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根本を解決する探究( 2/8 全校集会より)
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お知らせ

根本を解決する探究( 2/8 全校集会より)

新型ウィルスの正体

 校内外でマスクをする人が多くなりました。インフルエンザや花粉症などの従来からの事情に加えて、新型ウィルスに対する心配が広がり、国内外でマスクが売り切れているほどです。ただマスクも必要かもしれませんが、「保健だより」にも書いてあるように、まずは手洗いやうがいが大切だということです。知っていると思いますが、インフルエンザなどの感染症にかかると、学校に登校するには医師の許可が必要になります。

 ところで、感染症を引き起こす原因は微生物です。細菌やウィルスがほとんどですが、細菌は1000分の1ミリ位の大きさで、大腸菌や結核菌などれっきとした生物として細胞でできています。一方、ウィルスというのは、インフルエンザウィルスやノロウィルスなどがよく知られています。大きさは細菌よりもさらに100の1位小さく、細胞組織がないので、研究者によってはウィルスは生物ではないとも考えられています。

 そしてウィルスは様々な動物などに感染し、全部で3万種類くらい分かっているそうです。その内、人に風邪を引き起こすウィルスだけでも4百種類位あるそうで、大抵はウィルスに感染しても自分の免疫力で治ってしまいます。ただ治りにくいウィルスもあります。その1つが2002年~2003年に流行したSARSと言うコロナウィルス、そして今回の新型のコロナウィルスです。その治療薬も、予防薬もまだ無いので世界中が不安になっているわけです。

新型コロナウィルス

国を超えるウィルス

 2002年と言うと18年前のことですから、生徒の皆さんはわからないかもしれませんが、あの時は大変でした。世界中にウィルス感染が広まり、海外に自由に渡航ができなくなってしまったのです。2009年の新型インフルエンザの時も同様です。高等部2年生が夏に行く海外研修が全て取りやめになって、国内の北海道へ希望者だけが出かける行事になってしまいました。そんなことが2度もあったのです。今回はどうなるかまだわかりませんが、なんとか収束してほしいものです。

 1つのウィルスが世界中を不安にさせるようになったのは近年の現象です。その原因は世界のグローバル化であることは間違いありません。多くの国の人々が国境を超えて移動する時代になったからです。また最近では、ウィルス感染というとパソコンのネットウィルスの方が日常的に心配されているほどです。これもまた発信元を辿れば、世界中からウィルス付きメールが送られてくるほどグローバルな問題になってしまいました。

 話が広がってしまいそうですが、みなさんは今回のウィルス感染のような問題をどのように解決すべきだと考えるでしょうか。もし大学入試の小論文で問われたら、どのように主張するでしょうか。ウィルス感染問題もあるいはネットのウィルス問題も世界共通の問題ですが、実は多くの主張はマスクやうがいを励行するとか、不明なメールを開かないとか一人一人の心がけによる解決を唱える人が多いようです。  

国家の3要素

根本を解決する探究

 しかし言うまでもなく、今回のウィルス問題解決には各国の対応が課題になっています。さらには世界保健機関WHOの判断も含めて、各国の対応はこれでよかったのか、いずれ議論されることでしょう。そもそも国は領域(領土)、国民、主権の3つの要素で成り立っています。そして3つ目の主権のあり方がとくに大事です。つまり国内のことを自らしっかり決められないと、ウィルスなどのグローバルな問題を根本的には解決できません。

 確かに一人一人の心がけも大切なものですが、各国やその連携のあり方がしっかりしてないと、根本的な解決はできないのです。そのことを証明するかのような学術論文が、国際医学雑誌「THE  LANCET(ランセット)」に掲載されました。感染症を予防するためのワクチン接種の割合は、その国の行政に対する国民の信頼度と相関があるということを、ヨーロッパの国々の状況を調査して統計的に証明したのです。発表したのは秋田大学医学部5年の宮地貴士さん、みなさんのあの先輩です。

 宮地さんについては知っていると思いますが、アフリカのザンビアに診療所を造るためにプロジェクトを立ち上げ、現在1年間休学して現地で活動しています。そして感染症対策などをする上での大切なことも発見したのかもしれません。ちなみに、ランセットという医学雑誌に論文が掲載されるというのは、世界の医学研究者が憧れる程の大変なことのようです。来週には本校で探究報告会があり、中1から高2生による多数の探究発表があります。宮地先輩に続くような、課題の根本を解決しようとする探究の取り組みを期待しています。

 

 

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