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グローバルウィーク・ダイジェスト2022 3日目(11/16実施分)
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2023/01/12

グローバルウィーク・ダイジェスト2022 3日目(11/16実施分)

2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月14日(月)~11月18日(金)の1週間を通して実施しました。

今回は11月16日(水)に行われた3日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。

◆トピックコード 301
「持続可能な発展に役立つ国際協力とは?」
 昭和女子大学国際学部国際学科、准教授 米倉雪子 先生 
 参加生徒数  生徒10名 報告者名 藤井健太 

 

1.トピック内容等
カンボジア農村部における、援助活動の実例を通じて、持続可能な援助とは何か、を知るトピックであった。カンボジアは、歴史的な背景により、識字率はいまだに低い状況にあり、大学まで進学することはまれである。GDPは向上してきているが、主要な産業である、農業に従事する人々の収入は低く、貧困率も高い。農作物の収穫率を高め、商品としての価値の高い作物の育成方法を伝えて、人材を育成するだけではなく、インフラの整備、販路の指導など多角的な援助が持続可能な成長に不可欠であることが示された。

2.生徒の感想
・ただの支援ではなく現地の人が続けられるもの、を支援するのが大事。
・カンボジアに行ってみたいな、と思いました。実際に現地に行った人の話を聞くと、カンボジアの知らないことをたくさん学べて、例えばカンボジアは、熱帯気候をいかしたトロピカルな果物が豊富で、パパイヤやドラゴンフルーツ、そしてドリアンなどが多く、木から取れることが、パワポの写真から分かりました。また、カンボジアは、水が住居内で37%しか入手できなくても、その代わりに、赤い実のカシューのナッツで、喉を潤すことができると知りました。

◆トピックコード 302
「結婚と健康について」
 学習院大学 准教授 玉置えみ 先生 
 参加生徒数  生徒13名 報告者名 塩谷 昇平 

 

1.トピック内容等
このトピックでは事前課題として、①結婚をしたいか?②結婚後も働きたいか?という質問が投げられた。多くの生徒は結婚をしたいと答えたが、結婚後に働きたいか、という問いでは、男女の意見が分かれた。男性側では、全員が結婚後も働き続けるという答えに対して、女性側数人は、働かないという選択をした。その理由について、「家の管理をしたい」や「男性側が十分な所得を得ているなら、自分が働く必要がないのではないか」、といった意見があった。玉置先生は、「こういった結婚に対する考え方や、仕事の在り方の変化について、専業主婦など、近代化による仕事の在り方、女性の方が子育てに向いている、というような風潮が、そういった傾向に変化をもたらしていると話した。このように、結婚を恋愛のような個人の考え・気持ちではなく、どのように社会が変化していくかで、結婚の形というのが変化していく。そしてその時代ごとのパターンを統計・分析し、データとして捉えて、考察していくのが今回のトピックであった。マリッジベネフィット(結婚の恩恵)が、男女別にどのような効果をもたらしているのか、感情論の一切ない結婚の考察は、現代の若者にとって新しい結婚、そして健康の在り方につながるのではないだろうか。

2.生徒の感想
・データ分析に基づいた、男女の結婚に関する考え方の相違が、面白かったです。結婚する前は健康だったのか、それとも不健康だったのか、結婚前後の相関についても知りたいと思いました。
・日本男性にとっては、結婚は健康に強く関わりがあるわけではなく、どちらかというと、仕事をしているかどうか、が、健康に関わっているということ。日本女性は、統計的には、結婚していた方が、精神的にも肉体的にも健康であり、働きながら子供を育てるよりも、働かず子供を育てる方が、健康であるということを知れたこと。最後のまとめで先生がおっしゃっていた、「日本女性にとって、結婚と出産は強く結びついている」というのは、私自身も結婚したい理由が、「子供が欲しいから」なので、とても共感できた。感覚的な話ではなくデータから傾向をみることで、自分の考え方を客観的に見ることができた。

◆トピックコード 303
「韓国の食文化」
 日本大学三軒茶屋キャンパス 准教授 田昌禾 先生

 参加生徒数 28 名 報告者名 神林 絹枝

 

