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グローバルウィーク・ダイジェスト2023 4日目(11/16実施分)
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2024/01/11

グローバルウィーク・ダイジェスト2023 4日目(11/16実施分)

2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月13日(月)~11月17日(金)の1週間を通して実施しました。

今回は11月16日(木)に行われた4日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。

◆トピックコード 401
「ChatGPT などの生成 AI の仕組み、 始め方、使い方、注意点」
 杏林大学 データサイエンス教育研究センター  センター長 教授 坪下幸寛 先生

 参加生徒数 23名  報告者名 小松龍矢

 

1.トピック内容等
まず最初に、ChatGPTなどの生成(系)AIを使用した際に、発生するであろう問題点を、生徒が考えたものを、全体で共有しました。
それから、生成AIについての定義や使い方を、教えてもらいました。

今までのAIでは、予測や分類が多かったが、今あるAIでは、関係性の学習から創造まで、できるようになってきた。音声合成なども、まだまだな部分があるが、昔のものに比べると、だいぶ滑らかで、流暢なものになってきている。
AIでは、確率的言語モデル、適当なものを返しているが、確率だけではなく、ほかの要素をいくつか組み合わせることによって、同じような内容であっても、異なる文章を返すこともある。

プログラミングや、文章の要約などに対しては、結構便利に使えている部分が多く、また、アイディア集め・アイディア出しについても便利である。
ただし、社会分野・理科分野は、事実と異なることもあるので、事実かどうかを確認する(ファクトチェック)が、必要である。

また、もともとのデータに偏りがあるので、(例えば、男性が管理職には多いなど)結果がそちらに偏ってしまうこともある。オンライン上で、自由に学ばせようとしたマイクロソフトでは、人権侵害・差別的なものが、多く集まってしまった。
やはり、まだ人間によるフィルターや、修正作業が必要である。

2.生徒の感想
・chatGPTは、現在多くの人が使っている物であって、使い方によっては、良く利用することができる、ということが分かったので、上手く利用出来るようにしていきたいです。
・Chatgptは、文章の要約や、テーマ設定の提示など、自分1人で考えると、時間がかかることなどを省くことができる機能だ、ということを学ぶことができました。

◆トピックコード 402
「連載マンガにもなっている 植物病理学!植物のお医者さん!?」」
 東京農業大学 農学部 農学科 学科長 篠原弘亮 先生 
 参加生徒数  生徒10名  報告者名 白井恵美

 

1.トピック内容等
まず、最初に、農学の研究範囲の広さのついて、東京農業大学のパンフレットを用いて、説明があった。
 次に、植物の病気についての解説があり、植物も病気になる。その原因は、ウイルス、細菌などであると説明があり、実際に、シャーレを観察した。病例としては、「イネいもち病」を取り上げ、微生物の植物への感染例や、アイルランドのジャガイモ飢饉、ド・バリーの検証の話題などがあった。
 また、漫画「植物病理学は明日の君を願う」が紹介された。

 最後に、作物の病気を防ぐために、農薬や貢献していること、微生物を使うこと、植物で防ぐこと、そして検疫の重要性などが説明された。
 映像だけでなく、実物・現物の観察もたくさんでき、貴重な体験となった。

2.生徒の感想
・農薬は、今まで少し危険性があるものと思っていたのだが、たくさんのお金と努力が積み重なってできていることを知り、少し安心した。
・たくさんの植物の病気があること、植物もワクチン等が必要なこと、安全な農薬が多いことがわかった。

 

◆トピックコード 403
「実は馴染みの深い国ドイツ?—「物語」を手がかりに」
 杏林大学外国語学部 田中洋 先生

 参加生徒数 14 名 報告者名 香西令菜

 

1.トピック内容等
ヘルマン・ヘッセ「少年の日の思い出」、ミヒャエル・エンデ「モモ」の紹介と、作者の背景についても、紹介されました。また、それぞれの作品が、日本で多く読まれていることの分析、そこから見られる、日本とドイツの共通点、相違点の講義でした。質疑応答では、ドイツ語の敬語的表現と、グリム童話について、生徒からそれぞれ質問があり、興味深い話が聞けました。

