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06.順天堂塾の番付表

 

 前号で紹介した「算額」は、その公開問題的な性格によって、数学水準の向上に重要な役割を果たした。更に当時は、塾生達の向上心を養うための成績順位表的な性格を持ち、且つ塾の内容を知らしめるための「番付表」を、盛んに発行していた。

 番付表には次の様な二つの大きな意味を持っていた。

 @門人、塾生達の序列を決定する。

 A番付表を発表する事によって門弟達の向上心を養う。

 資料の番付表は嘉永五年(一八五二)のもので、開塾より十八年目のものである。これを見ると東西に五十四人づつ合計百八人の氏名が列挙され、最高位の大関から下位になるにつれて氏名が小さくなっている。氏名の上には住所や様々な記号が記載されており、その記号によって「免許」「皆伝」「中伝」「目録」等の階位が理解される。

 この番付表は、科目の紹介も記載され非常に内容の豊富なものである。塾名については表中にあるように、順天堂塾、別名浪華算学院とも称していた。この番付表によって当時の塾の様子が様々な角度から読み取れるのである。

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