1.トピック内容等
先生の自己紹介に始まり、韓国と日本の文化の違いからくる、食事マナーの違いなどのお話がありました。今まで、ドラマなどを見て疑問だったところも、すっきりしました。その後、ビビンバとチジミを実際に作って食べました。しかし、生徒達は日本風にアレンジされた厚く焼くチジミしか、食べたことがないと思われるので、先生のおっしゃている薄く焼くということがイメージできなかったようです。近いし、容姿は似ていますが、違うところがたくさんあるのだな、と改めて認識しました。とても楽しく参加させていただきました。

2.生徒の感想
・日本と韓国の食事のマナーの差が細かく分かった。
・日本と韓国は近い距離にあるけれど食事のマナーの差は大きいと改めて理解出来た。
・韓国での食事中のマナーや礼儀などが、相手が上の人であるか親しい友達であるかによって変わるということ。また、日本とは箸などの食器の置き方が違うことも学んだ。
・韓国の食文化は日本と違い、お茶碗を持たずに食べたり、白米をスプーンで食べることに驚きました。

◆トピックコード 304
「あなたもできる「セルフコーチング」」
 順天中学高等学校教諭 川本真一 先生

 参加生徒数 18 名 報告者名 尾近裕明

 

1.トピック内容等
『最も大切なことは最も大切なことを最も大切にすることである』

最も大切なこと=自分の感情(価値観)に向き合う必要が私たちにはある。しかし、自分の感情は掴みづらいものであり、意識して価値観に迫る必要が出てくる。その手段としての、セルフコーチングについてのワークショップであった。「聞く」「聴く」「訊く」の3つの「キク」を活用し、自らに問いを投げかけながら、自らがどう感じているのか、に思いを馳せる営みであることを、実際に問いを投げかけたり、作りながら体験することができた。 時代が変化するとともに、求められる答えは変わっていくが、「問い」は変わらない。だからこそ、いい問いは自分の中にストックしておくとともに、意識して問いを重ねていくことが重要である。そして、その積み重ねによって、人生の目的が生まれていくのである。

2.生徒の感想
・今日は、毎朝何か、自問自答してから起きると、何を何のためにするのかが考えられる、ということを教わった。習慣化して、今までと何が違うのか、考えたい。
・セルフコーチングとは何かを学ぶことが出来、自問自答することによって、自分がなりたい自分像に近づくことが出来る方法を知れた。初めは、セルフコーチングという言葉も初めて聞いて、どんなものかよく分からないまま参加しましたが、90分という短い時間の中でも、自分を見つめ直すための方法を知り、質問を考えるなどの実践も出来て、充実した時間を過ごせました。初めましての人とのグループワークは、とても緊張しましたが、自己紹介した時より、楽しく会話ができたと思います。とても楽しいトピックでした!

◆トピックコード 305
「東証×東商プレゼンツ~渋沢目線で社会課題を解決しよう~」
 東京証券取引所 斎藤史貴 先生

 東京商工会議所 越野充博 先生
 参加生徒数 12名   報告者名 吉原正寛 

 

1.トピック内容等
前半と後半に分かれており、前半は、東京証券取引所の斎藤講師の指導の下、4グループに分かれ、それぞれのグループが与えられた12テーマの中から一つを選び、そのテーマに沿ったビジネスを構築し、プレゼンするという内容であった。準備時間は、30分の設定であったが、それぞれのグループが、独創的で魅力ある発表をしていた。具体的に実現できそうなビジネスモデルもあった。後半は、東京商工会議所北支部の会長である越野講師による、渋沢栄一の偉業と、日本経済への影響についての講義であった。道徳と経済を結び付けた渋沢の考えを、わかりやすく、また、経営者目線で分かりやすく解説して頂き、生徒も関心を持って真剣に聴講していた。

2.生徒の感想
・欲張れ! 一つの事に囚われないこと。
・実際にビジネスモデルを作ることの意義や楽しさを知れた・起業に関する興味がわいた
・計画立案の難しさを学べたこと。相手を納得させ、出資してもいいと思わせるようなプランを考えることはとても難しいと思った。

◆トピックコード 306
「Sustainable Healthy Diet とは?」
 東京農業大学農学 部デザイン農学科 教授 松田 浩敬 先生

 参加生徒数 13名 報告者名 Chang Tekka

 

1.トピックの内容等
このプレゼンテーションはワークショップ形式であり、班で「理想の農業・食材生産と消費」を定義し、各班で発表を行った。そこに加えて、先生の現状に関しての発表を聞き、再度「理想の農業・食材生産と消費」に関して、ディスカッションをした。松田先生が研究をなさった発展途上国では、実はわれらが学べるSustainable Lifestyleもあることを学べ、日本では何をできるか検討した。

  1.  