2.生徒の感想
・ドイツと日本が、思っていたよりも親密な関係にあったことに、驚きました。また、共通点が多く、敬語表現があることにも驚き、ドイツ語と英語が、似ていることも学べました。ひさしぶりに、少年の日の思い出を、読み返したくなりました。
・ドイツの文学は、こんなにも親しみがあったとは、思いませんでした。読みたい小説が、この講座を受けて、たくさん見つかったので、4読んでドイツ人の思想をもっと知りたいです。

◆トピックコード 404
「自分軸を持ち好きなことをやる: 産官学を経験した味覚研究者からの 研究紹介とエール」
 東京農業大学応用生物科学部食品安全健康学科 教授 岩槻健 先生

 参加生徒数 11 名  報告者名 小寺博明

 

1.トピック内容等
2度の留学経験を積み、産官学を渡り歩き、様々な経験を積み、現在は「霊長類の味覚研究を行っている教授より、日ごろ実践している味覚研究を、体験を交えながら紹介していただきました。
チョコレートの甘さを感じなくなってしまう体験、レモンがとても甘く感じる体験をし、その仕組みが、どのようなものか、解説してもらいました。また、研究内容だけでなく、教授自身の留学経験から、どのようなことを体験し学んだか、生き方や考え方についても、様々なお話をしていただき、生徒に向けて、“自分自身を知り、本当に好きなことを見つけてください“と熱いメッセージをいただきました。

生徒からの質問も頻発し、活気あるやり取りが多くみられました。自身のことを悲観的に捉えていた生徒が、勇気をもらえるような場面もあり、これからの過ごし方を、考えさせる機会が多い内容でした。

2.生徒の感想
・ミラクルフルーツによって、レモンの酸味が抑制され、甘味が強く感じられて、不思議な体験ができた。
・自分は食関係のことに興味があるということが、改めてわかった。面白く、ためになる授業をありがとうございました。東京農業大学にも、興味を持つ良い機会となりました。

 

◆トピックコード 405
「食育で得られるマルチスキルでSDGsに貢献しよう」
 東京家政大学ヒューマンライフ支援センター 教授 内野美恵 先生

 参加生徒数 8名   報告者名 香渡里沙

 

1.トピック内容等
■プログラム内容:
日本における食育の課題(貧困、肥満、栄養不足、食料自給率)を整理した上で、アフリカのピグミーアカ族とマサイ族の比較文化から、生き残るための食育を学んだ。また、今後「何を誰とどのように食べるか」という選択をしていく上で、育児や介護を含むマルチスキルや「レジリエンス力」が重要な鍵であり、それらの力は、五感を使う経験を通して高められると、確認した。
最後に、日本の自給率を高めるための案として、海藻や昆虫食、鯨漁についても触れられた。

【マサイ族】
男性は戦士として戦う。動物の血を摂取することで、必要な栄養素をとる(野菜を食べる必要なし)。家事分担については、男性優位な役割社会=短期間で生産性をあげるには、有効的(長期的な視点では×)。

【ピグミーアカ族】
「世界一のお父さん」として、メディアに取りあげられた民族。赤道直下で生活しているため、平均的な身長は120cm程度で、木の実や果実を食べる。狩猟採取・育児に関して、男女の役割という概念がない(ジェンダーレス)。

■生徒の様子:
女子が過半数を占めていた。生徒が発言したり、ペアやグループで活動したりする場面はなかったが、全員が終始集中して参加していた。

2.生徒の感想
・同じ世界にいても、マサイ族と日本人では、全く違う生活をしている
・アフリカのマサイ族・ピクミーアカ族を参考に、現在の日本の男女のあり方について学び、今の子供の生活のあり方について、深く感じることができたと思う。

 

◆トピックコード 406
 「海の世界に飛び込め!「体験」することの大切さ」
 マイズダイビングブレス代表 亀井友香 先生

 参加生徒数 22名 報告者名 大河原崇

 

