お知らせ

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グローバルウィーク・ダイジェスト2022 4日目(11/17実施分)
2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月14日(月)~11月18日(金)の1週間を通して実施しました。
今回は11月17日(木)に行われた4日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。
◆トピックコード 402
「看護技術論(フィジカルアセスメント)「身体を動かす」」
日本赤十字看護大学 准教授 細野知子 先生
参加生徒数 生徒18名 報告者名 角田進
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1.トピック内容等
今回は看護技術論(フィジカルアセスメント)の入門であり、学習目標として
①看護大学での演習をイメージすることができる。
②看護技術の一つであるフィジカルアセスメントとは何か、知ることができる。
③身体を動かすことを観察するための基礎知識を学び、観測・測定の方法を体験を通じて知ることができる。
④フィジカルアセスメントの考え方を用い、身体を動かすことに関する観察内容と日常生活動作を関係づけて考えることができる。
を立てて進行した。まずは、基礎知識を得ることから始め、「医師と看護師のフィジカルアセスメントの違い」・「徒手筋力測定法(MMT)を用いて、自らの力を発揮してその人らしく生きていけるような援助」について、グループワークを行い、学んだ知識を活かし、高校生ならではの視点で、発表をしていた。興味関心が高い生徒が多く、全員が、とても意欲的に取り組んでいた。
2.生徒の感想
・患者さんの疾患の状態によって、ナースコールの設置位置を変えたり、常に患者さんに寄り添うことができるのは、医者よりも看護師なのだと再確認しました。知識を増やせば増やすほど、患者さんの様々なことを、気に掛けることのできる看護師になれると思いました。
・人が、病気や怪我などで制限されている中での、発揮できる力を、「できないこと」で見るのではなく、「できること」で見る考え方に、すごく感銘を受けました。「できること」の力を、十分に発揮させるためのサポートが、看護師の役割なんだと理解しました。
・MMTというものがあるのを初めて知り、それを元に、ナースコールを置く位置を考えることを知りました。患者さんが持っている力を、最大限、発揮出来るようにサポートすることが、大事だと分かりました。
◆トピックコード 403
「化学物質は本当に体に 悪いのか?」
東京農業大学生命科学部 分子生命化学科 教授 冨澤 元博 先生
参加生徒数 21 名 報告者名 鹿島知周
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1.トピック内容等
生命科学という学問は、農学、理学、工学、基礎医学、薬学などの分野が融合した学問であり、今回の講義では、我々人間を取り巻く化学物質(特に「毒」や「薬」)と人間との関わり方、について説明していただいた。一般に、「化学物質」といえば、「体に悪そう」というイメージを持つ。しかし、ルネサンス初期の、スイスの医学者・錬金術師である、パラケルススが、「すべてのものは毒であり、それが毒か治療薬かは、量で決まる」と唱えた通り、化学物質が「毒」か「薬」かは、量によって決まる。人間に対して、毒だとされる化学物質は、暴露量が少なければ問題はなく、一方で薬として活用している化学物質でも、量を誤れば毒となる、ということについて、例を挙げながら、我々の安全は、どのようにして担保されているのか、についても説明してくださった。子どもたちには、教育でサイエンスリテラシーを持たせ、メディアの情報を鵜呑みにするのではなく、本質に目を向けていってほしい、とのことであった。身の回りにあふれている化学物質が、毒であるのか、無害なのか、薬として使えるのか、とふつうは考えられるが、本質的には、毒と薬は同じもので、量によって決まるということに、生徒は驚いていた。サイエンスリテラシーを高めていってほしいと思う。
2.生徒の感想
・身の回りには化学物質が常に存在し、危険なものもあれば安全なものもあり、それらとうまく共存しいかなくてはいけない。