2.生徒の感想
・持続可能と一言で言っても、誰にとって持続可能なのかが大切で、その持続可能の対象にならない人にとっては、価値観の押し付けになっているかもしれないということ。
・国によって消費する食が全く違う。どの国も偏った消費の仕方をしていてバランスが取れた国がないと言ってもいいほど。
・初めて、ベトナムを中心とした、国際交流のあり方が学べて、とても良かった。

◆トピックコード 307
「教育のデジタル化が目指す 未来の学びとは」
 文部科学省 大臣官房審議官 安彦広斉 先生

 参加生徒数 29名 報告者名 浦部航

 

1. トピック内容等
「未来の学びとは。」この問いに対する安彦氏の答えは、「個別最適な学び」、「協働的な学び」であった。現状の日本の教育の強みとしてTIMSSやPISA等の学力調査での数学的思考力や科学リテラシーなど様々あるが、それらを更に向上させること以上に、日本の教育の弱点を克服するための手段としてICT活用の促進がなされるべき、と安彦氏は仰った。生徒の弱点としては「自己肯定感の欠如」、教員の弱点としては「教員の質の確保」が主たる弱点として挙げられていた。その双方が「個別最適な学び」、「協働的な学び」の実現により改善に向かうことができるとのことであった。具体的には、ICT活用が推進され、学習手段の選択肢が増えることになり、「学びのあり方・学び方についての学び」が生徒に享受されること、授業準備やその他の業務の効率化にとり、動機付け・自身付け・学習の価値の啓発に教員がより多くの時間を割くことができることが、「個別最適な学び」、「協働的な学び」によって可能であるとのことである。安彦氏のプレゼンの後には自分なりにノートにまとめているもの、積極的に安彦氏に話を伺うなど実り多い時間となったことを実感することができた。

2.生徒の感想
・日本の学びの現状と、目指すべき学び方、それに向けての課題を、理解することができた。全国で、たくさんの試験的取り組みが、積極的に行われている実態を知り、自分も自己研鑽に励みたいと、思うことができた。
・教育のデジタル化が進むと、教師が必要なくなるという問題が発生する、と思っていたが、そうではなく、教師には、その学校の雰囲気に合わせた空間をつくる、という役割があり、必要不可欠であるということを知りました。

◆トピックコード 308
 「幕末維新の福田理軒先生の足跡」
 学校法人順天学園 理事長 渡辺孝藏 先生

 参加生徒数 5名  報告者名 海老原賢宏

 

1. トピック内容等
生徒達一人一人が、理軒館に飾られている算額などの展示を見て、浮かんだ質問等を自由に述べた。それに対して理事長先生が丁寧に答え、表題の暦についてはもちろん、順天の歴史や校舎の変遷などについても理解を深めることができた。英語教育に力を入れていく過程やアポロ月面着陸の同時通訳であった國弘正雄氏と順天との関わりやエピソードなど、生徒達にとっては意外ともとれる話が聞かれたようで、笑顔のこぼれる対話となった。生徒達は、順天創立時に福田理軒先生が18歳であったこと、若くして志をもったことに対して驚いたしすごいと思ったなどの声が聞かれた。また、明治政府から高給をもって迎えられたことから、優秀な人だったのではないかとの意見もあがった。

2.生徒の感想
・順天の創立者の福田理軒先生が、日本の暦の変更(改暦)に関わっていたことが意外だった。
・理軒館の創設の経緯がよく分かった。
・順天で力を入れている、英語の重要性を再確認できた。若くして、世のため人のために努力しようとした理軒先生のように、自分も努力できる人間になりたいと思った。

◆トピックコード 309    
「世界の「食」をのぞいてみよう」
 女子栄養大学 准教授 衞藤 久美 先生 
 参加生徒数 17名  報告者名 芳村桜子

 

