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グローバルウィーク・ダイジェスト2023 5日目(11/17実施分)
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2024/01/11

グローバルウィーク・ダイジェスト2023 5日目(11/17実施分)

2016年に、SGHの活動の一環として始まり、「立場を超えて互いに学びあう1週間」をスローガンに、それ以来毎年実施しているGlobal Week。今年度は以前通り11月13日(月)~11月17日(金)の1週間を通して実施しました。

今回は11月17日(金)に行われた5日目のダイジェストを各トピックの運営担当者よりご報告致します。

◆トピックコード 501
 「あなたは大人になったら子供を作れますか?」
 聖隷浜松病院  リプロダクションセンター長  今井伸 先生 
 参加生徒数  生徒18名 報告者名 熊木幸司 

 

1.トピック内容等
グローバルウィーク初回から、参加してくださっている今井先生、恒例のトピックです。
内容は、中高生が気になる、「性」についての話がメインです。去年も、このトピックを選んだリピーターもいるなど、一部の生徒に圧倒的に人気のある理由は、なんといっても、普段は周りが気になって、大きな声では言えないような内容のことも、ここでは真剣に議論ができる、ということでしょう。
性の悩みは、この年頃の子たち(特に男子生徒)に、尽きることはありません。
生徒たちは、今井先生に、たくさんの質問や疑問を投げかけていました。その一つ一つに、丁寧に答えてくださっている今井先生の姿が、印象的でした。
来年、高3になっても、このトピックだけは参加したいと言い残して、今井先生にお礼を言って帰っていく生徒の姿に、グローバルウィークの真髄が、表れていた気がします。

2.生徒の感想
・性について、保健では分からない分野も、詳しく知れた。
・医学的根拠を元に、わかりやすく説明してくれたので、いろいろなことが理解できた。

 ◆トピックコード 502
「世界の「食」をのぞいてみよう」
 女子栄養大学  准教授  衞藤 久美 先生 
 参加生徒数  生徒17名 報告者名 菅原和彦

 

1.トピック内容等
世界各地の食事を紹介し、国ごとの特徴や、文化の違いとの関連などを、考えていた。
栄養に関する考え方も、日本と海外では異なるなど、興味深い話も多かった。
栄養のバランスを、図やチャートで表す、世界各国の方法の紹介も、興味深いものであった。
また、生徒各自に、日常の食事のバランスを考えさせたり、偏った食事をしてはいないか、などを振り返らせ、他の生徒との比較、改善策など、楽しくかつ分かりやすく、解説されていた。
最後に、埼玉県坂戸市にある女子栄養大学の紹介もあった。

2.生徒の感想
・毎日3食摂って、バランスの良い食事ができていると思っていたが、主食・主菜・副菜・その他が、毎回の食事で揃っていないことが、分かりました。また、メロンパンやクリームパンといった菓子パンは、「パン」という名前がついているから主食、というわけではなく、食事バランスガイドにおいて「ひも」と呼ばれる、摂っても摂らなくても、バランスが取れている分野に含まれる、ということが分かりました。
大学では、栄養学を学びたいと思っているので、とても貴重で有意義な時間でした。
・世界には、それぞれの国により、食文化が異なったり、フードガイドの形や内容が異なり、面白かった。食べ方も、多種多様で興味深い。

◆トピックコード 503
「脳と心とは何だろう」
 佐賀大学 医学部 生体構造機能学講座 神経生理学分野助教 栗原 大河 先生

 参加生徒数 35名 報告者名 小林優子

 

1.トピック内容等

前半は、脳科学の基礎知識から精神疾患についての講演を聞き、理解を深めた。
患者数が多い疾患というと、癌を想像するが、誰もがなりうる疾患で、全国で30万人が入院している精神疾患(うつ病など)が、現在の日本では、大きな問題となっている。
精神疾患の診断基準は、他の病気に比べて、睡眠過多・抑うつ状態などと、科学的に診断することができないため、診断が難しい。