1. トピック内容等
 亀井さんが、終始笑顔で楽しそうに海、海の中について、ご自身のダイビング経験を通じて撮影した画像で、提示しながら話してくださった。自分の好きなことをつうじて人生を充実させることや、自分の好きなことである海を通じた、ほかの世界とのつながりなど、「ダイビング」だけでなく、「生きる」ことや「楽しい」について学ぶ時間であった。また、生徒同士、自分の好きなことについて話す時間は、生徒が自分の好きなことについて、生き生きと語れていた。
話だけではなく、実際に潜るところまでやってみたいものだ。

2.生徒の感想
・海の中は、地上とは全く違う環境で、会いたいと思っても会えない、野生動物に会えた時の感動などについての感想など、普通に生活しているだけではわからない感想などを、教えてもらえたのでよかったです。ダイビングに、とても興味がわいてきました。いつか潜りたいです。
・少しでも海に問題があると汚くなってしまうことや、観光できなくなる、海に住んでいる生き物たちに被害が出てしまう、などの多くの影響を、与えてしまうということがわかり、大切さが、よりよく分かった。そして今回、海は海でも場所によって全然違うということも分かり、いろんな海に行ってみたいと思いました。

 

◆トピックコード 407
 「自分の気持ちを大切にする 進路選択の仕方」
キャリアプロデュース株式会社   代表取締役 桑名暢 先生

 参加生徒数 18名  報告者名 齋藤成利

 

1. トピック内容等
今回の講演で最も印象に残っている言葉は、『他喜力(たきりょく)』である。
これは、他人を喜ばせたいと思う力のことであり、そう思うことが、結果的に夢や目標を叶えるために、必要なことであると教わった。
自分のために頑張るよりも、誰かのためにと思って努力するほうが、努力を続けやすいと言われて、確かにそうだなと納得した。進路選択する上で、「どんな人で在りたいか」「人にどう向き合いたいか」という気持ちに、寄り添うことが大切だ、ということを学んだ。そして、できないことを探すのではなく、できることを探す、できることを増やしていくことを重視して、日々の生活に向き合っていくことが、進路選択の助けになるとのことだった。また、身近な人が、人生のきっかけになることも多くあり、出会った人、もしくは、経験や体験を大切にする心を持つことも、大事である、という話を聞くことができた。

講義の中で、簡単な質問に答えて自分のタイプを知る、という時間があった。タイプはコントローラー、プロモーター、サポーター、アナライザーの4種類に分かれ、それぞれのタイプによって進路を決める際のポイントが違うため、そのポイントを理解して進路を決めていくことが大、切だということだった。 

2.生徒の感想
・自分の好きなものを否定されるのは、不快だということ。自分の中から出てくることの力が強いこと。自分の好きなものを、自分で否定することはやめようと思った。
・進路は、振り回されるのではなく、自分が楽しむことを考えるのと、相手を楽しませることを考えるということが、大切だということを学びました。

◆トピックコード 408    
 「薬の歴史、発見と開発」
 東京農業大学生命科学部バイオサイエンス学科 准教授 佐々木康幸 先生 
 参加生徒数 21名 報告者名 平田嘉納子

 

1. トピック内容等
先生の自己紹介を兼ねて、ご自身の活動や取り組みなどを紹介してくれました。

 頭が痛いという症状に対して、頭痛薬は、どのように開発されていくのだろうか。一つの考え方は、なぜ頭が痛いかは、とりあえず置いておいて、痛みの脳への伝達を阻害することである。自然界からの作用があるものを発見して、生薬や漢方薬とされてきた。一方、病気の原因として、何かタブーをおかしたり、宗教的禁忌を犯したりすることだという考えもあり、祈祷や神の力による治療も試みられた。19世紀ドイツで、アヘンからモルヒネが精製されてから。薬の歴史が大きく進歩していった。

 現在、創薬の研究開発には、9~17年の期間と、10億から100億円の費用がかかる。今後、薬の開発にも、AIが活用される可能性がある。
その他の話題。海外と日本では、薬の使用目的が違う。日本では頭痛薬は頭が痛い時しか使わないが、血液サラサラ効果を期待して、頭痛ではなくても頻繁にのんだりする国がある。西洋医学中心の国の人は、薬に対する抵抗が、日本人よりも少ない。など目新しい話もありました。