1. トピック内容等
世界各国の食文化をはじめ、食習慣などにも触れつつ、日本の食料自給率や、必要栄養素について考えた。事前学習として提示されていた、自分が食べた数日分の朝食メニューを元に、主食・主菜・副菜・その他に分類し、自分の朝食はバランスがよいかどうかを知った。生徒たちは、普段何気なく食べている食物から、栄養の偏りを知ることとなり、興味深げに取り組んでいた。生活改善を決心する生徒も見受けられ、楽しく学べる講座であったように感じられる。

2.生徒の感想
・私の朝ごはんは主食ばかりだと、前から薄々思っていたのですが、今日先生が、食事のバランスの話の際に、1日を通してバランスよく食べれていたら大丈夫、できるなら主食と2品、とおっしゃっていたので、どのくらい食べるべきなのか、わかってよかったなと思います。
・世界には、様々な食文化があり、たくさんのことを学ぶことができた。
また日々のご飯を見直すいい機会になった。

◆トピックコード 310
 「鉄道開業150周年を迎えて(鉄道の話いろいろ)」
 JR東日本首都圏本部 王子駅駅長 中澤 一浩 先生

 参加生徒数 11名  報告者名 上里拓也

 

1. トピック内容等
①自己紹介と経歴:参加生徒全員が自己紹介(氏名、なぜこの講座に参加しようと思ったのか、鉄道に関する気になること)をしてから、中澤さんの経歴紹介。
②順天学園と鉄道:福田理軒と日本の鉄道黎明期の関係。
③JR東日本について:コロナで赤字、旅客輸送以外で稼ぐ企業へ。
④王子駅概要と設備:線路の上の歩道橋も管轄。
⑤駅の仕事24時:駅員は24時間勤務。夜の仕事と朝の仕事。
⑥駅の仕事番外編:装飾、イベントも企画して稼ぐ。
⑦乗車人員ランキング:都心駅ほどコロナで減少。
⑧鉄道の歴史:150年の歴史。
⑨王子駅の歴史:来年が140周年。
⑩鉄道の話いろいろ:王子は新幹線・在来線・路面電車(ついでに地下鉄も)が重なる駅。
⑪トランスイート四季島:こんなルートで走っています。

生徒の様子・観察:自己紹介の時点で鉄道熱に溢れる生徒もいれば、興味がないからこそ広げようと参加した生徒もおり、平均すると普通の順天生。どうやら中澤さん自身がかつては鉄道ファンだった様子が伺えたので、想定していた熱量よりは低かったのでは。一言にJR職員といっても様々な職種があり、中澤さんは対人的な職種を中心にキャリアを重ねた模様。おそらく運転手を中心にとらえる生徒には新しい知見だったのではないだろうか。それゆえに王子駅の地域コミュニティの中核としての役割がよく分かる内容だった。トークの技術が高く、面白い話をボリュームたっぷりに語ってもらったため時間超過。

2.生徒の感想
・ウクライナ問題が、ホームドア製造に影響を与えていることに驚いた。
・受験生の応援や展示など、今まで知らなかった王子駅のことを知れた。
・2ショット写真を撮ってもらえた。 普段の感謝が伝えられてよかった。
・話が面白く、熱意と鉄道愛が感じられた。

◆トピックコード 311
 「(海外ボランティア)途上国の児童養護施設で暮らす子どもたちと出会って」
 認定NPO法人  CFFジャパン 内海研治 先生

 参加生徒数 12名  報告者名 レプシャー・ニコラス

 

1. トピック内容等
この講義は 2 部構成でした。前半はフィリピンについて。後半はミャンマーについてでした。第1部が始まる前に、講師は、参加した学生たちに夢を語ってもらいました。 「医者になりたい」「医療の仕事をしたい」、という回答が多かった。一方、フィリピンのゴミ捨て場を覗く少女たちの夢は「明日ゴミが増えること」。次にミャンマーについて、生徒たちは、そこでの民主化運動の闘いについて学びました。生徒たちは、国の抑圧的な法律 (5 人以上の集会は禁止) の厳しさと、国軍が平和的なデモを、暴力的に解散させていることを示す、講師が共有したビデオに驚いていました。講師の締めくくりの言葉は、次のとおりです。「8年後を作るのは、誰かじゃなくて私たち。」参加者の中には、その言葉がきっと響いたでしょう。