そのため、科学的な診断ができるようにすることが、今後の課題である、とのことである。
後半は、『どのような行動実験で、マウスのうつ病、自閉症、認知症を評価できるのか』を、グループごとに、うつ病・自閉症・認知症の特徴を調べつつ、議論し、発表活動を行った。生徒からは、迷路実験や食行動の異常、異性への興味など、様々な着眼点から、それぞれの疾患の特徴を捉えて実験し、評価する方法を考え、発表することができていた。

2.生徒の感想
・うつ病など、精神疾患の定義づけの難しさや、授業では知ることの出来ない、詳しい神経伝達の仕組みをしれたこと。自分たちの考えも考え方次第で、論文に使えるような実験になりうる、ということを知れたこと。ありがとうございました。
・うつ病には、精神的な原因だけではなく、ホルモンなども関係している可能性がある。
実験に使われるネズミは、しっかりとした審査を通って、できるだけ、動物たちが苦しまないようになっていると聞いて、安心した。

◆トピックコード 504
「核兵器の使用を防ぐにはどうしたらいいのだろうか?」
 東京農業大学生物産業学部自然資源経営学科  教授 佐藤史郎 先生

 参加生徒数 17名 報告者名 山崎果歩

 

1.トピック内容等
核兵器の使用を防ぐための方策について、「核抑止・核禁忌・核廃絶」という、3つのキーワードから考えた。
生徒の様子:核兵器を使わせないためにはどうすればよいか、という問いに対して、「核兵器を使わせないためには、核兵器を持つことが大切である」という、「核抑止」の考え方を知った時に、生徒も大変驚いている様子であった。核兵器はよくないものと日本人は考えているが、核兵器は必要であると考える国があることを知り、広い視点を得ることができた様子であった。講座後も、複数人が教室に残って質問をしており、積極的な姿勢を見ることができた。

2.生徒の感想
・核兵器に対しての各国の意見を通じて、核兵器の必要性と危険性について、考えることができた。また、原子爆弾が落ちた広島と長崎で、原爆に対する考え方が違うことも、知ることができた。
・核爆弾の非人道性を知り、どのように核使用を止めるかを、学ぶことができました。

◆トピックコード 505
「映画で世界の課題を伝え、 その解決のために行動を促す映画事業」
ユナイテッドピープル株式会社   代表取締役 関根 健次 先生

 参加生徒数 22名   報告者名 香西令菜

 

1.トピック内容等
関根さんが、ユナイテッドピープルを立ち上げ、映画事業に至るまでの経緯の説明。
ガザ地区での経験がきっかけで、世界の問題に目を向けるようになったこと。

映画には、それを見た人が、「自分も何かしたい」と思うように、働きかける力があると信じ、世界の課題を伝える映画を配給していることなど。また、ユナイテッドピープルの取り組みを紹介。
いくつかの映画の予告編を見た後、質疑応答。事前課題が、国際平和デー、通称、ピースデーを制定するプロセスを追ったドキュメンタリー、「ザ・デイ・アフター・ピース」を観て、「平和実現のためにできることは何か?」を考えることだったため、平和についての話があがった。
終了後も、数名の生徒は話しかけに行っていた。(海外留学など)

2.生徒の感想
・最初は、自分の趣味が映画鑑賞だから、という理由で、映画がキーワードだったこの講義に参加したが、想像以上にSDGsと映画を通して、世界の様々な課題や議題を深く考えることの出来る、素敵な講義だった。
・知ることが大切だということ。自分で映画を見たり、現地について偏見なく事実を知ることで、なにを行動したらいいか分かる。

◆トピックコード 506
「やめる勇気」
 株式会社リバ・クリエイト 代表取締役 高橋 海歩 先生

 参加生徒数 17名   報告者名 川口純

 

1.トピック内容等
自己紹介に引き続き、各生徒に「今やめたいことは何ですか」と問われた。それから、話題提供者の半生や、現在のお仕事、若くして起業した体験について語られ、「皆さんは将来どうなりたいですか」と、再び問われた。その答えと、それに対する暖かいながらも鋭い指摘により、「普通の生き方」「普通の幸せ」が、本当に「普通」なのか、固定概念が揺さぶられた。

質疑応答に対しても、「やりたいことを見つけるのが難しい」という生徒たちの悩みにも、真摯に向き合っていただき、表題についてだけでなく、人生について考える、大きなきっかけとなる時間となった。

