お知らせ

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グローバルウィーク・ダイジェスト2022 5日目(11/18実施分)
2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月14日(月)~11月18日(金)の1週間を通して実施しました。
今回は11月18日(金)に行われた5日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。
◆トピックコード 501
「仕事とクリエイティビティⅢ」
EYETHINK HIROB Flags 斎藤雄介 先生
I.ENOMOTO ショップマネージャー/ デザイナー 榎本郁也 先生
参加生徒数 生徒19名 報告者名 浅輪 旬
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1.トピック内容等
『どうしてその仕事を選んだのか?』
『なぜメガネの分野を選んだのか?』
『デザインの良い・悪いの基準は?』
『なぜ今の仕事を続けられているのか?』
これらは講義中に、参加者の生徒らが講師のお二方に投げかけた質問の一部です。講師の斎藤様・榎本様とのやり取りを中心とした90分間でした。
斎藤様はメガネショップのマネージャー・榎本様はメガネのデザイナーとしてご活躍されています。そんなお二方がメガネ産業に携わるようになったきっかけなどをお話いただきました。本講座はクリエイティビティをテーマにしていることもあり、美大進学などの進路について質問している生徒もいました。そんな中、榎本様からは実際にプロダクト試着の機会をいただくことができました。メガネ試着後には、クリエイティビティが話題になりました。プロダクトの制作だけがクリエイティビティを発揮する機会ではなく、日常生活や学校行事にも0⇒1を発揮するチャンスがあるということでした。創造性があると、自分自身を飽きさせないで日々過ごすことができるというお話をいただきました。
生徒からの質問だけではなく、講師のお二方からも
『みんなは将来何をやってみたい?』
『自分自身のことをクリエイティブだと思う?』
など生徒への質問も投げかけられました。
矢印が双方向に飛び交い、きっと立場を超えて、互いに学び合えた90分間になりました。
2.生徒の感想
・数ある職業の中から、圧倒的にマイナーな職業を選び、それで生活している人たちの話を聞き、お二人の考え方は、自分を含めた凡人共通点が多くみられた。斎藤さんがおっしゃった、自分が無理だと思ったら、あきらめてもいいという言葉は、今後の人生のどこか、特に社会に出てから役立つのではないかと思う。
◆トピックコード 502
「海外大学進学~海外大も進路の選択肢として考えよう!~」
トフルゼミナール カウンセラー 伏木 真那実 先生
参加生徒数 生徒16名 報告者名 吉野裕紀
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1.トピック内容等
海外大学への進学を希望するが、求められる成績が不足している場合、まずはコミュニティカレッジ(短期大学)へ進学し、そこから、希望する四年制大学へ進学することが可能である。それ以外にも、今努力すべき事柄を把握し、努力する必要がある。留学支援金などについて、チーム戦で答えるクイズ形式で、非常にわかりやすく説明して下さいました。さらに、現在留学中あるいは卒業後に、現地で就職した方など、4名の方々とオンラインでつないでいただき、留学中の楽しい出来事だけでなく、辛い出来事や、現地での生活(アルバイトなど)、寮生活などの留学生活について、色々とお話頂きました。生徒達にとって、海外大学進学が、少し身近になったのではないかと思います。
2.生徒の感想
・いろんな大学を見て楽しかったです。グループの人と、一緒に協力して、クイズを解いたことも楽しかったです。先輩とオンライン交流会をやって、海外に起こるいろんなことも知ることで、視野が広がったなって思いました。最後に先輩と話して、示唆を受けて、これからの目標に役立ったと思います。来年のグローバルウィークを楽しみにしています。
◆トピックコード 503
「未来の自分をイメージしよう: スタンフォード大学「ライフデザイン」入門」
東京家政大学 准教授 並木有希 先生
参加生徒数 12 名 報告者名 浦部航
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1.トピック内容等
自分が将来やりたいことは何ですか。この質問にすぐ答えられるのは大人でも少ないだろう。なぜ我々はこの質問に即答することができないのか。答えは明確で、それを真剣に考えた機会がないからである。本トピックの目標は、「5年後のなりたい自分」を想像することである。そのために、work,play,love,healthのうち、どれにエネルギーを注いているのかを、明らかにしていった。ワークショップを通じて、自分自身を知るきっかけになった。自分自身を知った後に、自分が将来どのようなエネルギー状態になりたいかを、ディスカッションしあった。アウトプットを行うことで自分の将来へのイメージが明確になり,質問を重ねるたびにイメージが洗練されていった。
2.生徒の感想
・これからの進む道に自信がなかったけど、自分の事を知って話して、どんなことに向いているのか、何をしているときに幸せを感じるのかを、再確認することによって、これからを、もっと前向きに考えようと、思えるようになりました。90分の授業ではなく、もっと何か月も時間をかけて、取り組みたいと思いました。