2.生徒の感想
・なんとなく、途上国の子供達が、貧しく生活していることは知っていたけど、実際動画で見てみると、その深刻さを感じました。また、フィリピンとミャンマーのイメージも深まりました。
・今回のトピックに参加した理由は、途上国の子供たちの暮らしや生活、また、海外ボランティアに興味があったからです。実際参加してみて、自分が、想像以上の過酷な生活を送っている子供たちの様子を知って、そういう問題を、解決していかなければならないんだと、とても思いました。

 

◆トピックコード 312    
 「渋沢栄一と東京北郊地域」
 渋沢栄一記念財団 渋沢史料館 顧問
井上潤 先生
 参加生徒数 2名 報告者名    髙橋眞由美

 

1. トピック内容等
最初の30分は、井上顧問が、渋沢栄一の生い立ち等、92歳で亡くなるまでの人生をかいつまんだ、「ミニ講義」をしてくださった。その後、事前課題4つの中から一つを選び、パワーポイント形式でまとめる時間を与えていただき、1人ずつ発表した。

①渋沢栄一と王子製紙②渋沢栄一と養育院③渋沢栄一と徳川慶喜の交流④渋沢栄一と飛鳥山邸の民間外交

高1 堀越君 は①渋沢栄一と王子製紙、中3 河野さん は③渋沢栄一と徳川慶喜の交流 をまとめ、発表して、それぞれに井上顧問よりご講評いただいた。短時間に、それぞれの視点からのまとめと発表に、お褒めの言葉をいただいた。渋沢栄一ゆかりの地である、王子の生徒としてこれからも、もっと興味を持ち、調べたり実地したりして欲しいと伝えた。
 
2.生徒の感想
・渋沢栄一を通して、王子の製紙というものの歴史を知れた。特に、うまくいかなかった時の、打開策を学べたことが大きかった。、地検やGHQなどの、歴史で習うようなものが、たびたび関わってきていて、繋がりなんかも知れてよかった。

◆トピックコード 313
 「SDGsをめぐる日本と世界の水問題を 考えよう」
 北里大学医療衛生学部保健衛生学科 教授 
清和成 先生
 参加生徒数 10名 報告者名  金子哲也

 

1. トピック内容等
日本と世界の水問題を、SDGsに絡めてお話をしていただいた。まずは、水をめぐる問題として、現在、世界や日本で使用されている、水の量についての説明があり、自分たちがいかに多くの水を毎日使用しているか、ということに気づかされると同時に、人間の食を支える農業に、いかに多くの水が使用されているか、ということについて理解することができた。次に、世界中の水の質に関しての説明があり、衛生的な水資源の確保への課題や、不衛生な水がもたらす健康被害を、改善していくための取り組みが紹介された。

講義形式ではあったが、ワークシートには、書き込み用の空欄があり、講師の先生からの質問の投げかけに、生徒が反応し、それに対して先生が回答し、さらに深い説明をしていく、というコミュニカティブな形でのワークショップであり、90分があっという間に過ぎた濃い内容のプログラムであった。

2.生徒の感想
・綺麗な水の確保だけでなく、今後も増え続ける人口に対し、汚水処理をどうしていったらいいのか、考えなくてはならないと思った。
・今回のお話で、日本に住んでる自分が、いかに水に恵まれているか、ということを、再認識できた。

◆トピックコード314
 「日本人の数感覚」福田理軒から現代の計算処理能力へ」
 日本そろばん資料館理事 
谷賢治 先生
 参加生徒数 10名 報告者名  小松龍矢

 

1. トピック内容等
話者は、そろばんの指導を、日本の小学生だけではなく、インドネシアなどの外国でも指導しており、また、日本数学教育学会などでもご活躍されて、いろんな視点や経験がある谷先生でした、このコンピューター時代に、なぜそろばんをまだ学ぶのか…というところに、数の構成の視点などから考えてみた。そもそも、そろばんの起源は、定まっているわけではないが、数自体は日本であろうが、インドであろうが、中国であろうが、存在はしている。ただ、数え方もそれぞれ異なっていて、それは表す記法もことなる。我々が通常使っているアラビア数字は、0~9の10種類の文字を使うことで、何桁でも表現することが可能であるが、日本古来にある漢数字だ、と桁数があがることに、新しい漢字を割り当てなければならない。(例えば十や百といった新しい漢字)日本では、ある意味、この新しい漢字をあてることで、九九の発展をさせることができた。

