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グローバルウィーク・ダイジェスト2024 1日目(11/11実施分)
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2024/12/24

グローバルウィーク・ダイジェスト2024 1日目(11/11実施分)

2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月11日(月)~11月15日(金)の1週間を通して実施しました。

今回は11月11日(月)に行われた1日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。

◆トピックコード 101    
「学校における情報活用能力(情報モラルを含む)とは何を育成しようとしているのか?」
信州大学 理事・事務局長  安彦 広斉 先生
 参加生徒数  生徒2名  報告者名 鹿島 知周

 

1.トピック内容等
 学校における情報活用能力の育成とは、生徒のどんな力を育成しようとしているのかをご説明いただいた。はじめに、近年のICT技術に関する基本的な知識を説明いただき、学校での教員による活用例や、技術や情報の授業でどのようなことを学んだのかを生徒に質問しながら、意見共有を行った。その後、日本の教育の強みや弱みを分析しながら、1986年に情報教育の推進が始まってから、教育現場での実際の情報教育の実施状況について説明していただいた。先進国の中で後れを取りながら、少しずつ情報教育、プログラミング教育が実践され始めた。そこで、小学校におけるプログラミング教育の目的は、優秀なプログラマーを育成することを目的としたわけではなく、コンピューターがブラックボックスとならないようにするためであることをお話ししていただき、プログラミング教育を経て思考力や発想力が培われることには生徒も関心を受けていたのではないかと思われる。学校で、数学や古典を学ぶ理由のわからない生徒も、授業で学んだこと以外にその他の能力が培われるということを理解できたのではないかと考える。

2.生徒の感想
・今回の講習では、情報活用能力について詳しく理解できた。自分は将来の日本において必要な情報活用能力を高めていきたいと思った。情報活用能力と併せて、日本のデジタル化は欧米や、中国、韓国などのアジア地域と比べて進行度が遅いという問題について詳しく理解できた。自分は今回の講習を活かして生きていきたいと思った。
・情報について様々なことを教えていただきました、今回初めて知ったGIGAスクール構想の内容も面白く、途中途中のギャグが面白かったです。

◆トピックコード 102    
「応急手当を広めよう!」
FMAT(FamiryMedicalAssistanceTeam),NPO団体CONNECT所属 看護師,FMAT:代表、NPO法人CONNECT:スタッフ(応急手当担当)  澤井 由利 先生 
 参加生徒数  生徒12名  報告者名 塩谷 昇平

 

1.トピック内容等
生徒も含めて簡単な自己紹介から講座が始まった。この講座は聴講者になりきらず、自身の考えを言語化し、周囲と共有し、発信する。そのようなスタイルで進んでいった、あっという間の時間であった。
被災地で実際に起こる問題や、AEDの重要性を訴える動画を見たあとは、生徒から次々と考えが出た。

被災地の動画では、「実際その場でちゃんとした行動ができるか不安」「被災の様子をみて驚いた」などの感想が出た。AEDの動画では、「実際にやるには知識と勇気が必要」「何もやらないで後悔するよりやって後悔したい」「周りにいる人たちのためにも、自分にできることを考えたい」と、同年代でも起こりうる心臓突然死をより身近に感じた様子であった。

応急手当を知ることの大切さは、「自分のことはできる限り自分で面倒を見れるスキル」でもあると私は思う。そばで大切な人が倒れた時、後悔をしないために自分ができる最大限のことを学びたい。また、自分が倒れた時、助けてくれるのはそのとき周りにいる人たちである。自分が助かるためにも、さらに応急手当の重要性を広めていく必要がある。

最後に、澤井先生が発信している「1分で学べる応急手当」というインスタグラムがあるので、これをきっかけに若い世代の人たちにも応急手当が浸透していってほしい。

2.生徒の感想
・今回の講座を通して、応急処置がいかに重要かを認識することができました。私は不整脈があり、「心臓突然死」というものをとても身近に感じました。もし自分になにかあったときのためにも、身の回りの人の誰かに何かあったときのためにも、自分自身や身の回りの人が応急処置について正しい知識と、勇気を持つことが大切だなと思いました。そのため、今後応急処置について学べる機会があれば、周りの人も誘って、積極的に参加したいなと思いました。
・自分で当事者意識を持つことが大切だと改めて感じました。自分が知った知識をいざ自分が倒れたときのために家族に知らせておくこと、事前にうちあわせをする必要性があると思いました。

◆トピックコード 103    
「データサイエンス 〜北里大学未来工学部データサイエンス学科の挑戦〜」
 北里大学 未来工学部 教授・学部長   岡 浩太郎 先生、島津秀康 先生、力丸佑紀 先生

 参加生徒数 10 名   報告者名 高橋 昌伸

 

1.トピック内容等
<岡 浩太郎 先生>
未来工学とは今は既存化していない問題を一早く見出すことを目的とした工学
・データサイエンスは敏感なアンテナであり、将来への羅針盤。
データサイエンティストに求められる能力とは?
・データを見る数理的な力とセンス
・データを取り扱う高度なプログラミング能力

<島津秀康 先生>
「知を編み出す物語」
第一章:データモデリング
    ・データとどう対話する
    ・使いやすく見通しの良いデータにするには
第二章:データからの「発見」
    ・データからの取得・蓄積
    ・得られた発見の表現
第三章:「発見」の実践
    ・使いやすい理解しやすいソフトウェア