2.生徒の感想
・進学をするか、迷っている分野のお話を聞けたので、参考になった。
・薬が開発されるまでには、いろいろな過程が踏まれていることが分かった。また、事前課題で、どのようにして薬が開発されたのかについて調べたが、自分が調べたこと以上に過程があったことに、よく気づけた。また、新しく薬を作るときには、チームの中でよく話し合い、そこから研究していくという過程を踏むが、その薬を作るのに成功するかどうかのカギだと思った。

 

◆トピックコード 409
 「トビタテ留学 Japan とは?〜リアルな 3 人の留学経験談〜 【生徒企画】」
 順天高校 高校二年、高校一年 塩沢楓佳・杉江寿子・小川茉穂 先生

 参加生徒数 21名  報告者名 上里拓也

 

1. トピック内容等
トビタテ留学ジャパンに採択されて、今年留学した3名によ、る留学の準備・手順(15分)と実際の様子(20×3名)。

準備手順:手続き日程や、提出書類、書類作成の体験談など。

実際の様子1人目:保育について学びにニュージーランドへ
日本の保育は、保育士の負担が大きい。海外の保育について学んで、よいところを取り込みたい。NZでは、縦割りクラスで上級生から学んでいた。先生は、直接教えない様にしていた。大人から見ると危ないこと、大変なことでもやらせてみる。困ったり、傷ついたりすることの中から学んでいた。

2人目:ボイストレーニングについて学びにニューヨークへ
人生に困った人を、音楽で助けられるようなアーティストになりたい。日本のボイトレと異なり、理論的だった。いろいろな意味で自由、悪い面もあるが、異なる相手を認める、自分も相手も、ありのままに生きていた。

3人目:発展途上国の貧困問題を学ぶためにマレーシアへ
もともと貧困問題に興味があり、経済が発展しつつある、マレーシアの闇の部分を見に行った。遠い国の遠い問題であったことを、身近に体験することができた。当事者意識ができた。私が動かなければ。自信や多角的な視点が身についた。

【様子】
参加生徒には、留学に興味をもって参加している人も多く、どのような準備が必要なのか、どんな体験をしたのか、生の声を聞いて、終了後に詳細を質問する生徒もいた。生徒企画であるが、大学な、どほかの発表者と比べても全く遜色ない内容だった。

2.生徒の感想
・中学3年生の、ニュージーランド留学にはいけなかったけれど、トビタテ留学ジャパンについて知ることができて、よかったです。高校に入ったら挑戦してみたいです。
・カナダに行った時の研修旅行を思い出し、留学は自信がついて、トビタテは何事にも挑戦出来ることを、初めて知れた。

 

◆トピックコード 410
 「誰でもどこでも言語学」
 獨協大学外国語学部フランス語学科     教授 田中 善英 先生

 参加生徒数 19名  報告者名 小町浩一

 

1. トピック内容等
「言語学とは何か」というテーマでの、ワークショップであった。広義の言語学は、日常生活のありとあらゆる場面に関わってる。身の回りの些細な現象が、どのように言語学と関連するかという発見から、フランスの文化、フランス人気質、フランス語の文法語法に至るまで、「ことば」というものについて、楽しく考える場であった。グループワークを通して、話題提供者からのなぞなぞのような問いかけに、生徒たちは楽しそうに考察し、発言していた。言葉というものの奥深さを知る、よい機会になっていたと思う。 

2.生徒の感想
・話されている言語は地域によって違い、人々の生活や文化に基づいているということです。普段からふとした事でもなぜ?どうして?と疑問に思うことは大切であり、疑問に思ったことは、自分なりに答えを出して、その物事に対する理解を深めていきたいです。
・言語学というものは、そこら中に転がっていること。単語の成り立ちの歴史を知ることで、その国についても深く知ることができる、ということが分かった。

