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48.諸学校一覧

 

 明治二十二年『官立私立東京諸学校一覧』の二段目に順天求合社の名前が記載されている。この一覧は他の多くの書物にも引用され、当時の有名校を収録したものである。この中には現在まで存続している有名校の名前も数多く見える。その中に本校も含まれている事は大変名誉な事である。

 順天求合社では教科内容も確立した結果、生徒数も急増し、明治二十一年から明治二十七年までの七年間の年平均生徒数は約四百九十五名となり、順天求合社の敷地面積と教室数から考えて、既に限界を越えていた。

 明治三十年頃には順天求合社として数学書を執筆している。この書名は「適用理論普通算術」と称し、校長松見文平校閲、弟子の片山清謙・三田暉信共編により出版された。

 『日本科学技術史大系12に、この本について書かれているので引用しよう。

 「本書は、官私立学校の学生々徒が算術に志するものの為に、編述せしものにして、原書は「スミス」氏の算術教科書に取れり、傍ら有益なる諸問題を嵬輯し、編中載する所の理論若しは各種の題は、読者の便を図り、努めて選択に注意し、特に官私立諸学校の試験問題の如きは、大抵輯録して泄らすことなし。故に一度び一本を繙くときは、専ら数理の精蘊を究め得るの傍ら、応用術に通じ、始めて実用の数学家となるを得べし。殊に本書は夙に数学を以て名ある、順天求合社出身諸氏の手に成り、社長松見氏の校閲を経たる者なり。」

 順天求合社の教育内容を知る事が出来る。

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