お知らせ

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グローバルウィーク・ダイジェスト2020-2日目(11/12実施分)
順天高等学校では、「立場を超えて互いに学びあう1週間」と銘打った順天中学高等学校のGlobal Week。今年で5回目を迎えますが、COVID-19の影響で例年と違う形での開催になっています。11月10日(火)、12日(木)、13日(金)の3日間、午後3時から4時半まで延べ49組の話題提供者が来校またはオンラインで登場し、同じ話題に関心を持つ延べ1050名を超える順天中学高校生、教員、保護者からなる参加者と交流しました。オンラインシステムを同時並行でこれだけの多数講座を開講させる経験はなかったので、オンラインならではのいろいろなトラブルもありましたが、これも正解のない新しい問いに取り組む活動の一環であると、参加者にもとらえてもらえたようです。
一部のトピックは少人数になりましたが、その分、本来の目的である「話題提供者との個人的つながりを作る」贅沢な時間となりました。
今回は11月12日(木)に行われた2日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。(2021年2月19日、20日にも後半の2日間を実施っする予定です。)
◆トピックコード 201
「ビジネス・経営学入門講座」
KIT虎ノ門大学院 教授 三谷宏治先生
参加生徒数 49 名 報告者名 齋藤成利
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トピック内容
経営学とは何か。まずはそこから導入が始まり、様々な職業を歴史とともに振り返った。新しいビジネスが始まる一方で、廃れ終わるビジネスも存在する。時代とともに新しい職業が生まれ、もまれ、また新たな職業へと変わっていく。最近ではAIにとって代わられてしまう職業が出てしまうと危惧されているが、この理は昔から続いているいわば当然のものであると学んだ。新しい技術が生まれることで新しい仕事が生まれる。しかし、その技術のレベルが上がっていけば当初の仕事をしていた人たちは役目を終えてなくなってしまう。その新たな仕事を見つけていくのが経営学であると先生はおっしゃっていた。どこ(だれ)をターゲットにして、何を目的にして、何を強みに経営を展開していくのかを1番に考えることから経営が始まる。
生徒は非常に興味を持って最後まで集中して聞いていたように感じた。先生の発問のタイミングも素晴らしく、生徒も楽しそうに、かつ好奇心を持って取り組んでいたと思う。講義が30分程度延び、質疑応答の時間は取れなかったが、講義終了後に個人的に質問し、名刺をいただいている生徒もいた。
生徒の感想
・もとから興味のあった経営学について入門編ということでわかりやすく色々と教えていただきました。身近な企業の戦略がいかに大きなチャレンジだったのかや、それが成功することがどれだけ大変なことかが少しだけ知れた気がします。また将来なりたい職業に就いた時は必ず顧客の視点、第三者からの視点が本当に大切だと思ったので日頃から自分の利益だけでなく相手の利益周りの利益もよく考え企画していこうと思います。
・社会で成功した大手企業などは、予測もできない壮絶な努力をしていて、事業に成功したのはたくさんの失敗を逆手にとったものの集合だということがわかって驚いた。ものを人に提供するたびに迫る壁を乗り越えていく、企業の生き方の大変さを知れた。
◆トピックコード 202
「新種のゾウ化石の発見物語」
慶應義塾幼稚舎 教諭 相場博明先生
参加生徒数 17名 報告者名 角田進
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トピック内容
第1部「ハチオウジゾウはどのように発見されたか。そして、新種への道のり」
2001年9月、230万年前の地層がある八王子浅川に昆虫化石を採集しに行ったところ、偶然、泥岩に埋まっていたゾウの歯と牙を発見した。発掘は困難を極めたが、骨格全体17箱30点採取できた。その後、クリーニング作業を行い、新種証明に重要な完全な形な臼歯が得られた。古代象として発見されている、大型の「ミエゾウ」と小型の「アケボノゾウ」の歯の主な特徴を比較し、その中間の新種として論文を作成した。2010年イギリス古生物学会誌に論文が掲載され、半世紀ぶりの新種「ハチオウジゾウ」の発見が認知された。世界に報告に至るまで9年の歳月を要した。
※実際に掲載された論文を寄贈していただいた。
第2部「化石の魅力と楽しみ」
化石研究者は古代生物学者であり、考古学者とは異なる。