<力丸佑紀 先生>
「データサイエンス」
・既存の科目や分野にとらわれず、自分の興味を出発点とした「学び」や「研究」を可能にする
 →科目や学問分野の垣根からの解放
・データは万国共通
・国を超えて世界の人たちと協働できる。
 データ⇔f(x、θ)モデル・パラメータ
・日本初のデータサイエンス

講義の様子
 グループを3つに分け、それぞれ30分ずつ講師の方が回っていくやり方でした。生徒からも質問がでる等、興味を持った生徒が増えたようでした。

2.生徒の感想
・事前学習でデータサイエンスに関する資料を見た時には、「自由」というキーワードが全く出てこなかったが、すべての提供者において「自由」や「共通」などといったキーワードを聞けた。これは大きなイメージ変化でした。
・データサイエンスはあらゆる学問分野の垣根を越えるものだということを聞いて、色々なことを学びたい私としてはとても良い学問だなと思いました。
扱うデータは数字だけでなく画像や動画などたくさんのものがあり、数学だけでは分析できないこともあるので、それらを学べるデータサイエンスはかっこいいし面白いなと思いました。

 

◆トピックコード 104    
「『原爆写真の真実』きのこ雲の下で一」
広島市立小学校 特別支援学級担任    大西知子 先生
 参加生徒数 11 名  報告者名  藤本正隆

 

1.トピック内容等
平和な世界を実現するための「自分発」のプロジェクトを提案する。をテーマに広島・長崎に投下された原子爆弾の威力や被害者についての資料を参考に解説された。

平和プロジェクトの取り組みとして個人での具体的な考えを発表し、各グループに分かれて意見交換をし、いくつかのプロジェクト案を具体的な提案を行なった。具体案としては、SNSなどを活用し全世界に原爆の怖さ、戦争の残忍さを配信する。原爆資料館を全国数か所に設置し多くの人々に観てもらう。核軍縮に向けて被爆者の聞き取りや署名活動を行なう。

などが提案された。生徒は積極的に意見交換をした。

2.生徒の感想
・今回の講座により、平和についてを次の世代に説明することの重要性を考えさせられました。

私は今までは、なぜこのようなことが起きこのようなことを止めるには何が必要なのかとしか考えていなかった為、いい機会になりました。
・今まで原爆について様々な授業を聞いてきましたが、今までで1番詳しくリアルな講演でした。唯一の被爆国として私たちは平和を訴え続けなければならないなと改めて感じました。講義の中で私たちに今後できそうなこと、やってみたいことを考える時間をたくさん設けていただき、平和に向けて自分で考えることができました。そして、自分でもできそうなことはなにか考えるきっかけにもなりました。

◆トピックコード 105    
「なぜここまで円が安くなったのか?」
学習院大学 教授  柏木 昌成 先生

 参加生徒数 19名   報告者名 長澤 幸希 

 

1.トピック内容等
 本講座の冒頭で話題提供者は(2024年の)8月5日に対ドルの円相場が1ドル=141円台後半となり、およそ1ヶ月の間に約20円の円高が進んだという新聞記事を紹介した。また、7月中旬の1ドル=161円台という水準は実に37年半ぶりの安値だということにも言及していた。この記事を題材として為替レートの動きを考えてみようというテーマのもと、話題提供者は記事内容を解説していくと同時に、理解を深めるためのディスカッショントピックを提供し、参加者がそれについてまずは少人数のグループで考え、そして全体で議論するという形式で進行した。そのトピックは円安がわれわれの生活にどのような影響を及ぼすのか日常を振り返って考えるものや、金利と為替レートの関係を探るもの、そして2024年に拡充されたNISAに関わるものなどであった。

 このように本講座は為替レートや金融について、理論的な内容を含みながらもそれらを身近なことに引きつけて考えるように設計されていた。参加者は興味をもって聞いており、特に話題提供者からの問いに対して自分の力で取り組む姿勢や、疑問点を積極的に質問する姿が印象的だった。さらにディスカッション中も様々な意見が交わされ、他の参加者と共に深く学ぼうとする様子が窺えた。

2.生徒の感想
・金利と為替について中高生でもわかりやすく単純に簡単に話していただいたので、あまり経済の予備知識がなかった私でも簡単に理解し考えることができ、とても面白かったです。経済は自分にとても身近で必要なものだとはわかっているけれどあまり知識もなく、なじみづらいトピックではあるので、今日このような形で分かりやすく触れさせる機会をもっていただき、とてもありがたかったです。
・為替レート、金利、NISAについて詳しく学ぶことができました。ディスカッション課題2で行った金利と為替レートがどのように関わっているのかがとても分かりやすかったです。また、その中でも特にNISAの投資について興味が湧いたため、いつか自分自身で挑戦してみたいと思います。

 

◆トピックコード 106    
「緩和ケア(看護)について。」
北里大学病院  看護師    由井 莉紗子 先生

 参加生徒数13名   報告者名 増田 三華

 
     