終了後に残って、質問をしていた生徒の、「人の人生を聞く機会があまりないので、とても面白くて刺激的だった」という言葉が、印象的であった。

2.生徒の感想
・意外と、自分では大事だと思っていたことをやめても、どうにかなるのだな、と思いました。例えば、全日制の高校から、通信制の高校に転校した理由が、映像制作(自分のしたいこと)のために、授業の時間が無駄だな、と感じたから、という理由でも、起業して、代表取締役として生きているという点が、すごいと思いました。
・自分のしたくないことは、しなくてもいい、という精神。辞めることは、逃げることではない。我慢は、他の誰かに強制されたことに耐えること。辛抱は、したいことのために耐えること。

◆トピックコード 507
「海外大も進路の選択肢として考えよう」
トフルゼミナール カウンセラー 伏木真那実 先生

 参加生徒数 17名   報告者名 富樫和之

 

1.トピック内容等
海外の大学の基本情報や、入学に必要な準備について、クイズ形式で確認し、その後、実際にアメリカの大学で講師をしている方と、イギリスの大学に進学している大学生と、オンラインでつなぎ、話を聞かせていただいた。この講座を受けて、アメリカとイギリスの大学の違いや、IELTSやTOEFLなどのスコアについて、自身の活動の重要性、アメリカの編入制度、アメリカのOPT制度などを、知ることができた。
その上、現場の声や実際の留学生の生活を聞けたことは、生徒たちにとって、留学を身近に感じられたのではないかと思う。特に、今回お話しいただいた留学生は、演劇学部で、日本ではあまりメジャーとは言えないからこそ、海外の大学という選択肢を入れた経験を聞けたことは、とても興味深く、生徒たちにも、海外の大学を視野に入れる、きっかけになったように思う。

2.生徒の感想
・アメリカやイギリスなどの、複数の国の大学について、知ることができました。海外大への進学は、興味がある程度ですが、今日のお話を、今後の進路選択に役立てていきたいです。
・海外大学進学についての、メリットを学ぶことができ、自分が何をしたらいいのかを、知ることができたこと。

◆トピックコード508
「異世界探求アカデミー②」
 株式会社ゆめみ 取締役 吉田理穂 先生

 参加生徒数 16名  報告者名 吉原正寛

 

1. トピック内容等
web3やNFT(ノンファジブル・トークン)などをテーマに、これからの異世界についての、興味深い講義だった。これらの世界のなかでは、デジタルデータが新しい価値を生み出し、価値が多様化していくなど、IT企業の取締役として、具体的な事例を多く用いて、生徒たちにも興味が持て、理解できる内容になっていた。生徒達には、ブロックチェーンの理解は難しかったかもしれないが、少なくとも、そういう世界が存在することの、意識付けにはなったと思う。担当教員にとっても、学びの多いものとなった。

2.生徒の感想
・最先端のビジネスモデルについて、見識を深めることが出来た。
・NFTや。ブロックチェーンの仕組みが分かった。

◆トピックコード509
「誰が食料を捨てているのか?」
 東京農業大学国際食料情報学部国際農業開発学科 准教授 入江満美 先生

 参加生徒数 9名 報告者名 奧沢怜央

 

1. トピック内容等
「食べる」理由を考える、という導入から、「栄養のスープ」土の重要性、土壌の成長の紹介。
土がないと、作物はできない。砂に動植物の死骸が堆積し、微生物が分解し、2年くらいで、土壌(腐葉土)ができ始める。土が1㎝できるまでに、500年かかる。スマホ操作を用いた、クイズを交えながらの講義。
世界の水は、7割が農業、2割が工業で消費。つまり、私たちの食糧は、水が必要。畜産も同様。飼料をつくるにも、水が必要。農業は、環境にやさしいと誤解しがち。耕すときにも、耕して微生物が動き出しても、化学肥料を使っても、二酸化炭素は出てしまう。畜産からも、二酸化炭素の14%が排出される。輸送や食事の片づけ、廃棄でも二酸化炭素が排出。