・化学物質は、種類による害の強さよりも、少ない害のものを、多量に摂取するほうが体にとって害となり、致死量と、致死量にならない程度の差はとても小さく、加減が難しいのだと分かった。
◆トピックコード 404
「戦争体験にふれて、あなたは何を受け取る?ー沖縄戦の記憶からー」
nuchiyui 代表 綿貫 円 先生
参加生徒数 7 名 報告者名 山﨑果歩
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1.トピック内容等
内容:沖縄戦と戦争マラリアについて、当事者への聞き取りを中心に、お話をしていただいた。生徒の様子:講演の中で、集団自決を試み、その中で、生き残った人の話が紹介された。「日本軍は、沖縄の民間人に手榴弾を配って、これで死になさいと言った。しかし、自分は手榴弾を持っていなかったので、持っていた人が羨ましかった。なぜ羨ましいかって、手榴弾を持っていない人は、どうやって死ぬと思うのか。」というエピソードに、「戦争は、それほどまでに人を追い詰めるのか」「改めて戦争は怖いと思った」と、衝撃を受けた生徒が多くいた。また、生徒たちと歳が近い、撃たれて亡くなった鉄血勤皇隊の話など、衝撃を受けながらも、受け止めようとする、生徒の姿が印象的だった。
2.生徒の感想
・現地の方のお話を聞いて、沖縄戦について知識が増えた。
・教科書では知り得ない知識を得られた。
◆トピックコード 405
「SDGsと企業の社会的責任」
中央大学 教授 佐々木 隆文 先生
参加生徒数 10名 報告者名 塩谷 昇平
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1.トピック内容等
現代社会では、様々な観点から、企業とかかわりを持っている。生活にとって重要な企業は、なくなったら困る。さらに現代では、非常にグローバル化が進んでいる。と同時に、社会環境への配慮と競争力が求められている。日本の課題は、環境の配慮だけではなく、男女平等(ジェンダーギャップ)に関してもある。宗教上の理由で、大きな制限がある中東諸国と、この格差はあまり変わらない。発展途上国のコスト問題では、大企業の商品を生産している工場(取引先)では、未成年の子供たちが働かされている事件があった。企業が激しい競争に勝ちながら、かつ積極的に、社会的に責任のある行動をとることが求められている昨今で、SDGsという到達目標は、生まれた。環境への配慮・対策は、もはや政府だけが指揮を執るわけではない。これは、企業が率先して行うべき課題が詰まっている。では、SDGsを取り組むことで発生する、企業へのベネフィット(恩恵)はあるのだろうか。CSR(企業の社会的責任)は、企業にとってコストのかかるものであり、株主の利益に貢献できるものではない、という批判もあった。しかし今は、消費者にエシカル消費の傾向がある。これは利他心や、他社からの評価・体裁をみて応援しようという消費行動で、若い世代は、フェアトレードや、こういった積極的なCSR活動を行う企業に、ポジティブである。それだけでなく、企業に勤める社員や株主にも、良い影響を与えるのではないかと考えられる。 これは政府や企業だけの話ではない。一人一人が問題に向き合い、解決するための行動を、できることから始めることで、新しい社会的環境が生み出されていくのだろう。今回のトピックで生徒たちは、その一歩を踏み出してくれたのではないだろうか。
2.生徒の感想
・CSRによるメリットが分かりやすく、私も、そういった企業努力をしている会社を、応援したいと思ったので、エシカル消費が当てはまると思いました。自分でできる社会的環境の配慮を、考えていきたいです。
◆トピックコード 406
「テレビ番組の裏側 【保護者企画】」
BS朝日 編成制作局編成業務部長 杉田 仁 先生
参加生徒数 43名 報告者名 香西令菜
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1. トピック内容等
テレビ番組のスタジオ収録の様子や、テレビ局と番組制作会社の違い、番組制作の仕事内容などを解説してもらいました。後半では、生徒が事前課題で作成したテレビ番組の企画を、グループに分かれてグループ内で発表し、良い企画を一つ決めるという、模擬企画会議のようなことをしました。杉田さんの進行も、一つのテレビ番組のようにテンポよく進み、コーナーごとにタイトルコールと拍手をするなど、スタジオの雰囲気を感じられたと思います。一つのテレビ番組を作るのに、たくさんの仕事があり、大勢の人が関わっているということが、生徒にとっては新たな発見だったようです。