1.トピック内容等
 順天中高の卒業生であり、現在は三次救急を行う大学病院で消化器内科・緩和ケア病棟で看護師として勤務している。

■進路選択
“将来、どんな人間になりたいか”、“どんな仕事なら楽しんで続けられるか”。

「一生学び続けられ飽きない仕事」、「誰かの強みを引き出し、伸ばしたい」、「人の生きる力・心を支えたい」という考えがベースとなった。

■緩和ケアとは何か
病気による痛みや苦しさと戦いながら、自分らしくあろうとしている患者さんに対し、[体の痛み・心の痛み・社会的な痛み・スピリチュアルペイン(魂の痛み)]の4つの痛みへのケア。医療機関だけでなく、自宅で家族もできる。

■患者さんへの看護事例より
食事、呼吸、痛み、出血などへの医療処置についてわかりやすく説明してくださった。

疾患だけをみるのではなく、その方自身をみないと看護は成立しない。サポートしながら本人の力を存分に使えるように、できることを奪わずに支える過不足のないケア。伴走者として患者さんのいろいろな側面をみてチーム全体で。患者さん・ご家族と、どう生きるか、どう在りたいかを一緒に考えながら、それが実現されるようにサポートしていくこと。

◆質問より:業務におけるストレス対処の方法は?
ストレスに気づく、個人で抱えず誰かと共有し業務を振り分ける、カンファレンスで次に活かすことの重要性を回答いただいた。

終了後も、主に進路に関する内容の質問をする生徒が複数いました。”

2.生徒の感想
・看護ケアについてしっかり考えたことは今までなかったが、今回のグローバルウィークを機に初めて自分でも考えてみました。自分で考えた時は、末期の患者さんに寄り添って患者さんの最期まで見届けることだと思っていたが、今回の授業を聞いてもっと奥が深く、人それぞれだと思った。        
・自分は今まで医療関係の仕事を知らなかったが、今回の講義を受けてかなり興味を持てました、また、命とかかわっていくことの重み、向き合い方を知れたのはとても良い収穫だったと思います。将来への道が一つ増えたような気がしました。

 

◆トピックコード 107
「大学生の私がマレーシアでボランティアをする理由〜マレーシアでのボランティア経験から」
 早稲田大学文化構想学部 3年   北川 さくら 先生

 参加生徒数 12名 報告者名 富樫 和之

 

1. トピック内容等
 今回、マレーシアとフィリピンでのCFFのワークキャンプに参加した経験を通して感じたことや学んだことをお話しくださいました。『そもそもボランティアとは何か?』や『みんなは何を大切に生きていきたいですか?』などの問いに対して、実際の経験から自身の考えの変化を共有し、生徒たちにも投げかけていた。『みんなは何を大切に生きていきたいですか』という問いに対して、生徒たちは『自分が受けた親切心を他の誰かに返したい。』、『自分の感情や思いを大切にしたい』や『出会った人やモノに全力で向き合う』と答えていた。北川さんは『喜ぶ者と一緒に喜び、泣く者と一緒に泣きなさい。』という言葉を大切にしている。これはCFFの子供たち、現地の人たちとの出会いで得た多くの愛からこの言葉を大切にするようになったそうだ。マレーシア研修旅行に参加していた生徒たちは、この言葉にとても共感しただろう。研修旅行に参加していない生徒も今回の話を聞いて、大きな気づきがあったはずだ。私自身もとても有意義な時間、空間を生徒たちと共有できた。

2.生徒の感想
・大学に入学する時点には既に将来の夢や学びたいことは、決めなければいけないと思っていたけれどさくらさんの様に大学入学中に模索していくという選択肢もあることが新しかったです。また、ボランティアで参加する側と運営する側では違った事が見えて同じことでも違う立場で関わってみるのも興味深いなと思いました。マレーシアやフィリピンの話を聞いて、テレビ、ネットでは隠されている事実を見に私も訪れたいと思いました。本日は本当にありがとうございました。          
・二か月間水道が出ないという話を聞いて、やはり海外に旅行に行くのと、海外で生活するのでは大きく違うのだな、と改めて感じた。私も大学になったら、またCFFかどこかに行ったり、生活してみたいと思っていたのでとても参考になった。そして、CFFマレーシアの写真が出てくるたびに見覚えがあり、とても懐かしかった。研修旅行から月日が経って、CFFや、その子供たちとの思い出がどこか遠いもののように感じてしまっていたが、写真を見ていると、今私たちがここにいる間も皆も同じ時間を生きていると思えた。

◆トピックコード 108    
「これからの道の選び方」
 COSHALL DIY&REBUILD PARK CA.2888(クリエイターズアパートメント) 所属クリエイター / 広報責任者  髙橋 海歩 先生 
 参加生徒数 19名  報告者名 種村 毅

 

 1. トピック内容等
【内容】進学・就職などの進路選択のみならず、これからあらゆる場面で「決断」をしていくことになる。決断の場面には不安や悩みがつきまとう。講師ご自身の実体験をふまえつつ、進むべき道を決める時に必要なこと、大切なことを考えた。個人的にとくに興味深かったのは「『お前はな』理論」。これは、要素還元主義批判あるいは「コンピテンシーベースの教育」批判につながりうる面白い話だった。

【活動中の様子】「10代~60代までのそれぞれの代でやりたいことは?」、「やらないことは?」などの問いかけに対して、生徒たちは楽しそうに自分の答えを披露しあっていた。

2.生徒の感想
・人と比べてしまうことが多いですが、自分と相手は違うこと、同じようになる必要がないことをこれから意識していきたいと思いました。どんな形になろうと、自分が納得できる生き方に自分で持っていきたいです。          
・最後の方に行った9個の質問が、とてもためになりました。普通だったら「好きなこと」「嫌いなこと」で分けるのに「狂うくらい好きなこと」「それなり」で分けて買いたのは初めてだったので、いつもとは違う「好きなこと」が発見できました。また、人生で初めて年代別でやりたいことをまとめたり、共有したので「友達が書いたこれいいな!自分もやりたい!」だったり、これやりたいからこれもやりたい!と芋づるでどんどんやりたいことが出てきて良かったです!!