化石の条件は「1万年より古く、生物に関係しているもの」となる。化石からは、古代の環境、生物の種類、生物の進化、地層ができた時代などがわかる。化石は身近なものであり、誰にでも発見のチャンスがある。東京五日市市は化石の宝庫として有名であるが、現在は落石等の危険があるため規制されている。その他に拝島、登戸などもお勧めスポットである。多摩川流域には多くの地層が存在している。しかし新種の論文発表に至るまでは困難である。1961年発見されたアキシマクジラは、最近掲載された。有名なスズキフタリュウに関しても発見から38年経ってから初めて掲載に至ったものである。一番の理由は、研究者がいないことである。化石の発掘に熱中できる理由を挙げるとすれば、「性格」であり、発掘自体を楽しく感じている。
生徒の感想
・象の化石を博物館で事前に見ていたから、その少しの差で、八王子の象を通り過ぎなかったという話が一番印象的です。知識があるかないかで、とてつもない物を得られるとことを改めてわかりました。
・化石を採集するまでとても大変そうだけど、その過程がとても面白そうなので自分も化石じゃないけれど、昆虫採集が好きなので生かせればと思った。
◆トピックコード 203
「国際化(グローバリゼーション) と多国籍企業」
中央大学 国際経営学部、教授 咲川 孝 先生
参加生徒数 20名 報告者名 福島 理奈
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トピック内容
グローバリゼーションとは、企業や人々の活動が国境を越えて活動することである。インターネットによって、海外のことが取り入れられるようになったのがきっかけである。また、貿易によっても国と国がつながることができる。そして、パンデミックによっても国境を越えて沢山の人と人がつながっている。多国の文化を知らないと、グローバリゼーションは起きない。グローバリゼーションの反対は、ナショナリズムであり国家などの統一・独立・発展を推し進めることを強調すること。多国籍企業とは、複数の国において操業を維持するいかなる種類の国際的企業のことである。例えば、TOYOTAは、多国籍企業が成り立っており、国によって違った車を作っていることが理由である。SUZUKIは、多国籍企業が弱いため日本で作っている車と似ているが、インドで進めている。文化というのはあまり変化しないが、3.11の震災やパンデミックが起きた今、社会が変化すると同時に文化が変わっていく。生徒達は、オンラインではあったが咲川先生の発問に対し、チャットを利用しながらさまざまな意見を伝えていた。海外の企業に興味のある生徒が多く、メモ等を取りながら積極的に参加していた。
生徒の感想
・多国籍企業はずっと大手企業にしかなれないと勝手に想像していましたが、今回話を聞いて、中小企業にも可能なことでありと知ることができました。また、globalizationとnationalismについてもよく知ることができ、Trumpさんがやっているアメリカ人優先というのはどういうものなのか理解することができました。
・実際に企業のホームページを見て企業の特徴や戦略などを考察できた。グローバル化の利点や問題点などを知ることができた。
◆トピックコード 204
「教育の未来」
日本大学危機管理学部准教授 田昌禾 先生
参加生徒数 23名 報告者名 小寺博明
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トピック内容
これからの大手企業の採用においては、大学の名前が良くても挑戦しない人は選ばれない。経験と学習で内在化された知識(暗黙知)を重視していかなければならない。物事を自ら学んでいこうと思えば、現代ならばどこの国にいてもMOOCによるオンライン講義を受講できるので、こういった教育の枠組みの変化を知り、利用していくと良い。
<グループワーク>少人数のランダムなグループに分かれ、それぞれが事前課題でまとめてきた自分の夢とそれについての考えや今後の具体的な行動を発表しあった。これは、言語化することでマインドシェアをし、実現していくことへの勢いをつけるための活動と定義されたものであった。
<生徒の様子>お互いの話に耳を傾け、良くリアクションをしていた。最初は恥ずかしがりながらも、堂々と自分が考えている将来を発表していた。オンラインで講義を受けたり、急遽オフラインでグループワークをすることになったりと、バタついてしまったが柔軟に対応して受講していた。
生徒の感想
・夢について、しっかりと考えることができた。また、自分の夢や目標を叶えるために今何をすべきなのかを考えさせられた。これらのことから、自分の価値を高めるために努力をしようと思えた。
