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コロナに向き合う平静心( 8 / 8   第1学期終業式より)
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コロナに向き合う平静心( 8 / 8 第1学期終業式より)

世界の学校再開は4分の1

  コロナ感染症拡大防止のための新しい生活様式に、ようやく慣れてきたところでしょうか。それにしても、2020年というこの年は、皆さんはもちろん世界中の子供たちにとって忘れられない年になることは間違いないと思います。

 本校では6月から学校再開になりましたが、実は世界の半数以上の国で、学校がまだ完全再開になっていません。7月18日時点のユネスコの調査によると、世界の国々で全面的に学校再開となっている国は、日本を含めてまだ4分の1だそうです

 ですから今も10億人以上の子供たちが学校に行けず、オンラインの学びもできない子供たちが少なくないようです。皆さんは早くからオンライン、ICTの恩恵にあずかりました。しかも多くの皆さんがよく利用し、オンラインならではの学習成果も出ているようです。

*コロナが解決しても、もう元には戻らない、という社会学者が少なくありません。それはオンラインを使った学習や仕事など、世界中の人々が新しいライフスタイルを覚えたからです。皆さんも家族の人も随分と変わったのではないでしょうか。

NIKKEI (2020/7/26)

NIKKEI (2020/7/26)

 

初の「オンライン北斗祭

  さて2学期の行事予定についてですが、本校では体育祭と文化祭を合わせて「北斗祭」と称しています。4月末の時点では、文化祭は室内に密集することによる感染リスクがあるため中止とし、屋外で行われる体育祭を2学期に延期する見込みでした。

  しかしその後、もっぱら屋外で行われるスポーツイベントなども軒並み中止され、体育の授業も種目や方法を限定していることから、文化祭だけでなく体育祭も通常の方式で実施するのは難しい状況です。

  そこで今年度は、文化祭および体育祭を、なんと「オンライン北斗祭」として開催し、生徒の皆さんの様々な発表の機会とすることを、生徒会の皆さんも考えてくれています。初の「オンライン北斗祭」を、皆さんの力で是非創り上げてください。

  もうすでに生徒会では、「オンライン北斗祭」の実行委員会への参加呼びかけを、それこそオンラインで動画配信してくれています。すごいですね。もう「オンライン北斗祭」が始まっている感じがします。11月2日と3日、本当に楽しみにしています。

*都立学校では12月末まで文化祭や体育祭などの活動は中止となり、私立学校でも体育祭などを中止としている学校が大多数となっています。しかし、全国高校総合文化祭(本年度は高知県で開催)は、オンラインで開催・配信中です。

「オンライン北斗祭」実行委員募集 =先行配信=

*「オンライン北斗祭」実行委員募集(生徒会)の先行配信チャンネルはこちら

 

「月と雲」の不確かさ

 ところで、コロナ問題は半年が過ぎてもまだ不確かなことが多いですね。感染したら心配だという人が多いのですが、皆さんのように10代の人は、感染してもあまり症状が出ないようです。しかし果たして本当にそうなのか、理由もわかっていません。まだ不確かなことが多いのです。

 自然科学の世界では、この様な不確かさについて「月と雲」にたとえることがあるようです。つまり、月ならば現在の位置など、天体の運動法則から予測できるのですが、雲はそうはいかない。今ある雲が1時間後にどのような姿になるのかなど、全く予測ができないので不確かだというわけです。

 まさに今回の新型コロナウィルスは、雲のように予測ができないものになっています。それでも、一定の時間をかければ必ず解決するということでは、専門家の意見も一致しています。それまでの道のりはまさしく雲がかかって見通せないのですが、その道を進むには、一歩一歩を注意深く慎重に歩む必要があります。

*生活面では、まだ感染防止に努めなければなりません。ニュースによると、中高校生で感染しているのは主に部活動の時が多いようです。夏休み中の部活動では、熱中症に注意するだけでなく、友達との会話などに十分気を付けて過ごしましょう。

 

コロナに向き合う平静心

 最後に、それにしてもこの不確かな感染症の広がりで、世界中の人々がまだ不安の中にいます。見通しが立たずに不安な中で慎重に歩むには、一体何が必要なのでしょう。それは不確かさに向き合う平静心「平静の心」ではないでしょうか。

 世界のコロナウィルス感染者数を毎日発表している、アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の医学部は今から100年ほど前にできましたが、その創設のころに貢献したウィリアム・オスラー博士は、医師になる学生たちに向けて「平静の心」という講演をしました。

 その分厚い講演集を、あの日野原重明先生が翻訳しています。人生100年時代のモデルの様な日野原先生自身も、常に「平静の心」を大切にしていた方です。コロナの最前線で奮闘する医師や看護師たちにとって平静心が大切だということは、実は私たちにとっても同じなのです。

*高等部3学年の先生達は、奇しくも今年のモットーとして「平静完遂」という学年目標を立てています。大学受験という、人生の中でも不安になりがちな時ですが、だからこそ「平静」を貫いてもらいたいものです。

 

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