◆トピックコード 411    
 「SDGs とグローバルな環境問題」
明治学院大学法学部   准教授 鶴田順
 先生
 参加生徒数 10名 報告者名  三井田真由美

 

1. トピック内容等
  SDGsは国際規範であり、法的拘束力はないという点を明確にし、SDGsと国際法について説明して頂きました。続いて、目標14「海の豊かさを守ろう」と目標12「つくる責任、つかう責任」の視点から、海の生物資源を中心に、解説していただきました。海洋資源は、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)魚業のため、危機的な状況になっています。世界の漁獲物の約2割、日本では約3割が、違法・無報告・無規制(IUU)によるものとされていて、EUやアメリカを中心に、規制の強化が始まっています。
一刻も早く、IUUの漁獲物の販路を断ち、グローバルな国際規範を、作っていかなければなりません。

終わりに、MSC(海のエコラベル)を紹介して頂きました。私たちも、できることに取り組みたいと思います。
事前課題に取り組んだ生徒の発表の時間もあり、生徒の意見も聞くことができました。

2.生徒の感想
・SDGsについて学びました。また、最近魚が減ってしまっていて、値上がりをしている原因もわかりました。また、魚を育てるのも大変で、一匹が病気にかかったら全滅したりな、どのリスクが多いことについて気づけました。
・SDGsにはたくさんの項目があり、今回の海洋については、あまり着目してこなかったため、日本の課題が見えてきた。

◆トピックコード 412
 「脳を作る神経幹細胞の運命制御」
東京大学 大学院   薬学系研究科 
後藤由季子 先生
参加生徒数 14名 報告者名   亀田麻記子

 

1. トピック内容等
前半は、複雑な構造の脳がどのようにして作られるのか、脳を構成する神経細胞が、どのようにして生み出されるのか、といった内容をはじめ、自閉症と前頭前野の神経細胞数との関連性や、成体脳での神経新生メカニズムなど、専門的な内容を、楽しく易しくかみ砕いて、レクチャーしてくださいました。

さらに後半は、「人間とAIはどう違うのか」について、後藤先生と生徒たちが話し合い、生徒全員が、熱心に自分の意見を語っていました。「人間は、生殖して変化しながら存続するけれど、AIはそういうことはない」など、独創的で深い思考が生徒から次々と飛び出し、後藤先生も非常に面白い!と、高く評価してくださいました。

2.生徒の感想
・人間の脳の作りが自閉症に関係している、ということを、初めて知ることができた。また、神経ニューロンが、どういうタイミングで増加・減少するのかが分かった。人間とAIの違いについて、多くの意見を聞くことができ、面白かったです。また自分の脳で何が行われているのか、知りたくなりました。
・人とAIは何からできていて、何で動いているかなどがまったく違うが、技術が進歩していけば、いつか、人とまったく同じ能力を持ったAIが生まれるのか、気になった。

◆トピックコード413
 「デジタルヘルス分野の動向について」
ジンマー・バイオメット合同会社  ROSAリコンマーケティング  船越 詩ノ介 先生
参加生徒数 12名 報告者名    増田 三華

 

1. トピック内容等
日本の医療の現状を、3つのトピック(少子高齢化、医師の働き方改革、医療費の高騰)から確認した。それらの問題に対応するための、医療提供格差の改善、業務効率化、早期発見・予防に、デジタルヘルスへの期待が高まっている。
 デジタルヘルスとは何か、その分類(遠隔診療など、AIロボット、mHealth/予防・健康促進、診断・治療、予後・介護)、動向(プログラム医療機器の実用化推進)について、明瞭にご教示いただいた。
 現在の解決策として、オンライン診療、治療アプリ、プログラム医療機器などが挙げられ、これからの医療の在り方は、デジタルヘルス製品の普及によって実現していく。

 医療4.0のキーワード・・・①多角化:ex)予防医療・オンライン診療、②個別化:ex)ウェアラブルデバイスの活用による、個人のヘルスケアデータの管理、③主体化:患者側が主体性を持つex)ヘルスケアデータの自己管理。