世界人口は、2050年に97億人を突破する。食料を増やすためには、どうするか。
窒素肥料:20世紀初頭は単位面積当たりの収穫量が増えた。ただし、農業で余った肥料は川に流れ込み、河口にDEAD ZONEを作る(メキシコ湾)。農地からの、窒素流出が問題になっている。
農地からの窒素で、海亀が腫瘍を発症。
地球の負担になっているのは窒素。そのうちの8~9割が農業。全ての人に関わる問題である。耕地を作るほど、その土地の気候調整能力や、保水力を失う。農業による負荷を減らすために、食品ロスを減らす。農作物の食品ロスが、非常に多い。規格外農作物や、未出荷なども多い。また、農産物の貿易が、絶滅危惧種に影響あり。先進国の嗜好品(コーヒーや紅茶)輸入が、輸出国に影響を及ぼす。

私たちは「責任のある消費」が必要。生徒たちは、途中でクイズに答えながら、じっくりと聞いていた。
まとめの問い「食品ロスを減らすために何をすべきか」では、受講者全員が、きちんと自分の意見をまとめ、Mentimeterを用い発表した。

2.生徒の感想
・作物を育てるだけでも、大変な量のCO2 が発生することが分かった。そして、たくさん発生するのにもかわらず、たくさんの食べ物が無駄になっている。
・食品ロス問題等について、今まで何度か調べたことはあったが、今回の話では、インターネットで調べるだけでは出てこないような情報があり、とてもよく学べたこと。

◆トピックコード 510
 「大学で芸術を学ぶということ」
 青山学院大学文学部比較芸術学科  支援事務助手 小畑遥香 先生

 参加生徒数16名  報告者名 大河原崇

 

1. トピック内容等
大学のパンフレットを資料の中心として、青山学院比較芸術学科での、勉強の内容や意義を中心にした講義であった。話題提供者が、本校のOGであるということで、生徒も、普通の大学説明会のように固い話ではなく、気軽に質問をかさね、比較芸術学科についての理解を深めた。とくに実技のいらない大学で、芸術について学びたいというニーズにこたえられる、数少ない大学のように思えた。

ただ、グローバルウィークの趣旨からすると、もう少し話題提供者自身が学ん、だ芸術とは何かや、それがいかに、自分の生活に影響をあたえているかなど、学校説明会の域を超えたものになると、もっと良いと思う。

2.生徒の感想
・比較芸術学科と聞いても、あまりイメージが湧かなかったが、今日の講義を聞き、演劇、音楽、美術などの分野に関し、幅広く学ぶことができると、l知ることが出来た。
・好きなことに対してどうアプローチするか、や、進路などの視野や幅が、広がったこと。個人的な質問にも、丁寧に答えていただき、ありがとうございました。

◆トピックコード 511
 「ベトナム語超入門 ~異文化理解への第一歩~」
 一橋大学 非常勤講師 加納 遥香 先生

 参加生徒数 18名  報告者名 浅輪旬

 

1. トピック内容等
ベトナムの基礎知識や、ベトナム語の成り立ちを学び、実際にベトナム語を使った授業が、スタートしました。参加者は、ベトナム語の、6種類もある声調に加えて、11種類の母音をマスターするのに、かなり苦戦していました。先生の発音や、口の動きも真似て、同じ音が出せるように必死でした。

対話練習も、ペア積極的に行っており、「次の活動に進みます!」と、言われるまで続けていました。
セッションの最後は、ベトナム語で、「ありがとう!」と伝えることができました。
加納先生、ありがとうございました。

2.生徒の感想
・ベトナム語が、意外に難しかった。ベトナム料理が、すごく美味しそうだった。
・新しい言語を学んで、すごくうれしかったです。そもそも語学が大好きで、仲間や先生と一緒に、ベトナム語で会話できて、楽しかったです。先生の説明もわかりやすかったので、内容をすべて理解できて、習ったことを、今後も活用していきたいと思います。

◆トピックコード 512
 「数値解析アプリを使って, 建物の揺れ方を調べてみよう」
 東京農業大学地域環境科学部生産環境工学科  教授 川名 太 先生

 参加生徒数 16名  報告者名  肥田規幸

 