◆トピックコード 109 
 「外交という仕事: グローバルな課題にどう向き合うか」
 外務省国際協力局地球環境課 地球環境交渉官  田辺 信 先生

 参加生徒数 24名   報告者名 金子哲也

 

1. トピック内容等
外務省国際協力局地球環境課の田辺信氏が「グローバルな課題への対処法」をテーマに講演されました。田辺氏は、紛争、安全保障、軍縮、環境問題といった多岐にわたる課題に対し、外務省での経験を交えつつ具体的な対策や国際的な取り組みを紹介しました。例えば、武器貿易条約やプラスチック条約の交渉において、ルールを策定する「ルール・メイキング」の重要性が語られ、特にグローバルサウスの代表例であるインドとの協力関係についても説明されました。また、外務省の本省や海外大使館での業務内容についても触れられ、岸田首相のウクライナ電撃訪問の模様や、ニューヨークの国連本部で国際会議の決議案作成作業部会に参加した際の様子も語っていただきました。さらに、田辺氏のザンビア訪問経験に関連し、英語探究の一環としてザンビアについて研究している生徒からは、活動のあり方に関する質問が寄せられ、真剣な姿勢が伺えました。他にも生徒からは「一番大変だった仕事は何か」「国際社会で活躍するために、今何を勉強しておいたら良いか」「ヒンディー語の勉強は大変だったか」「海外の人との交渉で、考え方の違いを感じたか」などの質問が出ました。田辺氏はこれらの質問に丁寧に答え、外交分野のキャリアについての示唆も提供され、有意義な講座となりました。

2.生徒の感想
・外務省では沢山の専門の仕事があり、それぞれの方が頑張ってるのを聞いて、日本のためにすごいことをしているんだなと思った。        
・そもそも外務省という機関がどのようなものなのか、ご本人がどのようなことをしているのかということが聞けてすごく有意義だったと思います。自分の将来を考えるきっかけになりました。

 

◆トピックコード 110
 「身近な衣服から考えるサステナブル社会」
日本毛織株式会社 衣料繊維事業本部 販売統括部 ユニフォーム部 スクール第2課   吉田 晶 先生

 参加生徒数14名  報告者名 髙橋 眞由美

 

1. トピック内容等
「身近な衣服から考えるサステナブル社会」と題して、三部構成でお話しいただいた。

 洋服は何で作られているか?の問いかけから始まり、布から。その布は糸から…。糸をつむぐ体験を羊の毛の塊から2人1組ペアで体験し、日本毛繊株式会社の仕組みを紹介した後、繊維の種類と特性の説明と共に、天然繊維の植物繊維の綿・天然繊維の植物繊維のウール・化学繊維の合成繊維のポリエステルの違いを実験を織り込み、生徒に体感させてくださった。それぞれの特性「素材」を知った上で衣服を選んで欲しい、衣類から行動を変えてほしい、よい物(長く着れお手入れし、またリサイクル)を選んで欲しいとの事!  

 また、ファッション産業は環境負荷が非常に大きい産業と指摘されて国際的な課題となっている。それに伴いサステナブル(持続可能)への取り組みは近年急速に拡がっている。生徒には、世界のファッション業界の現状を把握し自身の衣生活はどうか?考える良い機会であった。

 NIKKEでは、ニュージーランドの「zQ」ウールを使用して制服を作製。順天の制服も。2023から、駒場学園の生徒会と制服の再資源化を実施している。回収した制服を解体して糸に戻すなどの工程に課題がまだまだあり技術をブラッシュアップ中ではあるが、広げていきたい活動であるとのこと。

 参加の高2生徒の一人が生徒会役員で、順天でも制服のリサイクルに参加出来ないか?と相談していた。

2.生徒の感想
・羊毛、綿、アクリルの違い、羊毛の凄さを実験を通して感じることができました。自分の着ている制服がどのようにできているのかを知ることができたのも、興味深かったです。家に帰って組成表示を確認してみましたが、ほとんどが化学繊維でできていました。(毛は制服以外なかったです。)私は「必要かどうか」で服を購入する(年に1回買うか買わないか)ので、あまり大量生産・大量消費には関わっていないと思っていましたが、マイクロプラスチックの放出という環境問題を生み出していることを知りました。今後は組成表示を意識して、環境と自分に良い選択をしていきたいです。多くのことを勉強させていただきました。ありがとうございました。        
・たくさんの実験を通して、繊維について学ぶことができました。知らないこともたくさんあってこれからの衣服選びにとても役立つと思いました。また、衣服と環境のつながり、循環についても学び、意識していないところで実は私たちの生活の中で環境汚染に加担してしまっているということを知りました。これからの生活で何ができるかを考えていきたいと思いました。

