今でも根付いていることに気づき、環境教育のパワーと影響力を学ぶことができた。
体験型では「身近な環境を守る」といったトピックから、漁船で漁具として使われる「地引網」が使用後、強固に作られた裏側、処理の仕方が難しいという現状を知った。そして地引網をリサイクルしている会社の方と共同で実際に地引網をリサイクルする過程を体験した。
体験自体でリサイクルの大変さを知ったが、それよりも大きく印象に残ったのが、自分たちのほとんどが知っているものでも実際に処理するときまでの想像はしないまま、ごみに捨てられたり、そのまま使われ続けている現状があるということだ。この地引網といった知っているし見たことがあるが直接的に関係ない物やはたまた直接的に日常や仕事で使っている物ってどのように捨てられてるんだろう。と考えさせられるそんな講義であった、
生徒達も能動的に体験に参加し、ペットボトルや紙など身近にないもののリサイクルにすごく関心を寄せていて、「新しい体験」という言葉がびったりな講義であった。
2.生徒の感想
・実際に漁網を切ってみて、リサイクルは色々な手間がかかり、大変な作業であるということを実感することが出来た。また、話題提供者の方々が丁寧に説明してくれたから、講義の内容がとても分かりやすかった
・海と森が、多くの点で繋がっているということをこの体験を通して実感することが出来ました。使い古された漁網がリサイクルされて新たなプラスチック製品に生まれ変わっている事を初めて知ったので、とても驚きました。プラスチックのリサイクルの難しさについても初めて学んだので、今まで「何で100%リサイクル製品じゃないんだろう」が、「100%のリサイクル製品を作るにはどうしたら良いんだろう」に変わりました。身近な環境課題についても、日頃から考え、解決策を誰かと実行していきたいと思います。
◆トピックコード 206
「これで良いのか?性の知識とジェンダーギャップ;私の体は私のもの」
行徳総合病院 婦人科 婦人科内視鏡室長(産婦人科医) 坂本愛子 先生
参加生徒数 8名 報告者名 島﨑有華
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1. トピック内容等
(1)講義内容
月経、月経困難症とその治療方法、性器、排卵、妊娠のメカニズム、避妊、性暴力、性的同意、性感染症、ジェンダーバイアスなど、中高生に知っておいてほしい性の知識を専門医のお立場から明瞭にご解説をいただいた。
「中高生の約半数は生理痛がひどい」という統計結果があるが、他の疾患と異なり、月経痛で医療機関にかかることが少ない現状がある。
坂本先生が執刀し性転換手術をされた患者さんが、「これでやっと好きな職業につけます」、「結婚できます」と仰っており、社会的に困っている方の存在がある。以前は、戸籍変更の条件として手術が必要であったが、昨年、戸籍変更に生殖不能の手術要件を違憲と最高裁が決定した。昨年7月から施行された性犯罪関係の法改正の内容を含め、現場で対応されている産婦人科医の先生のお話を伺う貴重な経験ができた。
◆配布資料:「#つながるBOOK」、「ジェンダーイコールハンドブック」、「知っておこう!性犯罪についての法律ってどんなもの?(法務省)」
(2)生徒の様子
講義が進むにつれて、より真剣に話題と向き合う姿勢がみられた。胎児から新生児の成長過程がわかる、実際の重さの人形を抱き、赤ちゃんの重みを体験することができた。
2.生徒の感想
・自分の将来病気になった時にどうするべきか、相手に嫌なことをされた時きちんと断って自分を守ること、相手と対等な関係を気づいていくことの大切さを教えてもらいました
・男性であっても性のことに関して学ぶことは重要であると思った。
◆トピックコード 207
「グリムの世界とアダプテーション」
杏林大学 准教授 田中 洋 先生
参加生徒数 17名 報告者名 三井田真由美
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1. トピック内容等