2.生徒の感想
・テレビの裏側を知れたことによって、多くの人が関わっていて、色んな職業の人たちがいる、ということが分かった。普段、知ることができない、テレビの裏側について知れて、テレビに興味を持つことができました。一つの短い番組にも、企画をする人、出来上がったものを確認する人、編集する人、カメラや音声の確認をする人、沢山の人が関わっているのだと知れました。今度から、テレビを見るときは、今日教わったことに注目してみたいと思いました。
◆トピックコード 407
「「リベラルアーツとして地域研究 フランス」の紹介」
中央大学法学部・特任教授 髙瀨 徹 先生
参加生徒数 14名 報告者名 尾近 裕明
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1. トピック内容等
中央大学は、「実学の探究」から「行動する知性」(Knowledge into Action)へと、変遷を経てきた大学である。中央大学附属高校では、そのビジョンを体現している、「教養総合」という科目があり、その1例の説明を、前半では共有していただいた。 前提としては、Society 5.0に突入していく現代にあって、「デジタル革新×多様な人々の想像力/創造力」で課題解決&価値創造を行なっていくことが、ますます重要になってくる。そのため、中附では、暗記型の授業から探究・体験型の授業へ、転換していったとのことである。他の学校でも、、検討に値する授業であるということが、このことからも容易に想像がつく。教養総合の授業では、グループごとに、あるテーマについて1年考え、講座によっては海外も含めた実地研修も行われる授業である。定期試験も実施される科目であり、例として挙げられた「地域研究フランス」では、童謡や自己紹介などの、言語的テストはもちろん、料理名や建物の階数についてなど、フランスならではの知識に関するテストも、実施しているそうである。このように、科目の枠を超えた学習を提供している授業について、その重要性とともに学ぶことができた。そしてその授業を、法学部の先生が説明している所以も、最後の質疑応答で理解することができた。法律には様々なものが付随しており、法学を専攻すると、全ての分野に携さわることができる。リベラルアーツ的な学びの意義を、「教養総合」並びに、法学についての先生との質疑応答で、理解することができた。
2.生徒の感想
・「大学は、人から与えられた課題をこなす場ではなく、自ら進んで行動し、課題を自主的に発見していく場であること。ただ人の話を聞くだけでは、記憶が定着せず、実際に自分が見聞きしたり、体験したりすることで、より強く記憶に残るということ。」「法学部の進路に偏見がありましたが、ほかの道があることを知り、いいと思いました」
◆トピックコード 408
「国際開発の裏側―SDGsの「矛盾」を見つめる」
明治大学 専任講師 高橋華生子 先生
参加生徒数 19名 報告者名 種村毅
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1. トピック内容等
〈内容〉タックスヘイブンを利用した「税逃れ」と、それによってもたらされる、格差拡大を話題にして、関係者それぞれの立場から、現状分析を行った。多国籍企業が、自分たちの富を最大化するために、利用している仕組み、タックスヘイブンに暮らす、豊かな市民たちの無知無関心が、「格差を助長していること、国際機関(国連やOECD)の硬直化など、ポイントがわかりやすく説明されていた。
〈観察〉中等部でも事前課題を的確にこなし、発言をし関心をもって参加している生徒がいた。一方、高1、2年生でも消極的な姿勢でいる時間が長く、グループ活動ではほとんど意見を言わないので、結局講義スタイルになってしまった場面もあった。それでも、講師は最後まで生徒に話しかけ、疑問や意見を引き出そうとしてくれた。そのおかげで、授業後半のまとめパートではそれなりに意見を言えるようになった。
2.生徒の感想