・自分の夢を同学年や他学年の初めて会った人に話せて現実味が増した。初めに教室に入った時は全員知らない人で少し緊張したけれど終わる頃には仲を深めることができて良かった。
◆トピックコード 205 「世界の水をめぐる問題を考えよう ~SDGs(持続可能な開発目標)の視点から~」
北里大学 医療衛星学部 健康科学科 清 和成 先生
参加生徒数10名 報告者名 和田玲
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トピック内容
SDGsについて貴重なお話を聞かせて頂きました。「1人1日当たり20リットルの安全な水が住居から1㎞以内に確保」されていない人たちが世界には未だ数多く存在しています。不衛生な生活環境の中で汚水を生活用水として使用せざるを得ず、命を落とす人たちが後を絶たない状況です(年間200~500万人)。その一方で、我々日本人は豊かな水使用環境に恵まれた稀有なる国の一つであることを知りました(一人当たりの年間水消費量は約1220トン)。そんな葛藤を感じる中で、生徒たちは真剣に「いま私たちにできること」を深く思考し、「日々当たり前のように教育にアクセスできる事実」の有難さを感じないではいられないひと時となりました。
生徒の感想
・どこに行っても安全で安心な水が出てくる国は本当に少なく、日本での生活がどんなに有難いことなのか分かった。
・事前課題で、SGDsと水関連の直面している問題について調べた内容を元に、今回受講した。世界には汚い水を飲まなければ生きていけない国があり、それに対して様々な問題を抱えているという現状を再度感じ、日本は非常に恵まれている国だと改めて思いました。また、SGDsの取り組みや、直面している問題を深く知ることができる良い機会でした。
◆トピックコード 206
「新しいクスリはどのように創られ るのか (創薬化学について)」
東邦大学薬学部 薬品製造学教室 准教授 氷川 英正
参加生徒数 21名 報告者 鹿島知周
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トピック内容
本トピックでは、「薬とはどのように働くのか」という初歩的なところから、「自分自身でドラッグデザイン」、「どのように薬を創造するのか」までを取り扱った。まず、薬は体内で蛋白質(酵素や受容体)に結合することで、その働きを調整し、症状を和らげている。その酵素や基質の構造や、酵素の活性中心と基質の相互作用を考えることによってドラッグデザインをすることができる。最も簡単なドラッグデザインの手法は、基質の構造に似せた化合物をデザインすることである。このドラッグデザインを基に化合物を合成し、その後、in vitro、in vivoでの評価を行い、その結果を考察したうえで、再びデザイン、合成していくというサイクルを繰り返し、新たな薬が作られていく。
生徒の感想
・先生のお話を聞いて、薬学部で学ぶ内容を少しイメージできた。今回は所々理解できないところがあって残念だったが、今後の化学の勉強へのモチベーションが上がった。
・創薬の仕方、薬はどうやって作られているのか、また、どのように作用するのかなど、薬について詳しいことを知ることができた。
◆トピックコード 207
「笑顔、プラス発想、ほめるのコミュニケーションスキルを磨こう -『自己表現・評価トレーニング』を体感しよう 」
一般社団法人大学自慢 理事 米田敬子 先生 高橋正義先生
参加生徒数 23名 報告者名 根本美咲
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トピック内容
事前課題として、「わたしの夢」をテーマに2分間スピーチの原稿を作成し、練習してくることが課せられていた。当日、初対面のメンバーでグループを組み、原稿も時計も見ずにスピーチをするのだが、その前に高橋真義先生・米田敬子先生によるレクチャーが行われた。「丹田」を意識し、相手を全力でほめることがテーマで、ほめるということは「自分に自信を持ち、相手をよく見ること」だと教えてくださった。また、笑顔やうなづきを大切にし、みんなで「安全な場」=初対面同士でも照れずに自信を持って発表し、ほめあえる場を作ろう、というお言葉を受け、生徒たちの意識が変わったようだった。自分の夢を受け止めてもらえること、たくさんほめてもらえること。そういう機会はなかなかない。生徒たちは、開始時こそ若干不安な表情を浮かべていたが、中学生も高校生も、発表時には見違えるほど、キラキラした目でお互いの夢を語り合い、ほめあっていた。