・未来の自分を構成する為に、今からやるべきことが見つかった。
◆トピックコード 504
「世界で働く選択肢:探求から アクションへ【保護者企画】」
外務省南西アジア課 課長補佐 田辺 信 先生
参加生徒数 12名 報告者名 栗原篤志
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1.トピック内容等
●外務省の仕事とは…
外務省本省の仕事として、情報収集・分析や外交政策の立案などを行う。首脳会談や外相会談なども。
・ODA(政府開発援助)の仕事
日本は、戦後、世界各国より、様々な支援を受けて発展。また、東日本大震災や、熊本地震などの災害発生時も、海外より支援を受けてきた。国際社会は相互依存の関係にあり、現在日本は、世界第3位(1991年~2000年は世界最大)の援助国である。
・大使館・日本政府代表部での仕事
軍縮会議・条約交渉担当、情報収集(政治情勢等)、経済協力(農村開発、インフラ整備支援)、文化交流等
国際関係で働くことの楽しさ
どの国に行くかわからない(これまで5か国で生活、40か国以上訪問)
様々な人との出会い(80億の人々、有能な上司、同僚 価値観は様々
いろいろな国の文化を経験(西欧、仏教文化、ヒンドゥー教、エジプト文明、アフリカの大地)
歴史の変化を直接体験(核戦争の危機、大規模災害、ウクライナ情勢)
国際経験に関与、人の役に立つ(途上国支援、津波支援、国際社会におけるルール・メイキング)
今すべきことは…・「心の底からやりたいと思うこと」を見つける⇒そのために徹底的に努力すること
・勉強(学業だけでなく、勉強の仕方、生き方なども。やればやるほど広がる世界、選択肢)
・様々なチャレンジ(知見を広める、経験値を高める)
“Where there is a will, there is a way.”
2.生徒の感想
・海外で働くということは、言語のスキルだけでなく、現地の文化や世界中の人々の価値観をも知る良い機会になることを知ったことが今日の最大の収穫です。
・自分の将来の選択肢が増えたし、普段外務省が、どの様な仕事をしているかを知れた。
・世界の事について分かった。また、世界に関わる仕事に関して、理解できて良かった。学校の授業や、大人になっても世界とは関わりがあるから、この貴重な経験を生かしていきたい。
◆トピックコード 505
「性器・生殖器のトリセツ ~男女の生殖器をきちんと理解しよう~」
聖隷浜松病院 リプロダクションセンター長 今井 伸 先生
参加生徒数 22名 報告者名 増田三華
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1.トピック内容等
性器・生殖器の発達、解剖学的な構造と機能、神経支配、異常を疑う状態における治療の必要性と緊急度など、具体的な状態を事例として医学的根拠に基づきご解説いただいた。衝動的な感情に流されず、また他者に迷惑をかけずに、礼節をわきまえて意思決定と行動をするため、臓器としての機能とリスクを理解し、自分と他者双方の心身の健康を保つ取り扱いが重要である。性的自己の確認、公教育の史実、性の多様性を含め、多角的な観点による学びが得られた。生徒は、事前課題・当日ともに主体的に取り組み、積極的に質問をしていた。
2.生徒の感想
・思春期というのが、全く恥ずかしくなく、当たり前だということ。
・性器についての知識が増え、間違った知識が正された。
・近い将来、役に立ちそうな知識を、わかりやすく伝えてくださった。
◆トピックコード 506
「食料安全保障とは何か? 〜自給率と食品価格の高騰から考える〜」
東京農業大学国際食料情報学部アグリビジネス学科 教授 内山 智裕 先生
参加生徒数 10名 報告者名 肥田規幸
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1.トピック内容等
食料安全保障とは何か(食の安全とは全く別物であること),および,日本における「食料安全保障」と、世界における「food security」の違いについてという,「食料安全保障」の定義の話から講義が始まりました。次に,日本は食料自給率が低いというのは日本人の共通認識としてある一方,食料安全保障指数は世界でも上位であるという認識のずれがあること,食料自給率を上げることだけが食料安全保障を確保する方法ではないこと,世界の穀物の輸出入の動向が近年大きく変わっていること,日本の総合商社による海外での取り組みなど,私たちが普段触れることのない情報を、ご紹介いただきました。内山先生から指名して質問したり,生徒からも質問したりと,意欲的なやりとりも見られました。
2.生徒の感想
・今の食料のインフレの状況はウクライナ戦が始まる前から既に起きていたということ、食料安全保障と食料自給率を一緒に見るべきではないということ、などが意外で勉強になった。
◆トピックコード 507
「複数形の権利/自由: 日本、フランス、イスラームにおける観念の交錯を考える」
東京農業大学生物産業学部北方圏農学科 教授 中村 隆俊 先生
参加生徒数 11名 報告者名 栗原好典
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1.トピック内容等
自然再生事業とは。
フィールドワークや、再生事業に関わった場所が、湿地の再生と、塩湿地の再生事業についての解説。①現状把握・評価 ②劣化原因の特定(対処療法では根治しない)
一つは、環境省からの依頼事業(予算も多くあったが再生場所が広く、各近隣事業者(農業・漁業)などの調整が難しく、再生事業は断念。)
二つめは、塩湿地での再生事業(地元からの要望であり、地域の方の協力のおかげで、再生事業は成功した。)