・多国籍企業が、途上国をどのような方法で搾取しているのかを学べた。アフリカ、世界的大企業、タックスヘイブンなど、今日出会ったキーワードには、これからも関心をもち続けたい。多国籍企業を監視する、国際機関が存在することを、知れてよかった。
◆トピックコード 409
「鯨から見た世界 捕鯨?保鯨? あなたはどう考える?【保護者企画】」
一般財団法人 日本鯨類研究所 資源管理部門・資源生物部門 部門長 田村 力 先生
参加生徒数 24名 報告者名 潮田真理子
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1. トピック内容等
『捕鯨について賛成か反対か』この問いを持って、クジラについて探求してみよう。鯨について教育、文化、歴史、経済、国際、生物、資源と、様々な角度から考えてみた。ミンククジラのへそってどこにある!?クジラは哺乳類であるが、へそ、耳、足はどこにあるのかを考えたり、鯨の漢字の由来について学びながら、商業捕鯨について考え、実際に、南極に調査団長として行った、田村先生のお話を聞いた。最後に、探求について考え、知識を得る事も大切だが、実際に体験することも重要である、と教えていただいた。
2.生徒の感想
・捕鯨について、賛否両論だったが、捕鯨がどのようなことかがくわしくわかり、根拠のある、捕鯨に対しての意見を言えるようになった
・物事は一つの面からではなく、様々なとらえ方があることを知り、自分が探究活動を始めるときに、様々な分野からの考えをしていきたいです。
・捕鯨に対する新たな見方、考え方を手に入れたこと。
・今回この講座に参加して、鯨についてとても深く詳しく知ることができました。初めて学ぶことがたくさんあって、驚きが止まなかったり、たくさん疑問が浮かんだ時もあって、その疑問を最終的に、田村さんに聞いて解決することもできたので、とても良かったなと思います。そして家に帰ってから、家族にも、今回学んだことを話すことができて、久しぶりに家族みんなで、楽しい話が出来たことが、今日得た最大の収穫だと思います。
◆トピックコード 410
「「ものづくりは面白い」~身近な分子の模型を組み立てよう~」
東京農業大学・農芸化学科 教授 松島 芳隆 先生
参加生徒数 15名 報告者名 和田光
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1. トピック内容等
理科が好き、理系に進みたい、ものづくりに興味がある生徒が集まり、先生の話を真剣に聞き、模型の作成を、楽しみながら取り組んでいた。スライドを見ながら、分子式や構造式を知り、それの模型を作成する流れであった。身近なものを化学式をし、作り上げた模型を周囲と見比べながら、同じ式なのに違う模型になっていて、面白さを感じていた。今知っている化学式は少ないが、大学生になると、自分なりに研究をし、新しいものの発見や取り組みができるので、すごく興味を持って活動していた。
2.生徒の感想
・興味があった生物、化学系の研究の雰囲気がわかって、より学びたいと思えたこと。
・将来進む道の選択肢が一つ増えた
◆トピックコード 411
「NIKKE Weardy ~wear×study~ 地球を救え!身近な衣服から 取り組む SDGs」
ニッケグループ 日本毛織株式会社 主席 坂本奈都子 先生、主席 田先慶多 先生、吉田晶 先生、アカツキ商事株式会社 水口資子 先生
参加生徒数 12名 報告者名 菅原和彦
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1. トピック内容等
日常生活で、衣類をどのくらい消費しているのか?どのくらい未使用の衣類を、世界中で捨てられているのか、などの現代の衣類の状況を、説明されていた。また、衣料の素材についての説明がされていて、ウール、綿、化学繊維の、良い点や悪い点について説明があった。実際にそれらを、水に付けたときにどうなるか?耐水性の強い生地は?火に燃やしたときにどのようになるのか、などの実験を行い、違いを体感した。ウールの製品はお手入れをすればキレイが長持ちするため、実際に50年間着用されていたコートを、お直しをして、子供や孫に着させるような事例があることにも触れていた。
2.生徒の感想
・サステナブル【持続可能】というのは、製品などの使用後、どのように利用するかが大事だと思っていたが、それ以前に、その製品を作る前段階から、工夫をする必要があるということがわかりました。