最後に生徒たちが、「初対面であったが、相手の夢を聞き憧れの存在になった」「将来のことをしっかりと考えていて、自分もそのような人になりたいと思った」などの感想を発表しており、彼らにとって非常に刺激的で、得るものがたくさんあった機会となったようだった。
生徒の感想
・笑顔でコミュニケーションとることで人生がまだ180度変わることがわかりました。相手をしっかり見て、はっきりと話すことが本当に大事だと感じました。また、何度も繰り返し教えてくださったのは、丹田を意識して生きることです。その一つのポイントを知ったことで考え方が少し明るくポジティブに変わりました。
・丹田など今回のグローバルウィークだけでなく将来大人になった時にも役に立つようなことを知れてとてもよかったし、他の人とコミュニケーションをとる方法などを学べて良かったです。
・始めは上手くいくか分からず不安ばかりでしたが、夢を語り合っていくうちに打ち解けることができ、高校生からも貴重な意見を頂いたり参考にしたいことも見つかったりとても有意義な時間になりました。参加する前と後では気持ちも変化していたので受けて良かったと思います。また機会があれば挑戦してみたいです。
◆トピックコード 208
「Taiwanese Pluralism in the Modern World」
國立中山大學中文系, 高雄,台灣 助理教授 Mark McConaghy 先生
参加生徒数 2 名 報告者名 Chang Tekka
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トピック内容
この講義は文学の視点から台湾の歴史を三つの時期に分け、文学の変化を語った。三つの時期は①オランダや中国大陸から来た人の影響 ②日本の植民地の影響 ③国民党の影響(戒厳の時期とその後) 台湾では植民地の頃、強制的に日本語教育を受け、国民党が政権を持つときには母国語の台湾語を話せない状態であった。こういう状況もあり、呉 濁流の「アジアの孤児」のような作品ができた。台湾の国民は中国本土からは見捨てられ、日本とのつながりもなく、孤児だったのである。アジアで同性愛の結婚を一番先に認めた国は色々なトラウマを乗り越えてお互いを尊重する国になったのだ。歴史や文学が好きな人はこの講義を楽しめると思う。授業では先生が熱心に話をし、それにつられていた生徒にとってはあっという間の90分であった。
生徒の感想
・台湾に興味があったので、歴史的経緯から台湾の多元性について知ることができてよかった。
・文学から見て日本や中国大陸の台湾への影響が思った以上あったので面白かった。
◆トピックコード 209
「薬学部で学べること: 医療現場で活躍する薬剤師」
北里大学薬学部教授 吉山友二 先生
参加生徒数48名 報告者名 池田皓
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トピック内容
本題に入る前に先生より、学ぶ目的についてのお話があった。
「学ぶ」というのは単位をとる、点数をとるというのが目的ではなく、「自分自身を成長させる」ということである。これは当たり前のことではあるが、日々過ごしていく中で我々も目的がすり替わってしまうことが多々あるので本来の学びとは何かを再確認できたことは非常に有難かった。
薬剤師という職業が如何に重要な仕事であるかを専門知識がない人でもわかるように日常的な話を絡めながら明瞭に説明してくださりました。
似ている市販薬であっても、それぞれの副作用が大きく違う。そして、薬の副作用が原因で入院されている方が多くいる。そういったことから人々を守る役割を担っているのが、身近なドラッグストアに勤める薬剤師であると仰っていました。薬剤師という仕事が社会の中で如何に重要な存在であるかが良く分かった。最後に、最近の研究として、生活リズムと薬の投与のタイミングのお話があった。こちらも非常に興味深い話であった。
生徒の感想
・時間によってどの病気が発症しやすいのかがあるのを知らなかったのでとても勉強になりました。薬剤師さんの仕事はただ薬を調合するだけだと思っていたけれど、その裏には大変な努力があることが分かりました。
・薬学部に進む意味や薬剤師の重要性を改めて知り、すごいことをしている職業なのだと思った。また、教授から名刺を頂き、北里大学の薬学部以外の先生も紹介してくださって、このご縁を大切にしたいと思った。
◆トピックコード 210
「学生時代に何を学び、何をして おくべきか ~単位を取るだけではない~」
日本科学技術 ジャーナリスト会議 理事 山本 威一郎先生
参加生徒数 33名 報告者名 栗原篤志
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トピック内容