例えば,百×百の単位であれば、万を作ることができる。これを仮に「ひゃくかけるひゃくはまん」と覚えていれば、二百×三百は、二×三と百×百とわけて、六万と計算ができる。これは、アラビア数字だと、0の個数を数えなければならない、という不便さがある(200×300=60000から0の個数を数えて6万に変換する)。そういった意味も含めて、日本の算数は概数・概算に便利、と思えるのかもしれません。

最後に、一見無意味に思える足し算や引き算も、意味を持てるようなことがたまにあるということに、算数の愉しみがあるのではないかと思います。

例えば、4から29までの自然数をすべて足すことを、4~29と書くとすると、4~29=429となります。ほかにも1~5=15や、2~7=27や、18~63=1863、35~91=3591、33~88=3388がある。では、これはいつも成り立つのか?と言えば、すぐに反例(成り立たない例)があるわけで
20~21=2021…とはならない。たまたま成り立つものを、ふとしたときに見つけるというのも、そろばんの愉しみかもしれません。

2.生徒の感想
・今回のトピックは、私のテーマと合致するため、そんなトピックに出会えたことだけで、収穫です。
・小学校にやったことが少し思い出されて、聞いてて楽しかったです。笑える場面もあり、本当に楽しかった。

◆トピックコード 315
 「銭形警部は「ルパン三世」を逮捕できるのか?―国際法から視る国際関係―」
 東京女子大学国際社会学科国際関係専攻 准教授 根本和幸 先生
 参加生徒数 35名 報告者名    大河原 崇

 

1. トピック内容等
「銭形警部はルパン三世を逮捕できるのか」を基軸に、さまざまな身近な具体例から、国家主権の問題と、それに伴う国際法の適用について考える講義だった。例が身近なものではあるが、面と向かって問われると、確信をもって答えることの難しい問いを前に、生徒たちはこうかなぁ、ああかなぁと、様々に考えを巡らせていた。それらを通して、国家主権と国際法の基本的な考え方を理解することで、「銭形警部はルパンを逮捕できない」、という法的な観点を、生徒たちは自らのものとし、深く納得して講義は終えた。根本先生の人柄や、お話の巧みさに、生徒は時間を忘れて、内容に集中できていたように思う。また発言も積極的にみられ、その点に関して根本先生にお褒めの言葉をいただいた。

2.生徒の感想
・本日の講義を聴いて身近なニュースを深く考えるきっかけになりそうです。「ルパン三世」というワードにひかれ、この講義にしましたが、話もおもしろく、国際社会という現代において、とても重要な内容を、深く学ぶことができました。ありがとうございました。
・犯罪者でも政治的問題とか、国際法とか色々関わりあって、逮捕ができないこととか、操作すら出来ないことがあることにとてもびっくりしました。

◆トピックコード 316
 「ビジネス・経営学入門講座」
 KIT虎ノ門大学院   教授 三谷 宏治 先生
 参加生徒数 26名  報告者名    高谷哲司

 

1. トピック内容等
セブンカフェが成功するまで、の紆余曲折を講義の導入とし、その後は三井・越後屋が成功したエピソードを中心に、ビジネス・モデルとはどういうものか、について理解を深めた。ビジネス・モデルには、4つの視点が存在する。その4つとは、ターゲット(顧客)、バリュー(提供価値)、ケイパビリティ(オペレーション)、収益モデル(プロフィット)である。セブンカフェも、三井・越後屋の呉服店も、この4点において、他の呉服屋にはない形式を実現したことにより、大成功をおさめた。この4つの視点から、各企業のビジネスモデルを分析することで、その企業のビジネスが、なぜ成功したのかを、分析することができる。様々なエピソードやグループワークを混ぜながらの、生徒を飽きさせない工夫がこらされた講義であった。

