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未来を創る探究力( 12/21 第2学期終業式より )
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お知らせ

未来を創る探究力( 12/21 第2学期終業式より )

探究学習の始まり

 誰もが知っていることですが、小学校から中学、高校までのすべての学校で「総合的な学習の時間」という時間があります。たとえば、本校の中等部では保育園訪問や手話・点字、映画製作など。高等部ではSGH課題研究などがあります。それが来年度の高校1年生から「総合的な探究の時間」となります。それは、これからの学びが「探究」中心になることのさきがけですが、学習とはすなわち探究であるということを物語っています。

 そして、探究学習について生徒の皆さんはすでにいろいろと取り組んでいますね。中等部では理科や社会の学習は探究学習をすることにしています。たとえば、富士山の自然観察や鎌倉遠足など、実際の自然や社会のフィールドに出かけて、教室だけでは学べない学びをしています。高等部でSGHとして研究開発してきたのも探究学習です。さらには、高等部の理数選抜クラスでは理数探究、英語選抜クラスでは英語探究の授業も始まっています。

 この2学期にはグローバルウィークで70を超えるワークショップ講座があり、生徒の皆さんを含んで様々な分野の専門家が、自らの探究の世界に皆さんを招いてくれました。またその後には、中2の皆さんが、様々な分野で活躍する若手の社会人の方々と進路ワークショップを開きました。社会の第一線で働く20名を超える皆さんから、数学や英語が仕事でいかに必要になっているかを伺ったとも聞きました。これらもみな探究的な学びです。

中2・進路探究のワークショップ

探究学習の醍醐味

 ところでそもそも探究学習とはどういうことでしょうか。「タンキュウ」という風に文字検索をすると、「探求」と「探究」という2つの似た言葉が出てきます。辞書によれば、探求は物事を手に入れようと探し求めること、それに対して、探究は深く考えて物事の真相・価値・在り方などを明らかにすることをいうとあります。ですから、探究学習というときは単に求めるというのでなく、研究の究める方の文字を使います。

 また「調べ学習」をするということがありますが、探究学習とはどう違うのでしょうか。調べるというのは、一般に書籍やネット、さらには論文などで既に分かっていること、既知のことを探し求めるということを意味します。しかし、探究はむしろ分かっていないこと、明らかになっていることでなく、まだ分かっていない未知の物事を明らかにすることなのです。ですから、本やネットでも、最終的に誰かに教えてもらえることでもないわけです。

 ですから探究学習は、何が分かっていないかを先ずは見つけること、課題を発見することから始まります。そしてその真相や解決策の予想を立てる。それが仮説です。本当にその通りなのか、それで解決するのかは、実際にやって見ないと分からないのですが、それが楽しいのです。新しい発見や新たな疑問が探究の醍醐味というわけです。皆さんはその醍醐味を味わえるようになっているでしょうか。

未来を創る探究力

 さて、今日は2学期の終業式です。2学期をふり返って、自分の課題を発見しその解決策を探究する時でもあります。そして「自らの課題とその改善策を発見しようとする姿勢」は、いつもお話ししている本校の基準ルーブリックの三番目にある項目ですが、その真ん中のレベル3は、「これまでの学校生活において、特定のテーマや領域の中では、自分の課題や改善点を具体的に見つけようと努力できているが、その姿勢が継続的にはできていない」です。

 それが継続できればレベル4、複数のテーマや領域で継続できればレベル5です。学習面も生活面も、あるいは部活など、様々な点で良い成果を上げるためには、レベル4やレベル5になっていくことを意味しています。というわけで、このルーブリックで示される事柄は、皆さんの基本的な資質・能力を示してくれるものです。大いに参考にして、それこそ皆さんの課題を解決する探究に取り組んでほしいですね。

 最後に、本校創立者の福田理軒先生が建学のポリシーとした「順天求合」では求めるという文字を使っていますが、意味するところは「自然の摂理にしたがって真理を探究する」ということで、探究精神を的確に表現したものです。その理軒先生の若い頃の写真が発見されました。それはまさに俊才の風貌であり、真理を見極めようという探究者の気概が溢れているように見えます。理軒先生の探究精神に学んで、未来を創造してもらいたいものです。

創立者・福田理軒先生(新しく発見された若い頃の写真)

 

 

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