オンライン形式の講義でしたが、生徒にも質問を投げかけていただき双方向の分かりやすい講義でした。初めに基礎的な情報として、グリム兄弟の生い立ちや彼らが育ったドイツのことやアダプテーションについて説明していただきました。
具体的な例として、グリム童話が原作となっているディズニー・アニメから、白雪姫を取り上げて、原作とどのような点が異なるのか比較し説明していただきました。どこがどのように変更されたのか、6つのポイントを挙げて解説していただきました。グリム童話そのものも初版から7回改訂されています。映像化するにあたり、ディズニーアニメでは、ウォルトディズニーの「たくさんの人が楽しむ」という作り手の意図や、原作の時代にはなかった現代の制約などを踏まえてアダプテーションし、物語を再構築したことがよくわかります。
最後に、物語が映像化されると、物語の主人公そのものが違ったり、キャラクターや音響が影響したり、原作、特に古いものと比較すると様々な点で違いがみられ、比較することはたくさんの発見があり面白いとお話されました。ディズニーアニメが大好きな生徒も多く、興味を抱かせる形で講義が終わったので、生徒たちが次にディズニーアニメを視聴するときには、捉え方が大きく変わるのではないかと思いました。
2.生徒の感想
・『真っ赤に焼いた靴を履いて踊れ』も創作された当時は倫理観や残酷さという面で問題視されなかったことがすごいと思いました。現代で創作されている作品も、100年後や200年後には今の私たちには思いつかないようなアダプテーションがされていると思うと、とても面白いと感じます。白雪姫と原作を読み比べてみようと思いました。本日はありがとうございました。
・今回、事前課題でグリム童話について調べる中で、同じタイトルで複数のシナリオがでてきたため、不思議に思っていたのですが、それは各地域の文化や生活の影響を受けているからだということが分かり、すっきりしました。また、アダプテーションが行われる理由には、倫理観・演出以外に時代の違いがあることを知ることができ、最近のアニメ作品などで、そのことを実感していたので、とても納得しました。
◆トピックコード 208
「化石化のキセキ ~化石ができる仕組みと化石化の頻度を考えよう~」
千葉大学 教育学部 准教授 泉 賢太郎 先生
参加生徒数 26名 報告者名 塩谷 昇平
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1. トピック内容等
化石のキセキ、という「奇跡」と「軌跡」を掛け合わせた化石の希少性に関する講座であった。内容は「化石の希少性について、これまで地球上に生息してきた全生物のうち、化石として現在残っている割合はどれくらいか?」という問いがまず投げられた。
高校生の数学の知識も求められるなか、化石をどの単位を用いて考えるべきか(例えば質量なのか、体積なのか、生物の個体数なのか)や、化石がどのような場所で形成されて発掘されるかなど、示相化石や示準化石についても理解が深まった。
泉先生の講座を聞き、私はあらためて、少ないデータのなかで知見を広げること、考察することが古生物学の非常に難しいところであると感じた。一方で、太古のロマンには希望とアドレナリンに満ちた魔力も潜んでいる。カンブリア爆発、恐竜のいる時代など、この話に興奮を覚える人間はきっと少なくないだろう。過去を知ることは、私たちの進化を紐解く鍵でもある。今回の問いに対する最終的な計算結果は、ぜひ泉賢太郎先生の著書「古生物学者と40億年」を読んでいただきたい。
2.生徒の感想
・化石について、中学生の頃に学んだ以来、学問で触れることはなかったのですが、今回のお話を聞いて、化石はまだ解明されていないことが沢山あるということを学びました。そういったまだ知られていないことを追求し、なにか得た時に面白さを感じるのだろうなとも思いました。化石のこと詳しく知ってみたいと思いました。また、分からないことがあっても、データと合わせながら仮説をたてて考えてみるとなにかまた新たな学びを得ることができそうなので、私の探求にも参考にさせていただきます!
