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７２．生徒日記
大正期の順天中学校を知る上で重要となる、当時の生徒が書いた修業日誌が残っている。 この修業日誌は現在で言う生徒手帳に相当するものであり、「生徒心得」「年間行事予定」等が記載されていた。生徒各自が毎日の日記を記入し、毎月学級担任に提出して「学費及び勤怠月計表」に検査印を貰う事になっていた。当時に於ける生徒の実態の一端を垣間見ることが出来る。 この日誌がかかれた前年の一九一四年（大正三年）、日本は実業界や国民の租税撤廃運動および陸海軍の軍拡要求が対立する中、海軍高官の収賄によるシーメンス事件が問題化してわずか一年で山本内閣が倒壊した。その後をうけて第二次大隈内閣が成立し、ヨーロッパにおける争乱を契機として、第一次世界大戦に突入した。新聞は軍事的経済利益の拡大の意義を強調し、世論はしだいに好戦的となっていった。
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