2.生徒の感想
・自然再生事業は、規模もそのときどきで違い、地元の人に協力してもらいながら行うこともある。だか、毎回成功にいたるとは限らないことがわかった。
・自然再生事業が、具体的にどういう活動をしているのかが分かりました。データの取り方など、今まで知らなかったことを知ることができて楽しかったです。
◆トピックコード508
「Is Japan a developed country?」
Kyorin University, Dean, Faculty of Foreign Studies Sakamoto Robin 先生
参加生徒数 2名 報告者名 Barney Boytim
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1. トピック内容等
In this seminar, Professor Robin Sakamoto and her assistant Suzuha Mamiya gave a thought -provoking lecture on the current state of affairs of the Japanese economy. Students were posed the question – Is Japan a developed country? One student answered yes while the other said no.
In the 1980s, Japan was recognized as a developed country during the bubble economy era. However, drastic changes in the economy have taken place since that time. Due to a lack of growth in the economy over the last few decades and the depreciation of the yen, Japan’s situation is quite different today.
Students were presented with a series of graphs showing the changes in the GDP, annual income, and prices over a 30-year period of time. In the case of the GDP per capita, Japan’s ranking was 9th in the world in 1990, however, it plummeted to 24th place in 2020. In annual income comparisons with other industrialized nations, Japan also did poorly partially due to the recent weakening of the Japanese yen. In regard to prices, they used an interesting graph showing a “Big Mac Index” comparing the price of a Big Mac in various countries. To everyone’s surprise, a Big Mac in the U.S. was double the price it is in Japan. Of course, the recent depreciation of the yen to 150 yen to the dollar plays a big role in this along with the high inflation rates in the U.S. and Europe.
In the end, a stimulating discussion took place on the merits and demerits concerning the economic and cultural values of Japan and the West by the participants and spectators of this seminar.
When students were asked – How can Japan improve its economic situation? One student stated the Japanese government is too slow in deciding its policies and needs to be more open for change. He also wants Japanese people to get more involved in the political process. The other student asserted that Japan needs to continue producing high quality products that can be sold domestically and abroad. In Professor Sakamoto’s opinion, the Japanese people are the best resources for the future of Japan.