2.生徒の感想
・根本から違う性質を持つ、同じ会社を作ることが出来れば、利益は大きくなることを学んだ。・顧客、バリュー、ケイ〜リティー、収益モデルの、4つの観点からの考え方を学んだ。
・経営学を学ぶには過去の呉服屋の仕組みを学び、江戸時代の集客方法をわかりやすく説明していただき、また現代のスターバックスの集客方法と比較して説明しており、とても分かりやすかったです

◆トピックコード 317
 「東日本大震災~体験談から学ぶ私たちにできること~」
 株式会社 明石スクールユニフォームカンパニー 東京支店 販売第5課 永岡 菜々果 先生
 参加生徒数 11名 報告者名    潮田真理子

 

1. トピック内容等
東日本大震災で、実際に被災した方の体験談(当時中学1年生)を聞き、震災当日や震災後が、どのような状況だったのかを聞いた。その後 『【じしん】が起きたら!?』という教材を使って、2グループに分かれ、震災直後からどのようなことが起こるか、それに対してどのような対策をとったらよいか、また、震災前にできる事はあるか、を考えた。また、各家庭で、防災用品などの備蓄や、家具の転倒防止などの対策について、意見を出し合った。

2.生徒の感想
・東日本大震災(福島県いわき市)の経験談を、実際に聞けたこと。テレビの映像からは,伝わらない様子を知ることができて、自分のためになったと思うし、当時の心境など、直接経験した人だからこそ伝えられることが、知れてよかったです。
・東日本大震災が起こる前にも、幾つか余震があったと言っていて、最近地震が多いので、もしかしたらという不安が募ってきたので、充分に準備して、災害が起きても生き残るようにしたい。
・東日本大震災が今回の話を聞いて身近に感じた。
・お話を聞いて、班で話し合い、改めて事前準備の必要性を感じた。

◆トピックコード 318
 「食品表示に見る「食品科学」の 知識とスキル」
 日本獣医生命科学大学 食品科学科 准教授 奈良井朝子 先生
 参加生徒数 9名  報告者名  高野幸子

 

1. トピック内容等
奈良井先生は、植物性食品の、特にポリフェノールの研究をされている方で、どのように研究・実験が行われ、私たちの口に入る食品となっていくのかを、楽しくお話ししてくださいました。また、今後の進路決定のためにと、どのような学部に進むとどのような職業に繋がっていくのかや、「食品に関わる仕事」とはひとくくりではなく、細分化されていることなども話してくださり、生徒には大きな刺激になったようです。

講座の中では、私たちが何となく手にしている、トクホ・栄養食品・機能性食品の、区別の決まりや、表示の違いを、分かりやすくお話しいただき、私も「とても面白い!」と感じましたし、自分自身、あまり区別せずに購入していることに、改めて気づきました。また、日頃良く目にしている、「食品表示」のルールを知り、表示しなければならないことの多さに驚き、表示のルールやレイアウトの楽しみ方まで、教えて頂きました。

生徒は、全体を通し、興味津々の様子で講座に参加しており、事前課題である「加工食品の表示を1つ撮影」の内容から、疑問を見つけて、先生に質問する姿も見られました。今後、食品を購入するにあたり、楽しみ方が1つ増えるお話しであり、生徒たちには、将来の職業も考える講座でした。

2.生徒の感想
・進路に関する話を聞けたこと。正直、農業系に進みたいと思っていたのですが、まだ知識が少ない状態だったので、今回聞いた話はとても為になったと思います。食品成分表の話も、生活力の向上として、とてもためになったと思っています。
・加工食品の成分表示のうち、原材料に関する記述は「重量%別に、多い順」であることがわかりました。ひとえに食品関連(業種)といっても、栄養だけでなく、安全性、衛生など、さまざまなグループに分割されており、栄養成分表示をつくるため、それが正しいか確かめるためには、医学の知識、専門知識、専門技術が必要になるや、それを勉強するのが、「食品科学」という学問であることも、理解しました。奈良井先生ご自身の経験も交えながら楽、しくお話ししてくださり、理系の学問はに興味も適性もないと思っていたのですが、食品業界にはこんなに多くの役割があると知り、理系の部分が多いからと言って、初めから遠ざけるのは誤った認識であると感じました。
・私も缶詰が爆発しないように気を付けようと思います。

 

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