・繊維の機能性、価格、環境に配慮しているかなど、服を作るだけでも、たくさんのことを考慮していることを知りました。
・1番最初に話題となった、日本では1年に15億トンのゴミが捨てられている、ということを初めて知り、その多さに驚きました。また、実験やクイズを通して、ウールの機能性の良さを、体感的に知ることが出来ました。これからは、服を買う時などに、品質表示を見て、できるだけ環境に優しい服を買うように、心がけたいと思います。
◆トピックコード 412
「高校生平和大使・高校生1万人署名運動」
順天高校1年生 小方結衣 先生
参加生徒数 18名 報告者名 海老原賢宏
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1. トピック内容等
高校生平和大使・高校生1万人署名活動について、理解を深めてもらうために、メンバーの自己紹介に始まり、多くのパワーポイントや写真、読み聞かせの絵本など、様々な素材を駆使して、分かりやすく説明してくれた。とりわけ、昨今のウクライナ情勢と、ロシアの核兵器使用の可能性など、アクチュアルな話題に、生徒も関心が高かったようで、平和ということの意義、世界で唯一の被爆国である、日本が果たしうる(期待される)役割、中高生ら若い力の果たしうる可能性、などを改めて考えさせられる内容であった。どうしたら「平和」を実現できるのか、あなたの考える「平和」とは、どういったものなのかを、グループワークを通して話し合い、他者の意見を聞き、他のグループからの個性的な意見を取り入れ、自分の考えの幅が、広がるきっかけとなる経験ができていたら、幸いである。
2.生徒の感想
・今回のような活動があることを、はじめて知りました。唯一の被爆国である、日本の高校生として、できることはないか考えてみたいと思いました。
・パワーポイントや読み聞かせなど、多くの資料を用意して、興味をひくように発表してくれたみなさんに感謝です。もっともっと核兵器のこと、平和の大切さについて、みんなで議論したいと思いました。
・微力だが、無力ではない、との言葉を信じて活動する高校生大使の姿には、はっとさせられました。ウクライナ戦争を見ながら、世の中に絶望しているが、関心を持ち続けることが大事だと語ってくれ、まだまだ捨てたものじゃないと、気づかされました。
◆トピックコード413
「人はなぜ学ぶのか」
【大学1年生(順天卒業生)3人/元教授】
名古屋商科大学ビジネススクール 研究科長 横山研治 先生
参加生徒数 19名 報告者名 浅輪旬
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1. トピック内容等
『あなたにとって学びとは?』『あなたの頭の中の社会を意識できている?』『欲求と学びの関係性は?』『学習したくないと思うのはなぜだろうか?』
これらは、講義中に、講師の横山先生が投げかけた質問の一部です。講師の横山先生との対話を通じて、参加者は90分間を通して、学びについて深く考えました。学校に来て、授業を受ける日々を過ごしている生徒たちにとって、学びは当たり前のことかもしれません。しかし、横山先生の所属する、名古屋商科大学ビジネススクールには、学び続ける社会人の方が、多く在籍しています。そもそも学びとは何か。また、学校で学んでいることは、役立つか考えるなど、参加者は普段当たり前としていることを再考するきっかけとなりました。事前課題として、参加者は、マズローの5段階欲求について理解をしています。そこで講義の最中には、欲求と学びの関係性についてお話がありました。また、『学習したくない』と考えた経験がある生徒に対して、日本に住んでいるため、学習への欲求が見つかりにくいという視点は、生徒にとっても新鮮だったのではないでしょうか。最後にまとめとして、【理解する力・記憶する力・導く力】を伸ばすことができるが、intelligenceを育てるだけでなく、heartも育てる必要、というコメントをいただきました。参加者たちは、今後も学び続ける大きなヒントを得ることができました。
2.生徒の感想
・トピック自体は難しく、分かったとこと言えば、学びとは欲求を叶えるもので、欲求を叶えるためにも、学びが必要であるということだけでしたが、講師の方は今、国際教育を推進して動いている方で、様々なことをなし得た人だったので、そんな人から話が聞けた経験が、1番の収穫でした。