2.生徒の感想
・思った以上に英会話ができたこと、大学は若者の考えを求めていることが、わかりました。
・日本とアメリカの会社での感覚の違いが、多いこと。
◆トピックコード509
「国際協力・貧困支援の現場で必要な力~フィリピンの実践から~」
NPOカタリバ・NPO法人Home for Hope・NPO法人メタノイア NPO職員及びNPO役員 石井丈士 先生
参加生徒数 13名 報告者名 梅沢恒郎
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1. トピック内容等
① 導入:フィリピンについて知っていることは何ですか。
生徒:バナナ・紫(ウベ)のアイス・国旗
・フィリピンの現状
海がきれい・山や棚田がきれい・マニラ高いビルがある。数字で見るフィリピンの人口は1億60万人。10年で1600万人増えている。
経済成長率 アジア24か国中(7位)失業率7%(1位)民間によると26.1%労働人口の1/4は無職。経済発展は進んでいるが、仕事がない、収入がない。
② 国際協力とは何か
CFFジャパン 児童養護施設 親と生活できない(3から18歳)「家族的つながり」「機会の創出」
一例:ある貧困家庭に生まれた子供 父親が麻薬の売買で逮捕された。3人兄弟 姉・妹 母親から虐待・ネグレクト面倒見ない。5歳の時1年間路上生活。物乞いと盗みをして生き延びた。
CFFが生み出した成果→安全安心な暮らしと教育・家族的つながり・新しい出会いと経験。課題:健全な成長・人としてのあたりまえを取り戻す。
③ 海外ボランティアプログラムとは
子供の支援と青年育成の両輪・建設やこどもの交流活動・現地の人との協働。非日常と異文化の体験・国際協力の実践。
課題:価値観の変容・再定義・将来への学び経験の蓄積 担い手の創出。ボランティア(日本の青年)→寄附者 支援の担い手。繰り返される可能性。貧困→支援→支援終了→社会の壁→貧困。これを止める具体的な将来計画を描けない・社会に出ていく自信がない・ロールモデルがない。
④ まとめ
自立支援トレーニング・進路サポート・アフターフォロー。国際協力の現場で必要な力を考える。
⑤ グループワーク:トロッコシュミレーション(トロッコが通るところに3人の労働者がいる。このままだとぶつかってしまう。横によける道があるがそこにも一人の労働者がいる。この場面であなたはどちらを選ぶか、グループで話し合い結果を出す。自分の主張をする・相手の意見も聞く・功利主義 個人の効用を義務論 自分の意志で他人を傷つけてはいけない。
⑥ グループワーク:250人のハイト村は住民の半分以上が20歳以下。 集落は広く小1~小3が学ぶ学校しかない。野菜は育てて食べる。電気水道ガスがない。 家畜を飼う自給自足せいかつ。収入は炭・竹の販売のみ。この村に2週間滞在して開発プロジェクトを実行してください。
個人 ワークシートに記入する。グループ 話し合い。
発表 A班:道の整備 物資を運べるようにする。課題:給料がもらえない・人手不足・労働時間を長くできない。
B班:道の整備・自転車のプレゼント。課題:協力しない人にはビジョンを伝える。・子供が労働できない。
C班:ロールモデルを提示してあげる。道や貯水、意識づくりをしたい。課題:意識づくりができなかった時が中途半端になる。
⑦ 実際に石井さんが実施したこと。
水のタンクづくり・道の整備・学校の補修・環境教育。結果:自治組織が生まれた。祭りイベントができた。
⑧ 結論:人を巻き込むためにビジョンが必要・イベントで巻き込む・課題は何か。現地の人との対話力・質問力・答えのない答えを見つける。行動力
生徒の様子:13名でフィリピンに興味のある生徒の集まりだったのでみんな真剣に聞いていた。グループワークでは中学生もいたが学年関係なく積極的に意見を言い合って、リーダーが自然にできよくまとめていた。
2.生徒の感想
・現地の人のためにができるかを、実際に体験することができて、とても新鮮だなと感じました。問題解決のためには、コミュニケーション力以外にも、現地の人の立場に立って、視点を変えることだと言うことを知りました。答えのない、答えを探すことは大変ですが、今回の授業を受けて、実際に現地に行き、自分の目で見て体験してみたいなと思いました。とても楽しかったです!
