お知らせ

お知らせ
高1生SGH:フィリピンと課題計画書のガイダンスワークショップ
5月14日(土)、高校一年生全体に対するSGHのワークショップがありました。今年から高校1年生全員がSGH対象です。
シェバ・マグノ先生がフィリピンについて、藤井健太先生が研究計画について、それぞれプレゼンテーションをしました。
フィリピン出身のマグノ先生のプレゼンテーションは、フィリピンに関するfact checkクイズで始まりました。フィリピンの文化・生活、そして宗教についての基礎的情報を丁寧に確認していきます。
たとえば、「フィリピンは80%がクリスチャンでそのほとんどがカトリック教徒であること」や、「フィリピンの4名に1人は貧困だということ」など、基本的な情報でありながら初めて知ったという生徒もいたようです。
多くの生徒は「フィリピン」と言えば、「海が美しい自然に囲まれた国で、マリンスポーツやハイキングを楽しみたい海外観光客が集まる国」を思い浮かべるでしょう。そんな陽の部分とは裏腹に、大きな貧富の差や教育の欠落による、現地の方々の苦しい現実があるということを知りました。それでもカトリックの信仰に支えられ、人々は強く逞しく暮らしています。自然災害により雨や台風で家や通りが浸水しても、人々は日常生活を続けます。「床屋に行く人・物の運搬や販売をする人・結婚式さえも決行する」というお話に、フィリピンの人々のパワーを感じた生徒もたくさんいるはずです。
こうした国民性を知り理解することは今後の活動にとても大切です。マグノ先生は最後に、これからSGHに深く関わる高1生に向け、こんなメッセージをくださいました。
「フィールドワークに行く生徒は、現地ではお互いの国の良いところと悪いところを学んでほしいです。問題をすべてを解決することはできなくても、あなたなりに何かできることがあるかもしません。」
続いて、藤井先生の“研究計画書を作ろう”というプレゼンテーションがありました。高校一年生にとって、研究をする、論文を書くということは未知の世界です。
藤井先生は、まず研究とは何かという話をし、研究を始めるところから、研究計画書を完了させるに至る段階を説明しました。研究目的、研究方法(たとえばフィールドワーク・先行研究、資料を読んでいく)、研究の見通しなど、研究を論理的に学術的、社会的に意義あるものにするため、研究計画書の構成をしっかり作成し段階を踏む必要があります。
研究と一言で言っても、フィールドワークで現地に行く研究もあれば、既存の文献を分析的、批判的に読み見解をまとめるという先行研究もあります。フィールドワークに行く学生の数が限られていますので、国内での研究活動が重要になります。インターネットを活用する、また国会図書館や東京大学の図書館を利用するなど、学術論文に触れる機会を積極的に得て、先行知識を増幅させなくてはなりません。
今日はフィリピンの基礎をつかみ、研究とはどういうものかという説明を受けました。今後この一年生たちがSGHを原動力にして、どう発展させていくのか楽しみです。