◆トピックコード 111
 「社会と健康」
順天堂大学国際教養学部       教授    野田 愛 先生

 参加生徒数 6名  報告者名  島﨑有華

 
     

1. トピック内容等
(1)講義内容

 社会環境が人々の健康状態にどのような影響を与えているのか、わかりやすく解説いただいた。

 例えば、ハワイ在住日系人と日本在住日本人の比較研究のデータによると、喫煙・飲酒率は日本人の方が高かったのに対し、虚血性心疾患の罹患率はハワイ在住日系人の方が高かった。このことから、遺伝や生活習慣よりも、社会環境の方が疾病に対する影響力が高いと考えられる。

 また、世界各国では、国内総生産の値が高い国ほど平均寿命が伸びていることから、社会格差と健康格差で相関性が見られることが分かった。

 最後に野田先生より、複雑に問題が絡み合う現代社会においては、文系理系にこだわらず、どんな分野もまんべんなく学ぶことが大切であることをご教授いただいた。

(2)グループワーク

 4人1組になり、「東京都23区内において社会格差と健康格差に関係性があるかどうか、仮説を立てて相関関係を調べる」活動を行った。使用するデータはインターネットから探し出し、Excelのグラフ作成機能を用いて、散布図を作成した。そして、仮説と散布図から分かった結果をPowerPointにまとめ、グループごとに発表を行った。

(3)生徒の様子

 グループワークでは一人ひとりが役割分担しながら協力し合い、熱心に活動に取り組んでいた。終始アットホームな雰囲気で行われ、途中で疑問点があったときには積極的に野田先生に質問する様子がみられた。また、講義終了後も、野田先生へ質問や名刺交換を行う生徒がいた。

2.生徒の感想
・人々の健康には社会環境が大きく関わっていることがわかった。また、統計を見る際は性別、年齢、所得など様々な要因を注視する必要があると感じた。 
・遺伝子や生活習慣の方が健康に関係があると思っていたので、良い意味で裏切られて面白かった。

◆トピックコード 112    
 「海洋生物の毒を薬へ」
北里大学海洋生命学部 教授   高田 健太郎 先生

 参加生徒数 19名 報告者名  菅原 和彦

 

1. トピック内容等
 北里大学の入試の説明、指定校推薦入試、公募推薦入試の話しや学校のキャンパスなどの話しから始まり、海洋学部の研究内容について、具体的にはカレイに緑の光を照射して繁殖が良くなった事例の研究、錦鯉の色素に関する研究などの説明などをしていた。

 本題に入るとヒトと海洋生物(フグ)の毒の歴史について説明し、テトロドキシンの毒性の強さについて話し更にフグの毒が毒になる理由(電位依存性Na+チャネルを阻害)の説明をしていた。

 さらにウツボがクサフグを食べるという事例から、ウツボは遺伝子的に毒をブロックするような遺伝子をもつ可能性があるという説明もあった。

 また、講義のなかでテトロドキシンが鎮痛剤として開発中(まだ実際に薬として使われていないが)であり、イモガイの毒は鎮痛剤としてつかわれているとの説明があった。

 最後には海綿動物(クロイソカイメン)の毒から抗がん剤を作っていて、その毒をどんな微生物が最初に作っているのか、食物連鎖のなかでどこから始まっているのか、そんなことがわかると人間にとって良き薬が作れるとういうことに繋がるのかもしれない。

 このクロイソカイメンの毒は他の海綿動物であるウミウシも同じように持っており様々なことを研究しているようであった。

 毒の耐性、毒をどんな微生物が作っているのか、どんな毒から人の薬に生り得るのかなどの研究を行い最前線の研究を行っているトップランナーの話しを聞く良い機会であった。

2.生徒の感想
・今回は普段採らないような授業を受けてみたくて、文系志望ですが敢えて理系寄りのこの授業を受けました。毒が美容や薬に使われたりすることがあるというのは驚きました。また、フグ毒のメカニズムも詳しく、神経伝達阻害だったのは興味深く、毒にも色々な伝わり方があるということを知れて良かったです。  
・今回海の生き物について興味があり、参加しました。とても内容に興味深くて、説明がわかりやすく、とても楽しく話を聞くことができました。私が知らなかった内容ばかりで新しい情報を知る良い機会になりました。この機会がなければフグ毒などの海洋生物の毒について調べることがありませんでした。この機会を与えてくださりありがとうございました。

◆トピックコード 113    
 「楽しいお金の増やし方! ファンドマネジャーと語ろう資産運用のポイントとアイデア」
三菱UFJアセットマネジメント株式会社  チーフマネジャー兼チーム長 
 長谷川 美佳 先生
 参加生徒数 28名 報告者名  小見山太郎

 