◆トピックコード 510
「もうすぐ大人。お金にまつわる「信用」を体験しよう」
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社新宿お客様サービスプラザ
主幹 大浦勝也 先生 主任 鈴木麻里 先生
参加生徒数20名 報告者名 小林優子
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1. トピック内容等
ローン・クレジットはどのような人が利用できるのか、ゲームなどを通して、その便利さや気をつけるべき点などを学んだ。成人年齢が18歳に引き下がったため、クレジットカードも18歳から作れるようになった。クレジットカード発行件数も2億9千枚あり、成人1人あたり2.8枚持っている計算となる。また3年以内にお金を借りたことがある人も54.7%で、住宅ローンや自動車ローンなども今後生徒達は組む可能性が非常に高い。ローン・クレジットは誰でも組める訳ではなく、返す能力や意思そして計画性がないと組むことができない。そのため、職業なども重要であることが学べた。万が一支払いが遅れると、新たにクレジットカードを作れない、ローンが組めない、ローンの金利が高くなどの可能性もある。返済方法にも一括払い、分割払い、リボルビング払いもあり、それぞれの特徴についても学んだ。他にも金融トラブルの被害にあった場合、万が一返済に困った時は、消費生活センターや日本貸金業協会、日本クレジット協会などに相談することも学べた。
借りる人、貸す人に分かれたカードゲームを行った際、貸す側全員が「収入や職業が安定していない人に貸したくない」という結論になり、生徒達は、ローンを組む上でも職業が大切であることを痛感していた。また、デビットカードを実際に持っている生徒もおり、積極的に、クレジットカードとの違いを質問していたりもした。個人的には、クレジットカードの暗証番号を、10人に1人が1234や0000などの、わかりやすい番号にしていることに驚いた。そのようなわかりやすい番号や自分の誕生日などにしていて被害にあった場合は、保証が難しくなることなども確認できた。
2.生徒の感想
・班のメンバーと意見を出し合って、ローン・クレジットのメリットとデメリットを考えました。また、ミニゲームを通して、お金を借りる際には、お金を返せる能力と、意思が必要であることが分かりました。お金を貸すときは、相手に返す経済力と、返す意志があるかどうかを考えることが、大切だということ。他にも、人生にとても役立つ講座でした、などとの意見があり、とても有意義な時間になったことが、伺えました。
◆トピックコード 511
「Metaverse時代に向けて:VRの英語教育への応用と課題」
中央大学国際情報学部 准教授 斎藤 裕紀恵 先生
参加生徒数 16名 報告者名 富樫 和之
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1. トピック内容等
Metaverseとは何か。実際にそのバーチャル空間を生徒が体験。どのように英語を使えるかをディスカッションしていた。例えば、レストランを舞台に、実際に英語を使って、現地の雰囲気や、こういう場面で、どういう英語が使えるのか学んでいった。ハイタッチなどもでき、本当にその空間で遠く離れた人が近くにいる実感があった。Metaverseを使っていくことで「そういうもの」としか思えない海外の生活、文化、建築物を、身近に感じられるのはとてもいいことだと思うし、英語の勉強へのmotivationを高めるかもしれない。ただ、Metaverseにはいい面だけでなく悪い面も存在し、そのことについてもディスカッションをしていた。どう改善し、教育現場に取り入れていくかが今後の課題となりそうだ。
2.生徒の感想
・私の探求でプログラミングをやっており、当初はARを探求のテーマにしようとしていたため、とても興味深かったです。今すごく話題になっているメタバースを体験できてとても楽しかったです。私は英語を話せるようになりたいと思っているのですが、実際に学んだことを話して生かす場や試してみる場というのがなくモヤモヤとしていました。これならゲームを通してインプットとアウトプットを同時にできるので、学校などで普及していってほしいなと思いました。