◆トピックコード 414
「新しい医薬品の開発と製剤化技術」
東京薬科大学 薬学部 教授 石原比呂之 先生
参加生徒数 生徒22名 報告者名 富樫和之
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1.トピック内容等
日頃飲んでいる薬がどのように作られ、1つ作るのにいくらかかり、どのぐらいの期間を要しているのかについて、主に話してくださりました。薬は、まず作る人と、評価する人がいて、2000個の薬を作り、評価する人がその中方1個選び、3段階の臨床試験を行う。そして初めて薬になる。これだけのことをするのに、大体10から15年かかっていて、費用も何百億とかかっている。ほかにもSMA(骨髄性筋萎縮)を例にした創薬の話、他国との比較(費用面など)、先発医薬品、後発医薬品の違いなど、あらゆるお話をしてくださった。生徒もとても興味深そうに、話を聞いていました。
薬学部に行きたいという生徒も数名いて、授業後も薬学部のことについて、質問がしている生徒も見受けられた。とても勉強になったと答える生徒も多い。なによりも薬一つにかかる金額と歳月に、驚く生徒が多かったようだ。
2.生徒の感想
・普段、何気なく飲んでいる薬だけど、体の中でどんなことが起こっているか、は以前から、少し気になっていたので、この機会で、詳しいお話を聞けて、とても楽しかったです。新しい薬の開発のために、そんなに長い時間をかけて作られていると知り、とても驚きました。ペプチド性医薬品のDDS製剤のお話が、個人的には、とても興味深かったです。
・新しい薬を作る上で、吸収性が高いというのを、重視することを知れたこと。後発医薬品が安いのは、臨床試験が不必要な場合があるからだ、とわかったこと。また、分子や遺伝子、細胞で治すこと。研究には、沢山の時間がかかり、費用がかかること。特許を早く取るために、研究内容を公表していないのを、初めて知った。だから、もし自分の知りたい分野や、やりたい研究がある場合は、公式な論文やホームページから探すのが良い、ことがわかった。
◆トピックコード 415
「社会調査入門 ー「社会」の姿をとらえよう!ー」
東北文化学園大学 山﨑真帆 先生
参加生徒数 生徒5名 報告者名 和田玲
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1.トピック内容等
物事の捉え方は人によって千差万別。ゆえに、ある物事の真実を追求する営みは、「多様な人々が生きやすい、社会を作り出すことにつながる」、と山﨑先生は語ります。世の中の「当たり前」を疑う問いが、社会学の出発点です。そんな社会の、複雑な姿を可視化するための手段として、「社会学調査」というものが存在します。調査方法には、質問紙法による量的調査(数値化できる調査)と、インタビュー、フィールドワーク、参与観察といった質的調査(数値化できない調査)、の2種類があり、目的に応じて適切な方法を選択しなければなりません。調査結果には、妥当性に欠けるものが、少なくないからです。例えば、「オタク」の生活調査をするとしたら、まずどのような人をオタクと分類するでしょうか。定義の仕方によって、調査対象も調査結果も変わります。情報氾濫時代に生きる我々には、データを正確に読み取る能力も、欠かせません。社会学調査の方法論は、我々に物事を多角的に捉え、より正確に、情報を認識するための知性をもたらしてくれます。そこで、山崎先生は、あえて隔たったデータを含めた、架空の調査結果を提示し、生徒たちに疑わしい点を指摘するよう、求めました。こうした議論を通じて、社会の見方と、多くの気づきをもたらす、社会学の魅力に触れることができました。
2.生徒の感想
・普段テレビを見るときなど、アンケート結果などを、そのまま鵜吞みにしていましたが、これからは、少し調査の方法や、質問項目の妥当性などについて、考えてみたいなと思いました。
・調査の方法にも、いろんなやり方と、適切な用い方があるんだな、ということに気付けました。調査対象の定義などが曖昧だと、本当に調べたい事柄の真実を掴めなくなってしまうんだな、ということを知ることができました。
・戦争はなぜ起こってしまうのか、という問いに挑んでみたい、と思っているのですが、切り口として、どのような学び方、どのような調査方法が可能なのかを、考えてみたいと思いました。
◆トピックコード 416