 整形外科手術で使用する、インプラント(人工関節)の現物を触らせてもらい、手術用ロボットのサポート技術、海外ではすでに活用されている、ホロレンズを用いた手術計画やサポート(遠隔で医師同士、医師と患者を繋ぐ)などを、動画ともにご説明いただいた。

 生徒は、企業で取り扱う医療機器の種類や安全性、進路相談を含めて積極的に質問しており、明確にご回答いただいた。

2.生徒の感想
・医療に携わるのは医者や看護師だけではなく、情報化にのった進化を助ける仕事もあるんだと知った。
・医療工学について、より詳しく知ることができ、進路選択に役立った。

◆トピックコード 414
「社会で役立つ発想力の鍛え方」
 KIT虎ノ門大学院   教授 三谷 宏治 先生 
 参加生徒数  生徒27名 報告者名 菅原花菜

 

1.トピック内容等
「知識と常識にとらわれている」という意識に気づくために、「2つの円のなかで、どちらの方が大きいか」という、目の錯覚を説明するのに、よく使用される図に似たものを用いた活動が行われた。

問いに対して、はじめは「2つの円は同じ大きさ」と答える生徒が多数であった。しかし、実際重ねてみると左右の円の大きさは異なり、「これは錯覚を説明する画像だ」と思い込むことで、考えることをやめてしまっていることを、実感させられた。それでは、2つの円の大きさを比べるには、どうしたらいいかということについて、「座って悩むのではなくて、動いて考える」ことを重視して、グループでの話し合いが行われた。
生徒たちからは、「実際に定規で計る」「コンパスを使う」「重ねてみる」といった回答が得られた。

講義内容は、発想力について「発想とは発見→選択→探求→追求することである」という内容であった。
授業終盤には、「紙コップはどうしてこの形なのか」ということを、グループで話し合った。各グループでハサミを用いて紙コップを解体し、対照実験が行われていた。
生徒たちは、グループでの活動や授業に対して積極的に参加し、正解にとらわれない発想と探求ができているように見えた。

2.生徒の感想
・座って黙って考えるのではなく、自分で動いて考えるという姿勢が、何について考える時にでも言える、と思いました。これからは、自分で積極的に動いて、いろいろ試しながら考えたいなと思いました。
・何かを考える時は、「座って悩むのではなくて、動いて考える」という事です。人は座って悩むというのを当たり前にしてしまって、動いて考えるということを、しなくなってしまいました。だからこそ、何かを考えたり悩んだりする時は、周りを見渡したり、自分を俯瞰して見たり、という事が大事になってくる、ということを学べました。

◆トピックコード 415
 「100 年後のテクノロジーと 未来社会を考える」
 日本科学技術ジャーナリスト会議 理事 山本 威一郎 先生 
 参加生徒数  生徒15名 報告者名 小林優子 

 

1.トピック内容等
現代の4大主要技術①計算・処理・記録(コンピューター、スマートフォン)、②測位(GPSと電子地図)、③通信(インターネット)、④システム(ソフトウェア+ハードウェア)の発達の歴史について振り返りながら、昔の人が考えた現代が、意外と実現していることを確認した。また、今後AIによってなくなる仕事もあり、AIが作る仕事、そして脅威もある。100年後の未来は癌の絶滅、平均寿命が120歳、空飛ぶ自動車などさらに発展していっていることが予想される。そこから、人類は仮想空間に生きる、退化する肉体と頭脳など、行きつく姿を考え、どのようにそんな時代を生きていくかを考えるプログラムであった。

2.生徒の感想
・科学技術の進歩は、人々の生活において非常に重要です。問題の解決:科学技術は、様々な問題の解決に役立ちます。例えば、医療技術の進歩によって、病気の予防や治療が進み、人々の健康を改善することができます。また、エネルギー技術の進歩によって、持続可能なエネルギーの開発や、石油依存の削減が可能となります。
・この講座で100年後の日本は、今よりももっと便利になっていくことに対して、自分には何ができるのかを考えられたことが、1番の収穫だと思ってます。