・メタバースは、不動産会社などの身近なところにまで使われるようになっているということ。英語などの教育に使うなどたくさんの利点もあるけれど、同時にまだまだ課題も残っている。メタバースと聞いて、最初はゲームとの関係が強いイメージがあったけれど、教育など自分たちに直接関わることもたくさんあると知りました。英語教育にも取り入れることで、実際に海外の人とコミュニケーションが取れるようになったり、コロナ禍でも海外の雰囲気が味わえていいと思いました。また、数学の図形問題などにも取り入れられそうだと思いました。コンピュータの操作が慣れるまで大変だったり、実際に会ってコミュニケーションをすることが減っていってしまうのかなと不安にも思いました。
◆トピックコード 512
「ウクライナ戦争と世界」
明治大学情報コミュニケーション学部 教授 鈴木 健人 先生
参加生徒数 21名 報告者名 田中公男
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1. トピック内容等
まず初めに、1949年と2018年のヨーロッパの地図を見比べ、違いを出し合った。ヨーロッパは狭いということに着目した。ベルリンからウクライナまでの距離は500kmで東京から京都までの距離に、パリからウクライナまでは1000kmで東京から山口県までの距離に相当し、ヨーロッパの人たちからすると、ウクライナの問題は、日本では国内に感じられるほど身近な問題ととらえられている、との話があった。
ここから、3つのグループに分かれ「なぜ戦争は起こるのか」について、話し合い発表した。各班からは対立、利益主義、民族、宗教、資源の取り合いなどのキーワードが出され、それらについて鈴木先生がコメントをされた。積極的に戦争をするぞという国家はあり得ず、プーチンはウクライナを取り入れてロシアを強くしたいと考えており、ウクライナはロシアとも仲良くしながら西ヨーロッパと付き合い西ヨーロッパのような暮らしをしたいと考えている。それが自分たちの国の正義であり、正義の中身が違うことから紛争が起こるとのことであった。
次に、「どのようにしたら戦争が防げるのか、国際社会を平和にするにはどうしたらいいのか」についてグループで話し合った。各グループからは、①宇宙人が攻めてくればいい、➁国をなくせばいいのでは、③世界が核を持ったらどうだろうか、といった意見が出された。①については、より大きな脅威があることで、国がまとまることがある。NATOもその一つで、ヨーロッパがより大きな単位でまとまっている。➁については、人間はアイデンティティが必要であり、例えば、EUは通貨で国がなくなっているがアイデンティティはなくならない。特にアジアは宗教もいろいろで国をなくすことは難しい。③については、アメリカの学者が提唱したこともあるが信頼されなかった。みんなが正しい判断をしてくれたらいいのだが、自分が死んでもいいと思っている人が核を持つとリスクが高い、というコメントを頂いた。
最後に「A国とB国が対立しているとき、どうやったら対立を防げるのか」について意見を出し合った。①どちらの国も平和主義の人が政権を持つ、➁両国が同じ力を持つ(バランスオブパワー)、③経済的にお互いの国を頼る関係にする、といった3つの意見が出され、今回の講義は終了した。15分程度延長したものの、みんな最後まで集中力をもって臨み意見も活発に出されるなど、ウクライナを含めた戦争についての考えを深めることのできた貴重な時間であった
2.生徒の感想
・なぜ戦争は起こるのか、どうしたら平和になるのか、という問いに対し、グループワークを行い意見交換したことで、自分には全くなかった考えを知ることができ、その考えに対する鈴木先生の意見を聞くことができてよかった。
・戦争をなくすことは不可能なことだと思っていたが、いろいろな視点から不可能ではないかもしれないと分かった。一緒に参加している人たちの知識が豊富で、勉強に対するモチベーションが上がった。
◆トピックコード 513
「「へぇ」から始まる世界史」
順天高校、高等部二年 橋本陸 先生
参加生徒数 28名 報告者名 ライアン・ジュード
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1. トピック内容等
興味深い事実、エピソードが満載の、プレゼンテーションでした。世界史は、大きく3つの時代、「黄金時代」、「えげつない時代」、「成長しない時代」に分けられました。特にエジプトとローマ文明を中心に、素晴らしい技術や文明を面白いエピソードや事例を交えて紹介されました。 その後、魔女狩り、植民地主義、奴隷制度など、衝撃的な事実が語られました。そして、3つ目の時代、ファシズムと戦争へと続きました。橋本さんのエネルギーと熱意、そしてグループディスカッションの進行により、参加者は世界史を楽しみながら学び、そこから学ぶべき他の物語に興味を持ち、人類の未来について考えるようになりました。
