English Site

お知らせ

グローバルウィーク・ダイジェスト4日目(11/4実施分)
順天中学校・高等学校 > お知らせ一覧 > グローバルウィーク・ダイジェスト4日目(11/4実施分)

お知らせ

2016/11/10

グローバルウィーク・ダイジェスト4日目(11/4実施分)

順天高等学校のSGH活動の一部として、11月1日(火)~11月8日(火)までのうちの6日間(1日、2日、3日、4日、7日、8日)に「Global Week」を開催します。この期間のうち、平日の5日間は平常授業を午後2時で打ち切り、国内外の大学の研究者や大学院生、大学生、企業や団体の職員と、順天高校(一部中3生)、教職員がともに、正解のないグローバルな問題について学びあう講座/ワークショップを開催しています。今回は11月4日(金)に行われた4日目のダイジェストをご報告致します。

東京大学    重松 尚先生
【虐殺はなぜ起きるのか~ジェノサイド(集団殺害)を考える~】
歴史学に関してホロコーストがどのようにして行われたのかをまず説明していただき、次に、心理的に心理学の実験などで明らかになった人間の特性を考えることが重要であることも分かった。さらに、最大の要因であるジェノサイドがなぜ近代社会で起きるのかの社会的要因について説明された。

【生徒の感想】
ホロコーストの虐殺は悪い人のせいだけで起こるものではなく、おかしな社会だけで起こるものでもない。今の時代にも起こりうることで、ジェノサイドは人類全体の問題である。殺人でさえも命令や慣れによって抵抗感がなくなってしまうということは、人間の感情がいかにコントロールしやすいかということのあらわれであろう。そして、一歩間違えば、自分も加害者側に立ち虐殺してしまうかもしれないということを痛感した。自分をしっかり持って、まず一人一人が流されないようにすることが大切だと思った。

4-1

東洋英和女学院大学   宮下大夢先生
【東南アジアにおける人権保障の課題~なぜ人権は重要か~】
講座では、まず生徒たちに人権や平和についてどのようなイメージを持っているのか確認し、それから平和学の観点から見た人権および平和について学びました。私たちは、平和とは「戦争がない状態」を思い浮かべることが多く、人権についても「持ってしかるべきもの」や「尊重すべきもの」というイメージを抱きがちであるが、本質的には戦争がないだけでなく、貧困や抑圧、差別などの社会的構造に根ざした暴力のない世界をもって平和なのではないか、またそれに伴い人権が守られていることが平和にとって非常に重要であるということを学びました。文化や価値観、政治体制の異なる世界において普遍的な人権とは何かと考える事は、平和な世界をつくっていくうえで重要なことであり、そのための国境をこえた取り組み(国際人権レジームやASEAN政府間人権委員会)もなされてきています。自由や人権が保障された日本で暮らしている高校生には思いもよらなかった「人権」に対する様々な考え方や、それらが保障されていない国々の現状を知る事によって、世界に対する問題意識の芽生えるきっかけとなる内容の講義でした。

4-2

明治大学 杉原 厚吉先生
【『見る』ことの危うさを学ぶ  錯覚の科学】
同じ長さの線が、片方が長く見えたり、背景の色彩によって、そのものの色が違って見えたりする、いわゆる視覚による錯覚、つまり、錯視について、『「見る」ことの危うさ』と題して講義された。また、このような錯覚をおこす作品を作成するにあたって、複雑な数式で厳密に設計する話をされたのが驚きであった。ある点においては、数学の延長に位置する分野だそうである。

【生徒の感想】
実際のものと脳を経由する視覚が違うことが分かった。とくに我々人間の脳は「直角」が好きで、「直角」でもないものを、勝手に「直角」と思うふしがあることが分かった。教授曰く、なぜ脳が勝手にそう思いたがるのかは、未だ解明されておらず、一説には、人間社会が「直角」に囲まれているからだという考えがあるそうだと言われたのが印象的だった。また、実際に錯覚を起こす立体を作れて、大変であったが楽しかった。更に、作った立体の仕組みが分かった上で見ても、やっぱり錯覚にかかってしまうのが不思議だった。そして、視覚の全情報が脳を通過して得ているのだと実感した。この作成した立体図形がなんとなく感覚的に作ったものではなく、数式を解いて計算で答えが導き出されていることを知り驚いた。数学は様々なところで活躍しているということを知れて、このことが、本日私が得た最大の収穫です。

 4-3

早稲田大学 兵藤 智佳先生
【体験の言語化】
「体験の言語化」をテーマに、タイ・フィリピンでのフィールドワークを体験した生徒を対象として開催された講座であった。生徒たちは現地で心を揺さぶられる様々な体験をしたが、それを言語化し、他者に伝えるということを非常に難しいことであると感じている。結果的に、単に「すごい」、「やばい」、「感動した」といった感想で終わってしまうことは、とてももったいないことである。この講座では、グループワーク形式で、大学生が各グループに1名つき、彼らが体験を通して感じたことを掘り下げ、まずは感情を言語化することから始めた。そして、なぜそのような感情になったのかをさまざまな角度から検証することで、「体験の言語化」を丁寧に引き出していった。大学では8回の講座でおこなっていることを、90分にまとめて実施してくださったが、生徒たちは充実した時間を過ごせたのではないかと思う。

【生徒の感想】
感じたこと、経験したことを言葉で伝えることが、こんなにも難しいことだとは思いませんでした。これからは、日々言葉で表現できるように練習していきたいです。自分の「感覚」をいかに他人に伝えるかは、まずは自分の「感覚」を分析することから始める必要があると感じた。自分が体験したことを自分の心の中にしまって自己満足で終わりたくないと思った。

4-4

学習院女子大学  荘林 幹太郎先生
【食の貿易と環境:なぜ農作物の貿易は国家間の激しい議論を巻き落とすのだろう?】
先生は東京大学農学部で博士号を取得し、農林水産省に就職しました。その際に世界銀行やOECDに出向するといった経験を積み、現在学習院女子大学国際文化交流学部で教授をなさっています。講演はなぜ自由貿易をする上で農業部門からの反発を生むのかという内容を主軸においたものでした。英国の経済学者デービット・リカードの提唱した比較優位とは何かを説明していただき、その理論があるにも関わらず保護貿易主義に傾くことがいろいろな国や地域で見られる現状について説明を受けました。農業における多面的な利点を考慮しつつ、国家の経済を維持するとなると、何が正しいのかという答えはなくなります。この正解のない問題に対してどのように向き合うべきか、議論の余地がある議題でした。

4-6

埼玉大学 飯島 聡先生
【台湾に関する基礎知識】
台湾の地理的・歴史的概説から台湾と日本との関係についての講義と、事前課題として生徒から出されていた質問に答えるものだった。台湾の地理的概要として、面積は日本の九州とほぼ同じ、人口は九州の倍である。国土は南北に台湾山脈が走っており、西部には平野が広がっている。民族構成では98%が漢民族と、中国系が圧倒的多数を占めている。歴史的概要として、人類が台湾に到達した約3万年前から16世紀までは先住民が全土に住んでいた。16世紀に入ると中国南部沿岸の人々が台湾に移住してきた。1895年~1945年まで日本統治時代が続き、戦後国民党政府が台湾を接収した。台湾国内の歴史の授業内で日本統治時代を扱う際、「反日感情」をもつ生徒もいるという。しかし、親や祖父母の世代の方々は台湾の産業の発展に日本が大きく関わっていることを知っており、子どもにその事実を伝えている家庭も多いという。台湾研修旅行の研修内容を考えるきっかけにもなったと思う。

4-5

 

このページのトップへ