進路決定については、両親・先生・友人の勧めや、成績が良いから、興味があるからなど様々な要因が関係する。しかしながら焦る必要はなく、まず得意科目を徹底的に努力することできっかけにつなげることが大切である。大学生ですべきこと…旅行、交友関係を広げる、サークル活動などの意見は多いが、今後を見据え、ITスキルを身に着ける、インターシップ(一般社会の仕組みを知る)専門分野の研究、一般教養の習得なども重要である。逆にやってはいけないこととは、ギャンブル、借金、何事も一人(他者とのコミュニケーションをこばむ)など。大学生活は、何を学び、何を経験するかが重要であり、人生の方向性を定める。学生時代は記憶と記録が大切であり、手で書く記憶と蓄積が財産となる。社会人になるということは組織に入り、ヒエラルキー(階層社会)で生きていくか、組織に入らず個人事業主となるかに分類される。著名人「会社経営、学者、音楽事務所設立、落語家」などがどのような学生時代を歩んできたのか…。(事例)
トピック中の生徒の様子…生徒は前向きに聞いていたが、説明が主で生徒に意見(考え)を投げかける場面はほとんどなく、眠そうにしている生徒もいた。最後に1名質問して終了となった。
生徒の感想
・大学は合格したからいいのではなく、入学して学問以外にサークルやアルバイトなどもやり、社会勉強を学んでおくことも大切だと学びました。人生の転機はいつ起こるかわからないので、チャンスを待って日々過ごしたいと思います。後、何か一つ自分の長けていることを追い求めて頑張りたいと思いました。
・学生では自分の専門を磨くことも大事だが、その他のことも学ぶことでこの先の社会において活躍できるということ。また、それはサークルなどに入ることも大切だということ。
◆トピックコード 211
「食品による免疫・炎症反応の制御~食品で「免疫力」は高められるのか?~」
日本獣医生命科学大学応用生命科学部教授 戸塚護 先生
参加生徒数 20名 報告者名 和田光
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トピック内容
①食品による免疫系の調整は防御反応の促進と過剰な反応制御の両方向がある。②免疫力は学術的な用語ではなく、定義は簡単ではない。活性化と抑制のバランスが大事。③多くの栄養素が免疫応答の調整に関わっている。健康な免疫系のためにバランス良い食事が重要。④乳酸菌は免疫賦活により風邪罹患リスク低減に作用する一方で、免疫応答制御にも働きうる。⑤イミダゾールジペプチドは抗炎症作用を示し、脳機能維持に役立つ働きをもつことが示された。オンラインでの講義であったため、生徒の反応があまりなかった。最後に2名の生徒が質問をした。
生徒の感想
・自分自身が、お腹がすごく弱いため、その原因と改善方法を知ることが出来た。とてもためになりこのトピックを受講してよかったなと思いました。
・乳酸菌などのプロバイオティクスによってアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどを予防出来るといったような様々な利点があり、積極的に乳酸菌を取ると良いということ。興味深い話でした。
◆トピックコード 212
「米大統領選後の国際安全保障と米欧関係」
上智大学、総合グローバル学部准教授 中内正貴 先生
参加生徒数 23名 報告者名 高谷哲司
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トピック内容
米大統領(2020)後の国際安全保障と米欧関係について講義が行われた。国際安全保障については、バイデン政権がどのような外交政策を展開していくかに焦点があてられた。特に対中国政策においては、今後も緊張状態が続くであろうということであった。米欧関係においては、バイデン政権ではトランプ政権の時よりも国際協調がすすめられるだろうということであった。トピック中、生徒は熱心に講義を受けていた。質問の時間では、トランプ政権からバイデン政権に引き継がれる政策は何か?という質問や、今後のバイデン政権の誕生が今後の日韓関係にどのような影響を及ぼすかなど、積極的な質問も見られた。
生徒の感想
・今現在のホットな話題であったので、とても面白かったです。また、自分は世界の経済、政治事情に興味があることにも気づくことが出来ました。
・米国の大統領選がほぼ終わり、これから世界がどのように変わっていくのかがよく分かった。バイデンがどんなことをやるのか、予測したものを提供してくださり分かりやすかった。4年後、アメリカや日本、世界中ではどのように変わっているのか大変気になる!