2.生徒の感想
・私は、あまり世界史について知らなかったので。新しい発見があるかもと思い、このトピックを選択したのですが、先生が面白く、わかりやすく世界史を教えてくださって、とても世界史に、興味を持つことができたことが、最大の収穫だと思っています。
・世界史という学問を学ぶことで、過去のえげつない過ちの歴史が繰り返されるのを防げる、という、大きな世界史の魅力や、必要性について学ぶことが出来た。
◆トピックコード 514
「免疫機能にブレーキをかける」
東京医科大学 講師 若松英 先生
参加生徒数 16名 報告者名 吉原正寛
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1. トピック内容等
事前課題は、マクロファージ・キラーT細胞・ヘルパーT細胞・B細胞・肥満細胞・樹状細胞の中から、興味のあるものを選び、良い点と悪い点を調べてくる、とうものだった。調べて内容が合致するもの同士でグループを作り、それぞれ発表することが前半であった。後半は、制御性T細胞に関する講義で、生徒は興味深く聞いており、質問されたことにも自分の言葉で答えていた。最終的な結論は、免疫細胞と制御性T細胞のバランスが大切、ということであった。
2.生徒の感想
・理系に行こうか迷いがあったが、今日の講義内容も十分理解できたし、質問までできて、理系に行く自信がついた。
・生物の授業よりも深いことを知ることができて、より生物に興味を持つことができた。
・新しい知識をたくさん知ることができて楽しかった。
◆トピックコード 515
「戦争と科学技術について」
日本科学技術ジャーナリスト会議 理事 山本 威一郎 先生
参加生徒数 13名 報告者名 土屋有加
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1. トピック内容等
科学技術は、光の遺産もあれば負の遺産もある。例えば、原子力発電は光の遺産だが、原子爆弾は負の遺産である。このように、軍事目的によって発展した科学技術は少なくない。我々が普段身につけている腕時計や携帯電話(含スマートフォン)は、戦争がなければ開発されていなかった。つまり、皮肉にも戦時中に発展した軍事目的の科学技術によって、今の生活が豊かに、便利になった部分がある。そのような戦争による科学技術の遺産について考えさせられるトピックであった。
最終的なトピックの課題は、「人間は破壊と繁栄の繰り返しで、便利なより良い社会へ進化するのか。」であった。それに対して生徒は「戦争でなくても、科学技術の発展を促進する環境が必要である。」という意見であった。果たしてそのような考えは実現するのか。実際、戦時中に科学技術が著しく発展することは、現代の製品(携帯電話など)が証明している。戦争の上に現在の便利な暮らしがあるということを、皮肉ながらも実感し、今後の平和について考えさせられるトピックであったと思われる。
2.生徒の感想
・科学技術は決して悪ではない。どう使うかが問題である。それを考えるのが僕たちの課題だと思った。
・科学技術と戦争は身近なところにあり、人類は自らの科学技術を用いて戦争をいつ始めるかわからない恐怖があること。ミサイルや核などの一瞬にして周囲が吹き飛んでしまうという恐ろしい武器も人類が所有していること。
◆トピックコード 516
「脳の不思議を科学する―身近な、“なぜ、 どうして?”を研究にする道のりを考える。」
東京薬科大学 生命科学部 准教授 森本高子 先生
参加生徒数 14名 報告者名 高橋昌伸
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1. トピック内容等
・プライミング現象の発見・Ca2+とMgーATPの役割
・アミロイド前駆体タンパク質のシナズスにおける生理的働き
・系球体:哺乳類2000個、ショウジョウバエ役52個
・生物にとっての時間について
1)興味あるものをしている時の1時間と、興味ないものをしている時の1時間の感じる時間の感覚。
2)画面上の動かない白い点と、チカチカと点滅する白い点ではどちらが長く感じるか?