1. トピック内容等
前半は、地震に関する基礎知識についての講義を、していただきました。
・地震の伝わり方
・地震発生の原理
・建物の揺れ方
・建物の高さと地震動の周期による、揺れ方の違い
・大地震の発生周期

後半は、東京農大の研究用に開発された、円柱の揺れを再現するシミュレーションソフトをご提供いただき,各自のPCにて、実際にシミュレーションを、実行しました。自分でパラメータを変えて、シミュレーションを実施して、円柱の揺れ方の変化を観察しました。

地震に関する講義では、近く発生が予測されている、南海トラフ地震の、発生周期の話も出てきました。
生徒にとっても、関心の強い話だったようで、非常に真剣に話を聞いていました。

後半のシミュレーションソフトは、円柱が揺れる様子を、映像で見られるのが、とてもおもしろかったようで、近くの生徒と話し合いながら、夢中で取り組んでいました。パラメータをどう変えると、揺れ方がどう変わるのか、考えて予想しては試して、楽しんでいました。

2.生徒の感想
・建物には、それぞれ揺れやすい周波がある。また、地震で発生する表面波が、建物へのダメージに1番ダメージを与えていることがわかった。
・空想上の建物で、条件を変えれば、どのように揺れ方が変わるのかを、試すことができ、反発についても知れたから、よかったです。ありがとうございました。

◆トピックコード 513    
「「おいしさ」の科学 味・食感の話」
 東京薬科大学 生命科学部 応用生命科学科 食品科学研究室   教授 熊澤義之 先生 
 参加生徒数 15名 報告者名 森依子

 

1. トピック内容等
食品は、人が生きていく上で、重要な要素の1つである。食品の一次機能は「栄養素」で、生命維持のエネルギーとなる。二次機能は「おいしさ」味や香り、触感。三次機能は「生体調節機能」である。

おいしさの要因は基本5味、甘味、酸味、塩味、苦み、うま味に加え渋み、辛味がある。

舌の表面に、ぶつぶつした味蕾と呼ばれる細胞があり、味を感じることができる。また、食品の見た目や色、匂い、歯ごたえ、弾力、ジューシーさ、なめらかさなどの聴覚や口の中で感じる感覚を通して「おいしさ」を味わうことができる。「うま味」物質はグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸があり、代表的な食品として、昆布、鰹節、干しシイタケなどある。食品の組み合わせでうま味の相乗効果があり、強い「うま味」を醸し出す。

身体の機能を正常に保つ食品の、おいしい取り入れ方を学び、毎日の食事を意識して「おいしさ」を感じて、豊かな食事時間を大切にしたい、と思いました。
参加した生徒たちや保護者の方も、熱心に授業に参加し、食品開発の研究への興味、将来の志望学部などに関して、質問をする場面がありました。

2.生徒の感想
・食品開発や、その機械の制作など、一度考えから消して、工学や医工学の道に進もうと思っていたが、今回の講義で、食関連の学部や職業を、もう一度考えたいと思えた。味の種類や食感の重要性を、学ぶことができた。
・自分の興味のある分野に関して、その中でも、どんな事が気になるのか、掘り下げることができた。

◆トピックコード 515
 「質問紙調査入門ーアンケートで「社会」の姿をとらえよう!ー」
 東北文化学園大学   助教 山崎真帆 先生

 参加生徒数 9名 報告者名  亀田麻記子

 

1. トピック内容等
今わたしたちがいきている世界、社会の中で、疑問に思ったこと、当たり前だと思っているけれども、本当なのか?と思うこと、など、社会学では、幅広いテーマを研究することができます。
その研究方法の一つとして、アンケート調査があります。アンケート調査を行う際には、母集団や質問方法、特に質問項目について、よく考えて計画することが、大事だと教えていただきました。
山崎先生は、「様々な角度から社会をとらえることで、多様な人々が生きやすい、新しい社会を目指すことができる」と、アンケート調査を用いた、社会学的研究の、すばらしさを伝えてくださいました。
授業前では、生徒たちがアンケートしてみたいことは、社会学とは少し違うテーマだったようですが、山崎先生の授業を聞いた後には、身近な社会問題について、調べてみたいと思ったようです。