◆トピックコード 213
「踏み出す一歩を体験しよう。~カンボジアの子供たちへ~」
順天生 小川 紗慧、大橋 歩乃果、永田 唯菜、竹内 歓、白瀬 遼人、平川 創詩 先生
参加生徒数 23名 報告者名 梅沢恒郎
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トピック内容
カンボジアの学校の説明・歴史的背景(ポル・ポト原始共産主義)
今までの自分たちの活動について
本がない 仏教のしか本がない 英語の本を読めるように援助する。
オリジナル英語教育マンガポスターの制作
カンボジアに送った英語教育ポスターの様子動画
今後の予定 カラフルな本・小学校に1113冊(順天の生徒数) 好きな時に好きな本を読める環境・クラウドファンディングで10万を目標にした。寄付型
資金の集め方 ALL IN ALL or NOTHING
質疑応答 なし
5名~6名の班を4つつくる
3:15~3:30ディスカッション やりたいことを共有する
3:30~4:15 英語教育ポスター制作・ストーリー・セリフ・4コマの写真・背景を決める
各班の発表
生徒の感想
・カンボジアの子供たちは思った以上につらくて大変な生活を送っていた。勉強したくてもできない子供たちの役に立ちたいと感じるようになった。
・JCEsのメンバーの先輩方が、1学年差だとは思えないほど自分の考えをしっかり持っていて、国際問題について深く考えているところがすごいと思いました。今回のGWではカンボジアに送るポスターを作ったのですが、1つ作るだけでも大変で、高校1年のときからこの活動をしていると聞いて驚きました。私も何かしらの活動をしてみたいと強く感じました。
◆トピックコード214
「Getting the most out of Study Abroad」
Kyorin University Lecturer and English Program Coordinator for the Department of Social Sciences
Michele Joel 先生
参加生徒数8名 報告者名 バーニー・ボイティム
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トピック内容
In this lecture, Ms. Michele Joel informed the students on the deeper meaning of studying abroad in a foreign country. She mentioned many students go abroad for various periods of time and just do their studies without getting so involved with their homestay families, other students or friends and return home without really experiencing the foreign culture where they lived and studied. One thought-provoking analogy she made was you can swim all day in the sea of knowledge and not get wet. She told the students that you want to get wet, in fact, you have to get soaked. She also gave good advice on what questions to ask when you meet someone for the first time and also when you have gotten to know your friends in your host country. Another intriguing idea she introduced was the iceberg concept of culture. The first level is the iceberg is above sea level and the emotional level is relatively low. Some examples may be talking about surface-level topics, such as, food, music, clothing and anime. The second level would be Deep Culture which is partially below sea level and the emotional level is very high. Some examples may be learning the lifestyle of people and their thought patterns. And the third level would be completely below sea level and the emotional level is intense. At this level, students could grasp and understand more deeply the family values of the foreign culture, such as what we can see in the Sazaesan manga series. In closing with her lecture Ms. Joel suggested what gifts would be suitable and helpful to the students in order to talk with their host families or new friends. In the end, the students could learn about the deeper meaning of studying abroad.
The students behavior during the lecture was very responsive and interactive especially with the E-class students who have a high comprehensive level of English. However, other students with a lower level of English were quiet and had trouble comprehending the lecture which was entirely done in English.
As for my own opinion, I thought it was a great lecture. Having the experience of studying abroad in Denmark for a year in my university days, I really appreciated her advice for the students on the deeper meaning of studying abroad.