1. トピック内容等
三菱UFJアセットマネジメント株式会社の方々を招いての講座でした。ファンドマネジャーの方も参加していただき、生徒にとってはとても貴重な時間となりました。前半は、「資産運用」に関する基本的な知識の確認をしていただきました。「投資」と「投機」の違い、「株式」「投資信託」「国債」「NISA」などの用語の簡単な説明を受けました。後半は、それをもとに、資産運用ゲームのアプリを活用しながら、資産運用の疑似体験をおこないました。「分散投資」「ポートフォリオ」「リスク」など普段なかなか考えないことも、ゲームを通して楽しく学ぶことができました。事前学習で、保護者に資産運用の有無を確認してもらっていたが、6~7割くらいのご家庭で何らかの資産運用をしているとのことでした。高校生にとっても、資産運用という概念が今まで以上に身近になってきています。正しい知識を身につけ、人生とお金に向き合うきっかけになったと思います。

2.生徒の感想
・あまり、資産運用のことなどあまり知らなかったので、ものすごく勉強になりました。自分で資産運用をやるということは、結構挑戦的なことだなと感じていたので、ゲーム形式でやってみて、少し興味を持てたなと思いました。そのため、自分でも少しずつ調べてみたりしたいです。
・資産運用は、昔から母親には勧められていたが専門的な知識が必要で手を出しにくいイメージがあった。しかし、今日の授業を通して、正しい知識を見に付けておけば資産は誰でも増やせるということがわかった。将来は今日学んだ3つのポイント(積立・長期・分散)を意識して資産を運用していきたい。また、資産運用は若いうちにコツコツとやると良いと分かったから18歳になったら少額から始めてみたい。

◆トピックコード 114    
 「翻訳とは何ですか?」
明治学院大学  准教授   ボーヴィウ・マリ=ノエル 先生

 参加生徒数 14名 報告者名  三井田真由美

 

1. トピック内容等
 初めにボーヴィウ・ マリ=ノエル先生が自己紹介をされ、「母語」がしっかりしていないと翻訳できないとお話されました。最初のワークでは、単独の言葉の訳として「パン」を挙げ、数人のグループで意見を出し合いました。日常的に使っている言葉ですが、素材や使い方だけでなく文化的な背景や歴史など、様々な角度から考えることができること改めて確認しました。

 続いて、生徒が事前課題である『古池や蛙飛びこむ水の音』の英訳を発表しました。参加した生徒が考えた英訳は、一般的な英文の語順で訳したものや俳句の語順を考慮したものなど、同じものは全くありませんでした。先生は、一つ一つの語順や、カエルが複数なのか単数なのかなど、細かい点を質問を重ねて確認していきました。さらに、どうしてその単語選択をしたのかを質問し、生徒の思考を深めていきます。英単語を選んだ理由を聞いていると、俳句の余韻もしっかり意識していることや、俳句の情景をどのようにとらえているのかなど、ひとりひとりの個性がみえてきました。さらに、自動翻訳(AI)の訳とも比較しました。

 続いて、本のタイトルについても「椿姫」を例に挙げて考えてみました。タイトルに含まれているニュアンスは、より文化的な背景などが深まることから、より難しさを感じました。

 最後に、ジャンコクトーの詩の和訳2例を比較し、どちらが自分の好みであるか意見を出し合いました。

 今までこのような形で俳句を鑑賞したことはなかったと思います。翻訳を通して、改めて日本文化について考え、それを世界に発信することの面白さ、難しさを感じました。生徒も積極的に発言することができ、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。

2.生徒の感想
・直訳は簡単だけど価値観や文化を踏まえたうえで翻訳をしようとすると、多面的な見方をして考えないといけないところが難しかったがそれが楽しかった。 日本語の語彙力をもっと増やして柔軟な役をできるようにしたいと思った。        
・翻訳するにあたってその言語にしかない意味や文化を知っておく必要があることがわかった。また、俳句を訳している時にどういうところを強調したいかなどを考えて翻訳するのが楽しかった。

◆トピックコード 115    
 「一緒に考えよう~20年後の社会、そして私」
 株式会社東和エンジニアリング 代表取締役社長  新倉 恵里子 先生

 参加生徒数 3名 報告者名    堀内 進

 

1. トピック内容等
親子2代にわたる経営者各々が苦しい体験をどのように克服してきたか。約100年間に渡る二人の人生を振り返り社会の本質を未来ある現代の方々と一緒に考えてみた。

奮闘が人々の目に映ると自然と助けになって人の輪が出来、力が自分に還ってくる。助けを受けると光が射して目標が見えてくる。仲間と目標を共有すると一気に活動の速度が増す。速度が増すと観察力が落ち失敗を招く。この失敗が人を成長させる。失敗の原因を考え作戦をまた立て動けばよい。これが成長の連鎖だ。失敗が人を組織を強くする。人も企業も社会も同様だ。

桃太郎を支えた3種の動物のようにそれぞれ人には個性がある。その個性を組み合わせて失敗を克服することもできる、実際の企業内の様子も共に確認した。

多文化共生の大切さ、
失敗は成功の元、
仲間と不可能を可能にする、
苦手意識の克服こそ成長の元、
想像しなかった自分に会いに行こう!