「なぜクマと人との軋轢が増え続けているのだろうか」
東京農業大学地域環境 科学部森林総合科学科教授 山﨑 晃司 先生
参加生徒数 生徒14名 報告者名 栗原好典
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1.トピック内容等
最初に、クマに対してのイメージを確認された。その後、日本に住んでいるクマの種類(2種類)の、生態の説明。また、ツキノワグマの頭骨を、実際に触れながら、食べ物や歯の特徴など解説。
人とのクマの距離が近くなっているために、牧草地や畑などに出没し、被害が出ている。
日本はクマの繁殖は諸外国に比べ安定的である。
今後は、保護管理ユニットを設定し、常に観測、変更を繰り返すことが必要。
最近なぜ、クマと人との軋轢が生まれたのか
2.生徒の感想
・ツキノワグマは、思ったより大きくなくて、大人のクマが、大人の人と同じくらいなことにびっくりしました。頭蓋骨を触らせて頂き、思ったより小さいし、牙があんまりないことにも、ビックリしました。くまのイメージと違って新鮮でした。
・クマと人の軋轢が増えていくなか、ツキノワグマの頭数が増えている。それは食料が不足しているだけでなく、日本の人口が少なくなっていることも関係していることが分かった。
◆トピックコード 417
「ブルガリアで触れた異文化」
中央大学理工学部ビジネスデータサイエンス学科 大学2年生(順天卒業生) 渡邉葵 先生
関西大学システム理工学部数学科 2年 谷葉子 先生
参加生徒数 生徒12名 報告者名 川口純
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1.トピック内容等
本校卒業生のお二人(大学2年生)から、今夏に訪れた、ブルガリア旅行記の発表がなされました。ブルガリアの位置や文字、言語についての紹介や、歴史の紹介も行われました。ブルガリア国内でも、地域によってさまざまな違いがあることや、誕生日を祝う習慣が、日本とは大きく異なることなど、「異文化」を体験することができました。現地で実際にかかった費用や、おすすめの観光地やお土産も紹介され、ぜひブルガリアを訪れてみたいと思いました。
2.生徒の感想
・ブルガリアは、自然に溢れていて、英語も話せる人が多く、優しい人が多い印象を受けた。
・海外に行くことの楽しさ、大変さ、得られるものを知れた。
◆トピックコード 418
「免疫細胞によるがん排除計画」
NPO法人日本言語学オリンピック委員会 理事、一般社団法人日本天文学オリンピック委員会 代表理事 岡本沙紀 先生
参加生徒数 生徒21名 報告者名 小寺博明
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1.トピック内容等
<内容>自分のやりたいことに向けて、ひとまず自分で動き、それに関わるところへ突撃してみることの大切さや、人と出会い、関わっていくことの良さを、日本天文学オリンピック委員会が、成り立つ過程をもとに話していただきました。また、実際に生徒各々が、自分が興味を持つことについて、大会などが無いかを調べ、あれば実施状況やエントリー方法、期間など、具体的に調べ上げていく作業をし、実際に一歩進めてみることの、実体験をする時間となりました。そういう大会の、主催の人や団体に直接連絡を取ることで、興味を持っている人がいることの証にもなり、話が次へと進んでいくこともある、という学びがありました。
<生徒の様子>自分で興味があることに関わる大会を探す場面では、岡本さんが作成したフローチャートを参考にしながら積極的に検索を進めていました。岡本さんの学び方や自分の好きなことへ向かう姿勢に強い関心を持っていたようで、終了後も質問が絶えない状態でした。
2.生徒の感想
・挑戦してみること、実際に動いてみることの大切さを、学びました。特に、岡本さんの、積極的に動いていく姿には、感銘を受けました。
・研究のテーマが、なかなか思いつかなくて悩んでいたのですが、岡本さんが自分の興味のあることを、何でもいいから検索して、そのコンテストを、大学で役立てれるように探してみよう、とやり方を細かく教えてくださり、自分の興味のあるものは、改めて何なのかを、探して考える機会ができたので、よかったと思いました。また、岡本さんは、好きなことにとことんチャレンジして、行動力があって、その強い精神に感心しました。