・今ちょうど地学基礎で学んでいる地球や生物の歴史について関連する点があり、とても興味深かったです。化石と聞いて、地学のみだと思っていましたが、化学や生物などの他教科とも深く関わりがあり、今までの学習を活かすことができました。
◆トピックコード 209
「レゴブロックを使ってキャリアを考えるワークショップ」
東京経済大学コミュニケーション学部 准教授 北山 聡 先生
参加生徒数 19名 報告者名 渡部航士
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1. トピック内容等
ランダムに4人班をつくり、その中でワークを行った。
生徒全員が同じレゴブロックのパーツを受け取り、好きな色のブロックを取り出して、なぜその色にしたのか班員に説明した。アシスタントの大学生からブロックの使い方のレクチャーを受け、決められた6つの物体を作成した…①。
自由に塔と生き物をつくり、特徴や作成過程を班員に説明した…②。
キャリアをレゴブロックのワークに例えて、①は目標を決めて最短経路で努力すること、②はいろいろやってみてトライアンドエラーで考えること、そして「キャリアの8割は偶然の出来事からできている(計画的偶発性理論)」から、将来の悩みの解決に向かうよりも、いろいろなことに挑戦したり目の前のことに集中して取り組むべきである、というお話だった。
レゴブロックのワークは、夢中になってもくもくと作業していた。グループワークも大人しかったが、自分で作った塔と生き物について真剣に説明していた。
2.生徒の感想
・まだ将来のことを私も決められていなくて不安を抱いていたけれど、8割の人は目指していた職業には就けていない、就いていないと初めて知り、不安に感じなくても良いと思うことができました。自分が幸せに生きることができるように、レゴブロックのようにその課程を積み重ねていきたいと思いました。将来の考え方について新しい視点を得ることができたのでとても良かったです。
・最初はレゴブロックとキャリアがどのように繋がるのだろうと不思議に思っていたが、話を聞いているうちに繋がりが見えてきてとても興味深い講義でした。レゴブロックを組み立てているとき、不安定な部分があるとそれを修正するために試行錯誤して組み立てていくが、キャリアもそれと同じで自分で作り上げていくものであり、その組み立て方は人それぞれであるということをこの実習を通して感じました。また、将来の夢である職業に実際に就くのは全体の2割で、他の8割はそうでないという事実を知り驚きました。ですが、将来の夢があまり明確でないので、焦って決めずに色々な事を挑戦していく中で自分が興味を持って集中して取り組めるものを見つけていけたらいいのかなと思いました。
◆トピックコード 210
「ドライアイスの3つの不思議〜分子が示す多彩な性質〜」
北里大学 理学部 助教 内山 洋介 先生
参加生徒数 14名 報告者名 芳村桜子
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1. トピック内容等
ドライアイス(二酸化炭素の固体)の3種類の性質を紹介したうえで、日常生活でドライアイスがどのように利用されているのかを考え、食品の保冷剤や消火器の消火剤として使われていることなどが紹介された。ほかにも元素記号がどのような配列で並んでいるかを確認するなど、化学領域の興味深い内容だった。
また、有機化学の実験の中で使われるドライアイスを紹介し、分子に様々な性質があることを知る内容であった。生徒たちも記憶の糸をたどって元素記号などを答えており、水が「昇華する」という事実を知り目を輝かせる者もいた。実際の実験風景の動画は、全員が食い入るように見つめており、理論だけでなく実践的な授業の意義を感じた。
2.生徒の感想
・ 水の昇華の話は初めて知った。物質の三体で圧力を考えたことがなかったので、これは新しい収穫でした。あとドライアイスの構造を理解できるように頑張ります。
・ 私は理系への進学を希望していて、大学の研究室の様子や研究の内容がが知れて良かったと思いました。
◆トピックコード 211
「私たちの未来はどうなる?地球温暖化と脱炭素・エネルギー問題を解決するための最新の企業の取り組みとは。」
株式会社ENEOSサンエナジー グループマネージャー長橋 博史先生、
積水ハウス株式会社 支店長 高木 基雄先生、
早稲田大学 准教授 菊野 雅之 先生
参加生徒数 11名 報告者名 高野幸子
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1. トピック内容等
