理数探究は、今年度の1年生から、理数選抜類型だけでなく一貫選抜類型や特進選抜類型、英語選抜類型の生徒も履修できる選択科目としてリニューアルしました。6月2日、各自の研究テーマを決める前に、実験や研究の実際を体験するために、北里大学の3名の先生にご来校いただき、講義や実験を体験しました。
1.北里大学グリーン創成科学科 髙松利恵子先生
講義「土壌から地球温暖化を考える」
私たちは普段、 足元の土を意識する機会はほとんどありません。 しかし講義では、土壌が大量の炭素を蓄え、農業の方法によって放出される二酸化炭素量が変わるなど、地球温暖化とも深く関わる重要な存在であることなど、 土壌が持つさまざまな役割について学びました。
講義の最後には、各地から集められたさまざまな土壌サンプルを実際に観察しました。場所によって色が全く異なり、生徒たちは「土にもこんなに違いがあるのか」と興味津々。さらに完璧に磨き上げられた泥団子も見せていただき、土の世界の奥深さに引き込まれていました。
「土の色がこんなに違うとは驚きです」「地球温暖化を土壌で防ぐことができるなんて知らなかったので面白かった」「土は偉大だと思い知った」など、多くの感想が寄せられました。
足元に広がる土壌を見る目が、大きく変わる90分となりました。
2.北里大学未来工学部 齋藤裕先生
講義「データサイエンスでできること」
生物工学とデータサイエンスを融合した最先端の研究についてご紹介いただきました。味の素の製造に利用されるコリネ菌や、日本酒づくりに欠かせない麹菌など、私たちの身近な食品にも生物工学が活用されていることを学びました。また、たんぱく質が医薬品や食品などさまざまな分野で重要な役割を果たしてということについてもお話しいただきました。
また、AIを活用したたんぱく質設計についても紹介されました。膨大なアミノ酸配列の中から目的に合ったたんぱく質を見つけ出すために、人工知能が活用されており、従来よりも効率的に研究開発を進めることができるそうです。
後半では、AIとロボットによる未来の研究環境についてお話しいただきました。実験を自動で行うロボット「LabDroid(まほろ)」や、コンピュータ上で実験環境を再現する「デジタルツイン」など、研究の効率化や高度化を実現する最新技術を学ぶことができました。
今回の講演を通して、生物学・情報科学・工学が融合した新しい学問分野の可能性に触れることができました。生徒たちにとっても、AIやデータサイエンスが社会や研究の現場でどのように活用されているのかを知る貴重な機会となりました。
3.北里大学獣医学部動物資源科学科動物生殖学研究室 桃沢健二先生
実験「受精卵のガラス化凍結保存」
生殖補助技術は、畜産分野や基礎医学、不妊治療などの臨床医学分野に広く適用されています。体外受精の際に胚細胞を生きたまま凍結保存するためには、保存時に細胞内がガラス化状態(非結晶化の個体)にする必要があります
今回は実際に受精卵のガラス化凍結保存をやらせていただきました。
桃沢先生をはじめ、研究室の大学生や大学院生にも丁寧に教えていただきながら、上手にガラス化することができました。この技術のしくみや体験を今後の探究活動や、個人の将来に繋げていきます。
以下受講生徒の感想です。
・大学生や大学院生のお姉さんたちが、簡単そうにやっていたけれど顕微鏡をみながら細かい作業を的確にされていて、かっこよかった!
・体外受精や、凍結について知ってはいたけれど、具体的にどういう風に行うのか知らなかったためとても良い時間になった。また、前から医療関係の仕事に就きたいと思っていて、その中で職業を選ぶうえで、胚培養士もとてもいい仕事だし、前よりずっと憧れが強くなった。