2.生徒の感想
・神経伝達物質がある、と知ったこと。また、ノイズがあった方が、良くものを目でみること。
研究する時に、総説をよむと良いことがわかった。また、何がわかっていて、何がわかっていないか、明確にする事の大切さをしった。
◆トピックコード517
「ロボットと暮らす」
大阪音楽大学 / 慶應義塾大学 助教 / 後期博士課程学生 太田智美 先生
参加生徒数 14名 報告者名 三井田真由美
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1. トピック内容等
この講座のテーマは「ロボットは社会に受け入れられているのか?ロボットと暮らせる社会を創り出すことができるか。」です。
参加した生徒に「ロボットを連れている人と街やカフェ、電車、宿泊施設などで出くわしたとき」を描いてもらいました。
太田先生はペッパー君と暮らし始めて8年。家族の一員として行動を共にする様子を写真で見せていただきました。
2.生徒の感想
・今まで、ロボットは最先端で、あまり身近でないものだと思っていたが、実用的なものが開発されたり、日常生活の中に取り入れる人がいたりと、案外、私たち一般人にも、身近なものだと感じることができた。
・世の中には、ロボットが好きでロボットと生活している人がいる、ということを知った。ロボットにあまり興味がなかったが、ロボットを操って歌を歌わせたり、ダンスをさせている映像を見て、興味がわいてきた。コメント欄には否定的な意見があったが、話題提供者の方は、その意見から目をそらすのではなく、むしろ大切で一生残しておきたいとおっしゃっていた。自分は否定的な意見や、自分の写真がSNSに晒されることが怖いし、自分の好きを貫いて目立つことが苦手なので、その精神に驚いた。自分の好きを貫いて探究していく姿に感銘を受けた。
・人型ロボットは物であり者である。
◆トピックコード518
「観察の練習<リサイクルボックスで一言>」
千葉工業大学・デザイン科学科 教授 八馬 智 先生
参加生徒数 7名 報告者名 上里拓也
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1. トピック内容等
内容:「デザインとは何か」と言われると色や形などを思い浮かべるが、その定義は時代とともに変化しており、現在は、「デザイン(する)」という動詞的な使われ方をしているそうだ。実際に、過去のグッドデザイン賞を見てみると、近年の物は、「地域で子供を育てる、溜まり場としての駄菓子屋」、「身体的な障害があっても、遠隔操作で働ける分身ロボットカフェ」など、スタイルやシステム、ビジネスモデル、理念・考え方などが、デザインとして評価されていることが分かった。そして新旧の定義とらわれず、デザインに必要な能力とはなにかと考えたとき、もちろんセンスは必要だがそれは鍛えることのできる能力であり、そのためにも新しい視点を、面白いと思える観察眼(デザインマインド)、観察と思考を繰り返して、アンテナ感度を養う必要があるのだそうだ。
生徒の様子・観察:進路を含む、デザインに興味がある生徒が、数名参加していた。講義時間の半分近くが、「何気ない街の風景を観察して面白がろう(アンテナ感度を高めよう)」だったため、旧来のデザインを思い描いていた生徒には、やや見当違いだったのかもしれないが、将来の進路として、講義後熱心に質問する生徒もいた。「リサイクルボックス(を人に例えて)一言」という事前課題があり、その寸評を経て、八馬先生の取ってきた写真を観察して一言、という即興大喜利を行った。生徒にとっては観察に苦労していたようだが、私が一番楽しんでいた気がする。
2.生徒の感想
・デザインとは何か改めて考えられた。
・デザインの本質が分かり、新しい発見があった。
・物事の見方が変わった。
・将来の進路が決めるいい機会だった。