2.生徒の感想
・今回のトピックに参加して、ちょうど自分の興味のあるお話について聞け、大学の学部選択の参考になることが、たくさんあった。
・アンケート調査の時の、注意点がわかった

◆トピックコード 516    
 「戦争体験にふれて、あなたは何を受け取る? ―沖縄戦の記憶から―」
 東京薬科大学 生命科学部   准教授
綿貫 円 先生
 参加生徒数 14名 報告者名  高橋昌伸

 

1. トピック内容等
「沖縄戦」、「集団自決」、「八重山の戦争マラリア」、「歴史認識」などをキーワードに、当時の写真を参照しつつ、“自分はこうした戦争体験から、何を受け取るのか”を一人ひとり聞き取る形式で、丁寧に進められた。撮影された写真が、米軍の視点によるものであり、それはすなわち、米軍がどう受け取られたいか、という思惑が背後にあることを指摘したのち、集団自決で生き残った方の、描いた絵を複数挙げ、そこから読み取れる悲惨さ、恐ろしさを指摘するとともに、当時の人々の感情を慮り、ある種の追体験を、示唆するような内容であった。順天高校が、国際的な学校であることを踏まえて、国際社会では、いかに歴史を認識するのか、統一の「正しい」歴史というものは、一歴史像に過ぎないどころか、国の見方は勿論、個人においても、立場によって異なった見方が存在するという難しさにも、生徒は、思い至ったように感じられた。日頃、博物館において、戦争体験者との聞き取り内容を語っておられる、話題提供者ならではの、興味深い授業であった。

2.生徒の感想
・沖縄戦争に関して、日本は被害者である、という認識しか持ってきていなかったが、加害の歴史から、被害を受けることになったということを知れて、見方が広がった。集団自決なども、教科書で書かれている以上の、酷く、考えつかない内容だった事を、知ることができて、驚いた。戦争時代と今を比べると、今に生まれてきた私は、とてもラッキーなんだなと感じた。普段触れることのない資料などを使った勉強になる講座でした。
・「沖縄戦」、「集団自決」、「八重山の戦争マラリア」、「歴史認識」などについて、当時の写真を参照しつつ、米軍の思惑について知ることができた。そして、戦争マラリアという事実については、あまり知らなかったので、こちらも併せて知ることができ、大変良かった。

◆トピックコード517
 「私が「ボランティア」をする理由」
 立教大学異文化コミュニケーション学部  大学4年生
 内田 みゆ 先生 
 参加生徒数 21名 報告者名   小見山太郎

 

1. トピック内容等
話題提供者の内田さんが通う、立教大学異文化コミュニケーション学部は、留学が必須となっており、大学3年生の時に、ブルネイに留学しました。帰国後も、短期の海外ボランティアのプログラムを探していて、その時に出会ったのが、「CFF」という特定非営利法人が企画する、マレーシアでのワークキャンプでした。

CFFは、マレーシアで、児童養護施設を運営する団体です。内田さんは、現地で施設の子供たちと交流する中で、様々なことを感じるようになりました。「言語以外のコミュニケーションの重要性」「他者だけではなく自分も大切にすること」「国際協力の必要性」「日常の当たり前の中に詰まっている幸せ」「ボランティアは一方的なものではなく与えられるものも多い」など。そして、自分の無力感から、自分にできることをやりたい、子供たちの未来をサポートしたい、という気持ちが強くなったと、語ってくれました。
(注:CFFは、本校のSGH活動の連携先で、現在も、高等部2年生の、マレーシア研修をコーディネートしています。)

2.生徒の感想
・研修旅行で行った場所の話を聞けたので、とても懐かしさを覚えたし、自分(私)とはまた違った視点で、話題提供者の方が、自分に出来ることを、見つけていたことが、とても参考になった。
・ボランティアをやる意味。マレーシアにある、CFFの施設でのボランティア談を聞き、その時の様子を、資料を見ることで、改めて、ボランティアとはどういうものなのか、知ることができた。それに加えて、東南アジアには、多くの難民や、孤児と言われる人々がいることを改めて実感し、それにどう向き合っていくのかが、今後大切になってくると思った。

 

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