全く違う分野の仕事場に勤務される3名の先生方から、脱炭素・エネルギー問題をテーマに企業の最新の取り組みとこれららについてのお話をお聞きしました。「カーボンニュートラル」や「脱炭素社会」という言葉良く聞くようになり、気候の変化や地球温暖化を肌で感じるようになった今、生徒の関心も高く、参加する生徒の人数も多かったです。建築(マーケティング)に関わるお仕事をされている先生からは、各地域に自生する樹木を植える活動を企業で行っており、2023年で延べ200万本の木超えたともお話もありました。目的は鳥や蝶などの生育環境保護であり、植えるだけでなく、分析・研究を行っているとのこと。また、新築の家を建てたときに現場からでるごみを27種類に分別して会社に持ち帰り、100%リサイクルをしていること等、現在の企業の取り組みを聞きました。
エネルギー問題については、再生可能エネルギーを用いた建築(家)はコストが高いものの、長期的に見た場合は家計に優しく環境にもやさしいことを、ご自宅の電気代の例を挙げて説明して下さり、とても分かりやすく生徒たちも興味を示していました。
ガソリンなどの化石燃料に関する地球温暖化への影響については、「ガソリン自動車」よりも「電気自動車」や「燃料電池自動車」の方が環境に良いとされているが、それは本当にそうなのか?という問題提起がされて、生徒も私も知らなかったことを、知ることになりました。水素の輸送の難しさや電気系自動車の隠れたエネルギー消費・CO2排出など、自動車から直接ではないものの、環境負荷がかかることを学びました。「化石燃料の枯渇問題から、単価が高くても環境に良いならば合成燃料を使うか」という問いに対しては、「人間は自分自身に分かりやすく利益が無いと買うのは難しい」などの意見が生徒からでており、今回の講座で、新しい視点を手に入れたようです。
なにより、お話しくださった3名の先生方の仲の良さが伝わる講座で、チャットを用いて、生徒からの質問や意見がリアルタイムで集められ、気軽にお答えいただけるようになっており、生徒たちは「参加している」という実感を感じられて楽しかったのではないかと思います。
講座後、生徒と少し話したところ、「興味がある講座ではあるものの、私は文系で、お花医師についていけなかったらどうしようと思っていたけれど、とてもお話は分かりやすく、また身近なもので、本当に楽しかった。」と目を輝かせていました。
2.生徒の感想
・今回脱炭素についての講座を受けさせていただきましたが、環境に配慮しようとしてもその過程でまた環境に悪いことをしてしまう、結局変わらないということが起こってしまうなという視点も得られることが出来たし、EV車についての協議がとても興味深く、これからの存在意義についてかんがえることができました。いろんな対策をしていってはいるが、安さにはかなわないのが悔しいなと思ったし、そこも改善していかないと中々温暖化を止めることが出来ないなと思いました。
・エネルギーの発電のメリットとデメリットはよく理解できたし、これからやりたいこと、やらなければいけないことなども知れたから楽しかった。話題性強者の方々がすごくわかりやすかったのでとても楽しく有意義な時間になった。来年もまたお話聞きたいです。
◆トピックコード 212
「からだを使って自ら学ぶ、ネットワークとセキュリティの基礎」
情報経営イノベーション専門職大学(iU) 教授 平山 敏弘 先生
参加生徒数 14名 報告者名 角田 進
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1. トピック内容等
「からだを使って自ら学ぶ、ネットワークとセキュリティの基礎」
①ネットワークの仕組み:〈教室内にいる「順天太郎さん」を見つけよう〉という活動を通して3WAYハンドシェイク(双方がネットワークでつながる)までの流れを体感し、サイバー攻撃がどのように仕掛けられてくるかを理解した。②ネットワークの速さ:「ベストエフォートサービス」について、机間の通路を回線に見立てて、一人が通る場合と多数が通る場合の速度の違いから回線の速さについて体感した。③スマートフォン乗っ取りの脅威と対策:乗っ取りの手口やフィッシング詐欺などの事例を通じてその対策を理解した。④Wi-Fiネットワークの注意点について:正規なアクセスポイントを偽装して一般ユーザのIDやパスワード、クレジットカード等の情報を盗み出す「邪悪な双子」攻撃の恐怖を理解し、Wi-Fiは公道、セキュリティは自身で注意することが重要であり、VPN、SSLの暗号化の違いを体感した。またクッキーの重要性について学んだ。
