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お知らせ

アリとキリギリス ( 9/1  第2学期始業式より)
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お知らせ

アリとキリギリス ( 9/1 第2学期始業式より)

猛暑の夏を過ごす

 今年の夏は、「命に関わる危険な暑さですから、室内の涼しいところで過ごして下さい。」と、天気予報士さんが、毎日のように注意喚起していました。本当に猛暑、酷暑の夏でしたね。皆さんはどのように過ごしたでしょうか。

 このような自然界の環境変化に対して、私たち人間はすぐ弱音を吐いてしまいますが、他の生き物はどうでしょうか。1学期の終業式で話題にした「蚊」ですが、彼らは24℃位になると活動するらしいのです。それでも、35℃を超えると活動ができないらしく、おかげで、今年の夏は蚊にあまり刺されなかったようですね。

 しかし、アリは、夏の暑い日にもよく活動しています。ある中学2年生の研究によると、アリの活動の限界気温は40℃だそうで、今年の暑い夏は、さすがのアリも余り見かけませんでした。しかし実は、アリは夜になっても働いていて、24時間働き続けるのです。正確には、働き蟻は1分間の休憩を1日に250回ほどとっているそうで、1日で合計5時間ほど、睡眠ではなく休憩をとっていることになりますね。

 そもそも、昆虫は変温動物なので、外気温により活動が左右されます。昆虫の活動的な気温は大体25~30℃で、40℃を超えれば徐々に死滅していく様です。反対に、15℃を割ると活動が鈍くなり、10℃以下では越冬体制に入るようです。

アリとキリギリス

 このような話を聞くと、何か思い出しませんか。そう、おそらく誰でも知っている「イソップ物語の『アリとキリギリス』です。夏の暑い日にも関わらず、アリは一生懸命に働いているのですが、キリギリスは気楽に演奏して遊んでいる。しかし、やがて冬が来ると、アリは食料一杯の寝床があるのですが、キリギリスは凍え死ぬ・・・。というわけです。

 さて、イソップ物語は2500年程前からの寓話ですが、「アリさんとキリギリス」というタイトルで、現代社会の人たちの考え方を分析した、大変おもしろい本があります。著者は東大の工学部を出てからビジネスコンサルタントの仕事をしている、細谷功さん。

 可愛いアリとキリギリスが対話している挿絵がたくさんあって、誰でも楽しく読めます。たとえば、言うまでもなく、アリは巣を作ろうと働くが、キリ(キリギリスのこと)は巣を作らないで遊んでいる。アリは集団の規則を大切にするが、キリは自分の判断を大切にする。アリは二次元の地面で生きるが、キリは三次元の空間で生きる。と言った、アリとキリの様々な考え方や生き方の違いが、私たち人間の中にもあると思わされます。

 細谷さんに言わせると、アリとキリのタイプの割合は、9:1というより、キリはもっと少ないかもしれない。しかし、人は誰でも、子供の時は「キリ」だったというのです。確かに、天才と言われるような人は、大人になっても子供のような自由な発想がありますね。皆さんはどうでしょうか。やはり、アリタイプ、それともキリタイプ?

細谷功氏(アリさんとキリギリス:さくら舎)

キリギリスの生き方

 ところで、今年の高校案内のVTRは、今までとずいぶん違っています。探究活動をした人たちへのインタビューが中心なのです。その最初と最後に出ているのは柴田さんです。柴田さんは、お父さんが交通事故で障害者になってしまったのですが、そのお父さんが、パラリンピックに出たいと言うので、大変驚いてしまいました。そこで、そのためにどうすれば良いかと考え、トビタテ留学でイギリスに学びに行った先輩です。

 彼女は、どんな大人になりたいかという問いかけに対して、「今の自分のままでいたい」というのです。その理由は、「大人になるとちょっとしたことに驚かなくなると聞く。自分は、ちょっとしたことにも驚いて、興味を持つことのできる人であり続けたい。」というわけです。とても大切な指摘だと感心しました。アリになりがちな人生で、キリギリスの生き方を大切にしたいと言っている気がします。

 実は、多くの人が当たり前だと思って、気づきも驚きもしなくなってしまうようなことをあえて考えることを、少し難しいのですが「メタ認知」とも言います。これまでの知識や考え方、生き方を見直してみるといったことで、現在の自分や世界を、一つ上の視点から捉え直すことなのですが、このメタ認知のある人は、学習能力が高いと言います。

 たとえば、サイエンスの世界で見てみると、アイザック・ニュートンはリンゴが樹から落ちるのを見て、万有引力を発見したとか言われていますが、それまでも、リンゴ園で働く多くの人は、リンゴが落ちるのを何度も見ているはずなのですが、それが地球の引力によるものだとは考えません。普段、当たり前だと思って、気づきも驚きもしないことを考える、これが「メタ認知」です。

ニュートンの林檎の樹(接木された樹:小石川植物園)

創造的な文化祭を

 さあ、いよいよ始まる第2学期です。暑さも少し治ってくることでしょう。働きアリはまだまだ、24時間頑張っているようです。皆さんも、アリの堅実な働きにも学びながら、キリギリスのような自由な発想も大切にして欲しいですね。

 とくに、今月末にある北斗祭(文化祭)では、アリのような協力とキリギリスの発想力がとくに必要です。クラスやクラブのチーム力と、一人一人の創造力を発揮して、友達や観客の皆さんを、大いに感動させてもらいたいものです。

 毎年、a haunted house(お化け屋敷)が人気のようですが、ただその怖さにキャアーと叫んでいるだけでなく、人は何故、お化け屋敷に興味を惹かれるのか、人は何故驚くのかなどを探究し、自分たちの行動を客観視するような企画ができれば、それはもうメタ認知です。いつか、そのような企画ができたら嬉しいですね。期待しています。

 

 

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