◆トピックコード 416
「ヒトの身体と運動の仕組み ~姿勢や動作を安定させるには~」
杏林大学保健学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 教授 跡見 友章 先生 
 参加生徒数  生徒16名 報告者名 栗原 篤志 

 

1.トピック内容等
「リハビリテーション」(Rehabilitation)は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っている。そして、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、専門職として挙げられる。事前課題について発表、実際に身体を動かしながら検証した。
また、「人の体の重さのバランス」として、頭部・体幹で全体の質量の60%程度であり、大きな質量を下半身で支えていることになる。頭部・体幹・上肢・下肢など、複数の体節によって構成されている。

【生徒の様子・発言】「良い姿勢とは…」「姿勢」「支持基底面」「身体重心」について
1. 重心が偏ることなく、(両足重心)骨盤に上体が安定して乗っていること。
2. 耳垂、肩、大転子、外果が一直線になっていること。
3. 支持基底面が狭く、質量重心が高いほど安定する。
4. 支持基底面が狭く、重心が低いほど安定する。
※3,4は、検証の結果、関節の柔軟性など、個人差により安定の度合いが異なる。

 生徒は意欲的であり、実際に身体を動かしながら、楽しんで講義に参加していた。
特に男子生徒1名が、事前学習に大変前向きに取り組み、専門用語を交えて発言していた。

2.生徒の感想
・普段、何気なくやっている行動を、体の観点から理論的に考えると、色々なことが繋がり、面白いことがわかりました。私はよく周りの人から、姿勢を直したほうが良いと言われます。今回の講義を受けて、体に負担をかけない「いい姿勢」とはどういうものかを考え、知ることが出来ました。
・自分、姿勢がすごくよくなくて、それの原因って何だろうと思って参加したのが、思ったよりも姿勢は、体のポイントポイントで(例えば重心と支持基底面のバランスとか)細かいところを、うまくバランスとられて作られていることを知って、人体の不思議を感じ取れたし、生物、ほんとに苦手だけど、それに近いようなトピックに興味を持てたことが大きいと感じた。

◆トピックコード 417
「Intercultural Communication」
 杏林大学 講師 黄春美 先生 
 参加生徒数  生徒16名 報告者名 田部葉子 

 

1.トピック内容等
Culture, interculture, culture icebergという概念を理解するため、それぞれの概念についてのグループワークで、自分がどう考えるかを話し合った。参加生徒のなかには、外国籍の生徒が複数名おり、実体験についての話のなかで、外国での経験や留学経験がでてくるなど、intercultureという概念は、比較的理解しやすかったように思う。しかし、culture iceberg(表面上に出ている文化的特徴と、表面に出ていない文化的特徴)の概念理解や、具体例についての話し合いでは、生徒たちが考えうる「文化」と、学問としての「文化」に違いがみられた。表面に出ていない文化には、社会的通念により引き起こされる行動や、信条を含むが、「見える文化の原因としてある、見えない文化」という問いは、だれにとっても難しいものであるが、だからこそ考え、話し合うことに意義があった。

その後、杏林大学の学生による、海外留学の体験を通して「見える文化」と「見えない文化」を学び、アクティビティとしてクイズを行った。解答できた生徒には景品のペンもあり、生徒は楽しそうに参加していた。

2.生徒の感想
・文化の表面的にわかる違いと、目でみてはわからない、習慣や宗教などについて、自分たちで英語を交えながら、ディスカッションすることができました。今まで考えたことなかったような、目で見える文化と、見えない文化の違いの繋がりや、各国での文化の違い、その文化はどのような意味が込められてできたのか、などなどさまざまなことを、講師の方から学ぶことができました。また最後に留学に行っていた時のお話も聞いて、多様性を感じることができ、面白かったです。そして海外へ行きたいという気持ちも、さらに強まりました。
・英語で発言する機会が多く大変だったが、間違いを恐れずに相手に伝えようとすれば、満足に喋れなくても伝わる、と言うことがわかった。また、文化の違いについて、それぞれの文化が違うのは当たり前で、違いではなく、似ているところを探してみることが大切、と言っていたのが、とても印象に

 

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