生徒は目に見えないネットワークの世界を、からだを使いながら、体感することにより、より一層理解していたようである。また大学でセキュリティーを学ぶ意義について興味を深めていた。
2.生徒の感想
・情報に関する話題は文字で見たり話を聞いたりするだけでは理解するのが難しいので、実際に自分で体験することによってわかりやすく学ぶことができた。
・インターネットの基盤となる知識を教えてもらい、身の回りにある様々な危険な事象について色々詳しく知ることが出来た。もしインターネットに今後深く関わる時今日の話を思い出して関わっていこうと思った。サイバー攻撃の原理を初めてしれてためになった。
◆トピックコード 213
「グローバルビジネスと児童労働」
昭和女子大学 グローバルビジネス学部教授 今井 章子 先生
参加生徒数 12名 報告者名 高谷 哲司
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1. トピック内容等
本講義は「児童労働とグローバルビジネス」をテーマとしたものであった。まず最初に生徒の自己紹介と合わせて、事前課題として調べてきた内容の共有が行われた。事前課題の内容は、過去に生じた児童労働の具体例と、自らが考えるその解決策についてであった。アフリカでのカカオ豆生産やナイキの下請け工場において児童労働が行われた事例など、過去に問題とされた児童労働の代表的な事件が共有され、それへの解決策も途上国、先進国、消費者など多様な視点にたった解決策が示された。共有された内容をふまえ、その後は児童労働の現状、児童労働の背景となるグローバルなサプライチェーンについての説明がなされた。生徒も、最後まで熱心に耳を傾けていた。
2.生徒の感想
・自分が普段使っているものや食べているものにも児童労働が関わっている事を知って驚きました。また、先進国の企業は発展途上国との経済格差を利用して安く商品を作っている反面、公正な取引ができていないこともあることを知りました。
・現在チョコレートのフェアトレードについて探究をしているのですが、重なる部分が多くとても興味深かったです。そもそも企業がサプライチェーンを把握しきれないこと、法律があってもみんなが守らないから機能しないこと、消費者が自分の買うものに対して責任を持たないことなど、様々な理由があると思いました。授業内で児童労働の定義を考えましたが、年齢が低くても(9歳とか)お手伝い(週に2回くらいとか)ですら児童労働にあたるのか、義務教育を受けている間なのか、改めて考えさせられました。今後もまず自分ができることとして、自分の買い物に責任を持つということをしていきたいです。
◆トピックコード 214
「食品ビジネスと環境保全」
千葉大学 准教授 深野 祐也 先生
参加生徒数10名 報告者名 亀田麻記子
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1. トピック内容等
深野先生は、現代の農業が地球環境に及ぼす影響や問題点と、一方で生物多様性を保つために農業が重要であることを講義してくださいました。
現在地球環境は様々な点で問題を抱えていて、特にリンや窒素などの肥料が大量に環境中に流出していることが環境に悪影響を及ぼしています。近年の人口増加を支えるために大量に肥料を使用する農業が広がっていますが、それは土壌の浸食や湖沼の富栄養化など、自然環境を破壊してしまいます。一方で、日本の里山のような小規模な農業は生物多様性を維持するために非常に大事な役割を果たしています。このように、農業を中心に生態系保全のために何が重要か、何ができるのかを考えさせられる時間でした。大学院で習うようなディープなお話がたっぷりで、保全生態学や環境分野に興味がある生徒達みんなにぜひ聞いてもらいたい内容でした。
最近は生物多様性に関する取り組みをする企業が増えているとのこと。自分が知っている会社名と「生物多様性」という言葉でgoogle検索してごらん、という深野先生の声掛けで生徒たちが調べたところ、思い浮かぶ会社はすべて生物多様性に関する取り組みをHP上で報告していました。これには生徒たちも教員もびっくり。生物多様性を守るための取り組みを担う人が、この生徒達の中から現れてくれるといいですね。
2.生徒の感想
・1ヘクタールあたりの良くて三万円と、収益が少ないから別の仕事と掛け持ちしている人が多いと聞いて、驚いた。
・毎日美味しい食事をできているのも、他の国の森林が荒れて行っていると思うとどうにかしなくてはいけないなと思いました。本日はありがとうございました。
・農業が環境に害を与えることもあるというお話は初めて聞いたので、とても驚きました!