生徒の感想
・留学前の準備でやるべきことや留学中に心掛けるべきことをたくさん学ぶことができました。文化の背景にあるその国のマナーや歴史にも興味を持ち、深くその国の文化が理解できるようになりたいです。また、海外大学進学についての質問もすることができたのでよかったです。
・日本人が考える日本の文化というのは、氷山の一角にしかすぎず、「表面的な事象」であり、それらは「深い事象」が基となって作られていることを知った。
◆トピックコード215
「混迷する日本の大学入試改革を乗り越える 世界比較と当事者(高校生)の視点から」
横浜市立大学 アドミッション課専門職・学務准教授 出光直樹 先生
参加生徒数13名 報告者名 阿部邦宏
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トピック内容
2021年度の大学入試の変更点(共通テスト・外部英語検定試験の活用・主体性に関する記述等)とその問題を整理した。その上で、大学側がいま求めている(学力以外の)力について、非常に分かりやすく示してくれた。また、話題は世界の大学入試にも及び、日本の入試の特殊性や問題点を浮き彫りにした。私自身も入試改革には関心があり独自に調査していたので、実務的に入試に関わる大学の担当者がどのような話をしてくれるのか楽しみであった。話題のなかではヨーロッパ、特にドイツの入試制度に関心を持った。大学に行くか、職人になるかという選択肢があるドイツは、日本よりずっと社会が「豊か」なのではないかと思う。出光氏はとても気さくな方で、立場上答えにくいであろう質問にも誠実に対応してくれた。今後もお付き合いを続けていきたいとお言葉をいただき、非常に感謝している。
生徒の感想
・世界の大学入試の形態から、各国の学びに対する価値観の違いがわかったのが最大の収穫です。
・他国では国全体の受験に対する関心が高い。
・推薦入試のこと、海外の入試の様子について知ることが出来た。
◆トピックコード216
「人工知能の限界と計算理論」
日本薬科大学 准教授 大久保文哉 先生
参加生徒数38名 報告者名 丸山邦夫
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トピック内容
近年、人工知能が人間の仕事の半分を奪うといった研究報告のニュースや、2045 年に人工知能の能力が人類を上回るとする「2045 年問題」とよばれる仮説が世間を賑わせています。本ワークショップでは、計算理論という数学の一分野の観点から、現代のコンピュータの限界に関する話題を紹介します。参加者には計算理論を含め、様々な観点から、人工知能の可能性と限界について考えてもらいたいと思います。
生徒の様子:真剣に理解しようと努めていた。質問がなかったので、教員である私が、「AIと一般のプログラムの違いや境目」や「粘菌とコンピュータのプログラムの仕組」などを質問した。
生徒の感想
・ハミルトンパス問題やAIの限界についてなどを自分で考えながら、知ることができた。具体的に無くなる職業を知ることができ、自分の目指すプログラマへの意欲が高まった。人間でしかできないこと、効率化できることの線引きの重要さを学ぶことができた。
・AIに仕事が奪われるということには、統計ベースとルールベースの観点から考えて、対処できない部分ができてしまう。つまり現在の技術では限界があるため、必ずしも仕事が無くなる訳でわない。そのためAIが対処できない部分を解決していく必要があるということが分かった。
◆トピックコード217
「和算を楽しもう」
元東大寺学園中学校・高等学校 小寺裕 先生
参加生徒数11名 報告者名 矢口雄翔
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トピック内容
序盤は、和算には様々な流派があったことや、算額が奉納されている神社が全国に多数あるなどの歴史的な背景からはじまり、和算における数式の表記や、算木と算盤を用いた組み立て除法の計算の仕方など、生徒たちにも馴染みのある数学の計算が、江戸時代頃ではどのように行なわれていたのかをお話いただきました。中盤には、「和算で遊ぼう」ということで、紙をハサミで切って形を変える裁ち合わせの問題や、3升枡と7升枡で油を5升ずつに分ける油分け算の問題により、先ほどまでは話を聴く一方だった生徒たちに、思考することを促してくださいました。そしてこの油分け算は、映画ダイハード3でも登場する問題であり、日本だけでなく、世界的にも歴史のある問題なのだということを、映画の動画を添えてお話しいただきました。後半は,水戸黄門,天地明察、算法少女など、映画やTVドラマにおいて和算の出てくるシーンを次々に辿り、最後には動画にも関連した幾何の課題を3問いただき、生徒たちは互いにアイディアを出しながら楽しく問題解決に取り組んでいました。今回は添付された動画の視聴という形式でしたが、途中で生徒たちの集中力を切らさない講義の組み立ては、長く教鞭を振るっていらした先生ならではだと感じました。またの機会には、リアルタイムでお話をお伺いできることを、楽しみにしております。ありがとうございました。
生徒の感想
・昔の人は、現代人よりも、定義や方程式の解き方を知らなかったのに、難しい問題を解いていたのだと感じて驚いた。昔の人は発想力が豊かで、ひとつの問題にたくさんの時間をかけて考え、江戸時代に出来た問題が今になっても受け継がれているということを学んだ。わからない問題があったら、すぐに諦めるのではなく、視点を変えて物事を見たり、友達と協力して解こうと思った。
・江戸時代には、3次式の組み立て除法は、紙に書いて計算するのではなく、算木を盤の上で操作して求めていたというのが、小学生がおはじきを操作して計算することに近しいものを感じて、おもしろかった。鉛筆と消しゴムが無い時代ゆえに、そろばんや算木のような道具を操作する方が、利便性が高く素早いので、理にかなっていると思った。