お知らせ
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SGHフィリピンフィールドワーク派遣生のための事前研修 第3回
7月20日、CFFの石井さんが来校し、フィリピン派遣参加生徒の研修(3回目)を行いました。
今回は、フィリピンのドキュメンタリー映像の視聴によるフィリピン社会が抱える課題の再認識と、自分たちが現地で行う活動の計画を行いました。今年度派遣対象の1、2年生に加えて昨年派遣された3年生も参加し、石井さんのファシリテーションを受けながら活発に意見や情報を共有しました。
まず、30分ほどのフィリピンのドキュメンタリー映像を全員で見ました。フィリピンがどういった国なのか、どういった課題を抱えているのかを改めて感じるためです。
フィリピンの課題の一つである、大規模なゴミ処分場「ゴミ山」で起こっている様々に絡み合う困難を目にしました。
ゴミを集めて売ることで生計を立てる人々が多く存在するフィリピン内の格差、その方々の居住環境の問題と高い乳幼児死亡率、大雨によって処分場の地盤が崩れ多くの方が亡くなってしまった事故、事故を防ぐためのゴミ捨て場閉鎖がゴミ山で暮らす方々の生活を奪うことで新たに生じる困難など、複雑な状況を映像を通じて目にしました。
映像を見た後、感じたことをみんなで話し合いました。
派遣予定の生徒からは、
「ある程度調べたり先輩から聞いて想像できているつもりでいたけど、まだまだ見えていなかった。」
「課題を解決したいと考えているけれど、変わることで新たに生じる問題など、考えなくてはならないことがもっとあることに気づいた。」などの感想がでました。
昨年派遣された3年生からも、「現地で関わる中ではフィリピンの方々の明るい姿を多く見ていた。捉えることができなかった本当の苦しさが存在することを改めて認識した。」など、さまざまな考えが聞かれました。
その後、石井さんから「なぜフィリピンに行くのだろう?」「行っている間、何を大切にしたい?」という質問が投げかけられ、それぞれ考えて意見を述べました。
行く理由に対する考えとしては、「現状や多様な価値観を知ることが大事。」「将来海外で活動するのに、現地の事情を知った上でできる方がいい。」などが挙げられ、
大切にしたいこととしては、「相手の立場に立って考える」「笑顔でのコミュニケーション」などが挙げられました。
石井さんからは、「社会のシステムは大きな流れの中にある。たとえばバナナ一本にもいろんな人が関わっていて、そこには苦しみもある。それを知らずに依存して生きているということを私たちは知らなくてはならない。一人一人が社会を知り、繋がりを感じながら生きて行けるきっかけにしてほしい。」
また、「知ることも大切。でも、フィリピンの人達は日本人が学ぶためにいるわけではない。出逢う意味ってどこにあるのだろう?答えはないけれど、自分なりに考えていってみてください。」というコメントがありました。
映像の視聴やディスカッションでフィリピンに行くことの意義を改めて少し意識し直した上で、現地で行う活動の計画を立てました。
派遣期間中には、各自の課題研究に関するインタビュー調査や視察を行う機会に加え、現地の子供達に集まってもらって順天生が主体的に現地の子供達を対象に活動を実施させていただく機会が設けられています。
昨年度実施した先輩達のアドバイスを受けながら、内容の検討とグループ分けを行いました。
日本の文化も取り入れつつ距離を縮めるための「遊び」、課題研究にも関係する「うがいの普及活動」「モリンガを用いた料理」、フィリピンの課題を受け、伝えたいことを問に盛り込んでの「クイズ」が企画されました。
13人の派遣生徒達が企画ごとのグループに分かれて、これから詳細を考えていきます。
フィリピンに行く意味や現地の人達と関わる意味を考えながら、前段階も含めて現地に行くことができる機会を大切に、準備をしっかり進めていってもらいたいと思います。