◆トピックコード 215
「菌類の世界に地球温暖化の兆候を見出そう! 〜高校の知識で挑む菌類学研究〜」
東京農業大学生命科学部分子微生物学科 助教 小泉 敬彦先生
参加生徒数 11名 報告者名 山口佑真
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1. トピック内容等
身の回りにうじゃうじゃいる菌などの微生物!今この瞬間にも手や顔中にたくさんいるが、我々は肉眼で視認することはできない。目では見えない生物に対してどのように研究を進めていけばよいかを考えていき、データの解析方法をグループワーク形式で体験した。自分たちでデータを比較する計算式を考えて、目に見えないものを数値に置き換えることで見える化をした。その後、ひもやボールを使って可視化してさらに見やすくした。データが見やすくなると、新たに発見されることも出てきて、あくなき探求することの楽しさを学ぶことができた。
2.生徒の感想
・自分たちが持っている知識からどれくらいその菌と菌が類似しているのかについて考えることが出来たので良かった。また、地球温暖化について動物、植物以外の観点から捉えて考える機会となった。
・地球温暖化の影響は、動物や植物などの見えるものだけに影響が及ぼされていると思いがちだが、微生物にも気温が変わるだけで絶滅したりするものが居ると知って驚いた。研究というと室内で実験などをする固定概念があったが、アクティブ?な屋外の研究もあると知って、研究職への興味が湧いた。講義中での輪っかを作る作業が難しかった。
◆トピックコード 216
「食を通した地域振興の実践」
女子栄養大学 准教授 平口 嘉典 先生
参加生徒数 4名 報告者名 和田 光
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1. トピック内容等
女子栄養大学准教授の平口先生の「食を通した地域振興の実践」の授業内容を90分間体験した。最初の60分は講義で、残り30分は地域振興策のワークである。
地域振興の話から始まり、実際の活動事例や大学生が取り組む商品開発の話があった。事例としては秋田県で農産物の販売や食の提供、そして大学生の活動はみよし野菜を使ったお弁当の開発や価格決めなどの内容である。
最後の30分で事前課題の内容である地域振興策に対して生徒からの多くの意見が出された。意欲的に参加している生徒が多く、有意義な時間となった。
2.生徒の感想
・食を通じた地域振興ということが面白いなと思った。郷土料理を実際に作ってみるというのも経験になるから結構斬新なアイデアだと思った。お弁当を開発してみるというのは就職する上で面白いなと思う。
・地域振興と聞いてはじめはあまりピンときていなかったのですが、実際の事例を交えて説明してくださったのでとてもよく理解することができました。岩手に祖父母の家があるので今度【秋田の陽気な母さんの店】に行ってみたいなと思います。地域振興の取り組みの特徴や目的、課題もとてもよく理解できました。また、郷土料理に興味が湧いたので、旅行などで地方に行く際には探してみたいです。また、普段自分が住んでいる場所の地域振興は考えたことがなかったので、今回考えてみるとてもいい機会になりました。浦和美園駅付近の畑ではなにが育てられているのか調べてみようと思います。実際の大学生の取り組みなどから、商品開発のポイントを学べたのもとても勉強になりました。特に原価が3割ということは初めて知ったので印象に残っています。今日の講義を通して、地域振興は想像していたよりずっとむずかしいことではなく、私達学生でもやろうと思えば始められることがわかりました。とても勉強になりました!