2050年は少子高齢化のピーク、環境問題も一緒に確認をした。
不安な未来を予測するよりそれぞれの力を伸ばそう、情熱を持って素晴らしい社会を一緒に築こうと高校生の目が輝き力が湧きだす瞬間をみた。

2.生徒の感想
・今日は働く意義ということを深く学べました。今日の授業を受けるまで、社会問題が20年後深刻化している未来だけを予想する授業をだと思っていました。しかし、新倉さんの人柄だったり、ひとつの社会に対する意見、不満、要望から新しい開発に試みる姿勢まで知ることができました。私は今回のグローバルウィークで社会のために、小さな声にも耳を傾けて働くことが出来る大人になりたいと強く感じました。
・今日のグローバルウィークは3人と少ない人数でしたが、親密に話すことが出来たので、楽しかったです。会社の中でも、いろいろなジャンルの仕事をしているのが面白いと思いました。またLGBTQなど、自分が今まで考えたことの無かったことを考えることができ、とても良かったです。今度会社に来てくださいということでしたが、ぜひ行きたいと思いました。

◆トピックコード 116    
 「【生物学/AI/医療系に興味がある人向け】大学院での研究活動の疑似体験会」
 東京科学大学 大学院、博士後期課程3年生   千葉 のどか 先生

 参加生徒数 17名 報告者名  亀田麻記子

 

1. トピック内容等
千葉のどかさんからは、理系の大学院生のリアルや、研究対象である腸内細菌叢のお話を伺いました。また、「研究ってどういうことをするのか?」を体験するワークショップの時間も作ってくださいました。

千葉さんは東京科学大学の博士課程3年生ということで、大学で研究を学ぶ大学院生であるとともに、ほぼ研究のプロフェッショナルというお立場です。ですので、大学卒業後大学院に入ったらどんなことをするのか、どんな生活を送っているのかを知りたい生徒達にとって、リアルな姿を知ることができたと思います。また、腸内細菌叢の研究者でもいらっしゃるので、研究のお話も非常に分かりやすく伝えてくださいました。ある種類の腸内細菌が白血病と関連していることや、お風呂に一緒に入ると腸内細菌叢が似てくるなど、衝撃的な、興味深いお話もお伺いできました。

「研究って何?」を考えるワークショップでは、背景・目的・方法・結果・考察・予定をストーリー仕立てで考えることの重要さを伝えてくださいました。桃太郎の話を例に、自分の推しアニメを「背景・目的・方法・結果・考察・予定」で伝える試みは非常に分かりやすく、生徒たちはフリーレンや進撃の巨人など、自分の推しアニメのことを一生懸命書いていました。千葉さんへの質問もたくさん出て、生徒たちにとって非常に良い時間を作ってくださったと感じました。ありがとうございました。

2.生徒の感想
・腸内細菌の事も面白く興味が湧いたし大学院がどんなところなのかも少ししれたので、何も知らない状態と比べて少しでも知ってる方がいいので今回の講座を受けてとても良かったです。   
・探求の活動の中で背景や目的、考察などを書かないといけないのですが書くのがとても難しく悩んでいました。今日のお話を聞いてそういう風に書けばいいのだなと思い、次やる時は実際にやってみようと思いました。また、実験が上手くいかない時も背景などがしっかりしていればいい感じの実験に聞こえるという話を聞いて、上手くいっていない時でも自分がやったことや考えたことを言葉にしていこうと思います。なかなか聞けない話を聞けて今後の探求のかてになったと思い、このセッションを受けてよかったなと思いました。

◆トピックコード 117    
 「「やさしい日本語」について考える」
文教大学国際学部      非常勤講師     川島 大輔 先生

 参加生徒数 9名 報告者名    座間 亮人

 
     

1. トピック内容等
”やさしい日本語”というタイトルということもあり、留学生・帰国生など様々な生徒が自分たちの今まであった経験や知識をお互いで共有し合い、考えを深める場になっていた。人数は10人近くで英語探求でやさしい日本語を専攻している生徒と講師の方が交互にプレゼンやアクティビティが行われており、アクティビティでは各班に分かれて活気的に活動に取り組んでいる様子であった。日本ではあたりまえのように日本語がありふれており、自分たちの言語がどういうものかについて考える機会があまりないですが、この場を踏まえて外国人から日本語(日常的に使われる会話的言語や公共施設で使われている言葉)がどういうものかまたそれに対してどう感じるのかを振り返ると改めて”日本語は日本人の為だけにあるのではない”と考えさせられた。講師の川島先生は実際に話す際にやさしい日本語を使って話していてやさしい日本語のプロのスピーキングを初めて拝見させていただいたが、やはり日本語とは全く違った言語だなと思ったのと同時に、日本語をただ簡単にしてるのではなく、相手がどう感じるのかをまず考える必要があるなと感じた。

 

◆トピックコード 118    
 「 iPhoneから学ぶ、ビジネスの考え方「ビジネスフレームワーク入門」 」
   iU 情報経営イノベーション専門職大学 専任教員     松村 太郎 先生

 参加生徒数 11名 報告者名  松村真人

 

1. トピック内容等
iPhoneからイノベーションの本質が学べる。イノベーションの本質とは、人々の行動が変わること。iPhoneの歴史を遡り、ポジショニングを学び、身近な食べ物の分野でどのお菓子がどの位置づけに存在しているかをグループで協力しながら考えた。さらに、日本で有名な「おーいお茶」はアメリカで普及しているが、「おーいお茶」を売るために伊藤園はどのような戦略を立てたのか。世の中の当たり前を疑う思考が身につけられる講義であった。生徒は現在の食品業界を分析することを楽しんでいた。