◆トピックコード 217
「授業科目を奏でよう!」
理化学研究所 客員主任研究員 森川 雅博 先生
参加生徒数 14名 報告者名 菅原 和彦
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1. トピック内容等
授業科目を奏でようというテーマでマテマティカというソフトを用いて様々な音階を作り様々な音楽を聴いて聴講者が楽しんでいた。
五度づつ音程を上げていってみるとどのようになるのかハ長調、ニ長調などをコンピューターで音を出したとき音が調和しているのか、していないのか。心地よい響きになるのはどのような波長のときかなどをその場で実験などしていた。
楽譜に犬や猫を描いて、演奏をしたり、面白い企画もたくさんあった。
音は空気の振動であり、調和のとれたグラフを音階で表すと音も調和がとれるのかなどをマテマティカを用いて体感できた。
2.生徒の感想
・宇宙、音楽、数学ともに自分の興味分野だったのでものすごく楽しかったです。しかしながらまだ高校一年生の範囲しか知らなかったので関数やプログラミング絵の知識が乏しく、もっと予習をしておけばよかったと思いました。二年生、三年生になったらもっと今回のお話について深めてみたいと思いました。音楽は人間の主観にのみ頼った曖昧な要素が多いのかと思っていましたが、数学ですべて説明できる非常に明快な分野なのかもしれないと思いました。また是非お話を聞かせてほしいです。
・芸術としての音楽とは違う物理的な数学的な”音”に興味がわいて、受講しました。音にすることでイメージが付きやすいこともあるのだなあと感じました。特に過去の地震分布や戦争時期などを音で表すとより多さが実感できました。データの見せ方のひとつとして博物館なんかで紹介するのもいいと思いました。全体を通して、今の自分には理解しきれないことがたくさんあったのですが、少なくてもプログラミングはできるようにしたいと思いました。微積が楽しいと思ったことはなかったので楽しんでみようとも思いました。
◆トピックコード 218
「奨学金返済不要!?文部科学省による「トビタテ!留学JAPAN」の魅力~実際にトビタテ留学を経験して~」
順天高等学校 高等部 2学年 黒田 百々花 先生、 杉江 寿子 先生
参加生徒数 10名 報告者名 森依子
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1. トピック内容等
トビタテ留学経験者の杉江寿子さん、黒田百々花さんが講師となって、トビタテ留学JAPANの説明をしてくれました。生徒のグループ分け、グループ内での自己紹介、クイズ形式によるトビタテ留学JAPANの基礎知識などのアイスブレイクから始まり、テンポよく来年度の募集要項の説明、二人のマレーシアとアメリカにおける留学体験、さらに増井真子さんのスエーデンの1年間留学についてと紹介されました。またグループでのワークショップもあり、スムーズに進行されていました。1時間半があっという間に過ぎてしまうほど内容で楽しくしかも濃い内容でした。
また、参加者も講座の中に引き込まれ熱心に聴いている様子でした。ワークショップで活発な意見交換がされており、講座に参加して有意義な時間を過ごすことができたと思います。”
2.生徒の感想
・トビタテ留学を検討しているので、非常に参考になった。また、内容や試験など実体験からしか得られないものを教えてもらった
・漠然としていた計画が現実味を増し、挑戦したいと思いました。そのためには今から準備を進めていく必要があることがわかりました。実際の経験談を細かく教えてくださったり、たくさんの質問にも答えてくださったことで、わからなかったことや疑問に思っていたことをはっきりとさせることができました。また計画の進め方がわかりました。留学に行くことで、「自信がつく」や「視野が広がる」、「その場の現状を知ることができる」などだけではなく、また更に新たな課題(自分を含めた)が見つかるということが印象的でした。自分を成長させるには、「やってみる精神」が大切なんだと感じました。
・高校でのトビタテ!留学JAPANに行くことで何が得られるのか、行って大変だったこともあるけれどそれを乗り越えての成長・新たな課題、目標などについて先輩3人方の実体験を聞いて詳しく学ぶことができた。二度目の留学を視野に入れ、家族と相談しあって決断しようと思った。
◆トピックコード 219
「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases, NTDs)と私たちの未来」
北里大学医学部 教授 辻 尚利 先生
参加生徒数 11名 報告者名 阿部邦宏
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1. トピック内容等
講師の辻先生は北里大学医学部で寄生虫学・熱帯医学を担当されており、海外滞在経験も豊富だ。現在はガーナを調査活動の舞台として、現地の保健活動推進を中心に活動されている。今回のトピックは「顧みられない熱帯病(NTDs)」。アジアやアフリカなどの貧困地域が抱える「熱帯病」の解決(治療・撲滅)がテーマである。
「顧みられない」とは、民間企業や製薬会社が解決になかなか取り組もうとしないということを意味する。世界の人口のおよそ4分の1の脅威である熱帯病は、ワクチンや薬で対応可能であるという。しかし、そこに利益が生まれないために、企業はこれを顧みようとしない。
教育の重要性についても改めて考えさせられた。子どもたちは「住血吸虫症」でお腹がふくれてくると、「大人の仲間入り」を果たしたと誤解しているという。現地の大人の多くが同じ病気にかかっているためだ。防疫に対する意識が教育によって高まらないと、現地での活動が徒労に終わると先生はおっしゃる。
「NTDs」が日本で起こることはない。起こったとても、十分な対策を取ることができる。しかし、世界の貧困層や社会的な弱者は日々その脅威にさらされ、教育や労働の機会が失われている。「NTDsは必ず治せる、予防できる(のに、そこに至るまでの人的な障害がある)」という先生の言葉が印象的だった。
2.生徒の感想
・顧みられない熱帯病は医療の面からのサポートももちろんとても大切だが、現地の方の教育水準があまり高くないため、自分が感染症にかかっていることを自覚できず、大人になった証だと認識している子供がいることに驚きました。このようなことがあるので教育水準を高めることがまず一番大切だと思いました。アフリカなどの感染症を知る良い機会になったと思います。
・熱帯病の感染者が多いにもかかわらず、情報があまり出回ることがなくグローバルウィークで初めて知ったことも多かったです。やはり知らないと興味関心もないので情報や教育の大切さを知りました。貧困病と言われているので私なりにクラウドファンディングなど実現可能な案を考えるきっかけにもなりました。
◆トピックコード 220
「カンボジアの教育現場から学ぶ国際協力の形」
順天高等学校 高校2年生 【神長 ももか/和田 悠希/生田 彩乃/吉田 樹/近藤 可奈/小池 葉也】 先生
参加生徒数 18名 報告者名 香渡 里沙
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1. トピック内容等 英語探究クラスのカンボジアグループに所属する生徒たちが、現地へのスタディツアーでの体験・学びを紹介するとともに、国際協力のあり方について、グループ・個人の考えを共有した。具体的には、小・中学校、孤児院、日本語学校、寺子屋(読み書きのできない人や小学校を途中で退学してしまった子どもたちのための学びの場)などの教育現場を訪問する中で感じた「本当に必要な支援とはどのようなものなのか、自分たちは何ができるのか」という問いについて、いくつかの支援団体の例も紹介しながら、発表生徒一人ひとりの言葉で、今後の支援の方向性が伝えられた。
トピック中、参加者は発表者の話を聞く場面がほとんどであったが、同じ学校の生徒による発表ということもあり、和やかな雰囲気で進行していた。また、開始時に「カンボジアのイメージ」を参加者全員から回答してもらった際は、「汚い、貧しい」というマイナスのイメージが大半であったが、最終的には、「カンボジアの人々の当たり前と日本の当たり前の差の認識が変わった」「前までは、貧困な子どもたちは遊べないし、勉強もできなくて、可哀そうだと思っていたけど、考えて行動する能力がすごいなと感じた」といった具体的な意見が挙げられた。”
2.生徒の感想
・勉強への意識が変わりました。
・カンボジアの現状と支援について具体的に知る事ができた。ただ支援するのではなく持続的な支援が大切だと理解できた。