2.生徒の感想
・今までビジネスはとても難しいものだと思っていたけれど、この講義でポジショニングマップなどをやって、今の自分でもできたのでそれほど難しいものではないと思いました。この経験を忘れずに社会人になったら活用できるようにしたいです。  
・ダチョウ倶楽部の具体例を用いたフレームワークの説明がとてもわかりやすく、簡単に理解できました。また、新しい知識を多く取り込むことができ、とても有意義な時間にすることができました。ありがとうございました。

 

◆トピックコード 119    
 「今だからこそ知りたいジャーナリズムと政治」
上智大学 大学1年生   橋本 陸 先生

 参加生徒数 15名 報告者名  尾近裕明

 

 

1. トピック内容等
「ジャーナリストとは何か?」「ジャーナリズムが果たせることとは?」 を理解するために、パレスチナ問題とアメリカ大統領選について考えました。表面的な結果だけではなく、その背景を理解することによって、それぞれの問題の「難しさ」を共有できたのは、生徒の皆さんにとって有意義でした。「イスラエルはどの国に帰属するか」「アメリカで対立が起こってしまう理由」などについてグループディスカッションを行い、他者の意見にも耳を傾けながら、多角的な視点で問題を理解することができたように感じます。その上で、それぞれの問題然り、それ以外の国際的な問題についても簡単な解決が目指せない中で、私たちに何ができるのか・どう向き合えばいいのか皆で考え、共有することができました。多くの生徒は募金活動などの物質的な支援を提示していましたが、その上で橋本先生はジャーナリズムの存在意義や可能性を紹介してくれました。最後には、橋本先生が大学で研究対象としている「風刺」を取りあげ、動画を視聴しながら理解を深めることができました。「物事を善悪で捕えない」「憎悪で政治を動かしてはいけない」というメッセージはジャーナリズムの枠を超えて、日常でも心に留めておくべき考えとして生徒の心に残ったと言えます。笑いや、ジャーナリズムで社会を良くしようという橋本先生の熱意がひしひしと伝わる時間となりました。

2.生徒の感想
・今日は、政治とジャーナリズムについての知識を深めることが出来ました。この講座を受講するまではジャーナリズムという言葉についてもよく知らなかったです。パレスチナ問題とアメリカの政治といったふたつの問題を通して、ジャーナリストになって私たちにできることは何があるのかを考えることができました。何か物事を判断するときは、善悪でわけない。憎悪を原動力にしてしまうと、解決するものもしません。人間だから、こっちが悪いと思ってしまうし私も実際こっちが悪い良いと考えてしまうこともありました。また、最後に見たアニメもいいなと思いした。面白くアニメにしながら、社会の問題に触れていく、日本には無いものだなと思いました。この講座では、政治だけでなく日常生活でもこのように考えて行動する事が大切だと学びました。
・ジャーナリズムについて難しそうだなと勝手に遠ざけていた部分があったのですが、今回受講してみてジャーナリズムといっても色々な種類があると知って興味を持ちました。アメリカの思想分断やイスラエルパレスチナ問題も考えてみるほど複雑でしたが、自分の意見をしっかり持って話し合いに臨めたので良かったと思います。

◆トピックコード 120
 「国際社会における日本の貢献~「選ばれる」国へ~」
内閣官房副長官補付   内閣参事官補佐         冨田 翔 先生

 参加生徒数 23名 報告者名  池田皓

 

1. トピック内容等
1.講義内容
内閣官房で勤務されている講師の方より『国際社会における日本の貢献~「選ばれる」国へ~』というテーマで、日本が果たすべき国際的役割やその立ち位置について解説をいただきました。特にベトナムと中東における日本の経済協力と技術支援に焦点が当てられ、日本が経済支援を通じて信頼を築く重要性について話されていました。また、日本の高度な技術と知見を活用し、現地のインフラ整備や産業発展にどのように貢献しているか具体的な事例が紹介されました。さらに、講師が所属する内閣官房の取り組みやアジア全域の政治情勢についての解説もあり、普段は知り得ない政策や国際協力の現状に触れる貴重な機会となりました。外国人労働者や日越大学に関する話題も取り上げられ、生徒たちにとって身近で関心の高い内容も多く含まれていました。この講義を通じて、多くの生徒が将来への視野を広げ、新たな視点を得るきっかけとなったと感じました。

2.生徒の感想
・講義を聞いて、実際に現地に赴いて見ないと分からないことが沢山あると言うことを知った、明確な目標、したいことを見つければやりがいのある毎日を送れるということを聞いて、自分も無駄な一日を過ごさず何かなんでも良いから自分のしたいことをやってみたいと思った。今回の講義を受けてよかった。人生の先輩として、尊敬できると思った。
・普通は聞けない事情を聞くことができてとても楽しく聞くことができた。特に今まであまり印象のなかったイラクの体験談を聞いていると思っていた以上に濃い内容だった。非常に貴重な経験だと感じた。
・今後は自分たちが住んでいる日本という国だけでなく世界全体に視野を広げることが大切だということがわかった。また今後どのような方法で日本と世界中の国々と協力していくかということを考えて行きたいと思いそれを実現するためにも個人個人が日本という一つの国の中だけでなく世界中に実際に行ってみたりそこで何かをするということが大切なのだということがものすごくよくわかりました。

 

 

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