お知らせ

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SGH 上半期の活動及びフィリピン・フィールドワークの報告(学習成果発表会)
11月9日(木)の学習成果発表会で、17年度上半期のSGH活動報告を行いました。高校1年生、2年生がそれぞれ自分たちがやってきた活動及びフィリピンフィールドワークの報告です。以下、それぞれ少しずつですがご紹介します。
まず初めに、高校1年3組の岡田さんが、高1のSGH活動と、岡田さん自身が行った「ハンガーフリーワークショップ」の報告をしました。高校1年生は学年全体がSGH活動の対象なので、各クラスで様々なワークショップや講演会に参加してきました。それらの活動を通して、個々人が独自の問題意識を育み、社会のため、世界のために自分は何ができるんだろうと考えています。岡田さんは世界の食糧問題に関心を持ち、自らがファシリテーターとなってみんなに考えてもらうワークショップを行いました。進行のしかたや付箋や模造紙を使うなどの工夫をして、「飢餓」と「飢饉」の違いについて実感をもって理解してもらえるよう頑張っている様子が伝わってきました。
次に、高校1年生によるフィリピンフィールドワークの報告です。3名の参加者が、ピュアな感性で感じたことを報告してくれました。貧困や衛生環境、スラムなどを見て、多くの問題を発見すると同時に、価値観の違いや文化の違いも痛感し、自分たちがいいと思っていることが必ずしも現地の人たちの求めることではない、というジレンマにも直面したようです。また、それにより世界の問題の難しさを身をもって知ることができました。参加者の中で唯一の男子生徒である1年3組の江川君は、「幸せ」について深く考えるようになり、「幸せ」にも様々な形があることを知ることができたのが大きな収穫だったと言っていました。彼が紹介してくれた、「失ったものを嘆くのではなく、本当に大事なものを大切にする」というフィリピンの人の言葉は、私たちも忘れてはいけないことだと思います。彼らの感じた衝撃がよく伝わってくる内容でした。
そして、高校2年生によるフィールドワークの報告では、本校のSGH活動の初年度から継続している「手洗いの普及活動」について発表してもらいました。今までは歌によって手洗い及びうがいの普及をしてきましたが、今年度はショートドラマと歌を組み合わせたものを考えたそうです。伝えるべき内容を整理し、脚本から考えてオリジナリティのあるドラマができあがりました。実際にドラマの1部も動画で紹介してくれました。
先輩の活動を改善しつつ継続させていて、継続させることの大切さも実感してきているようでした。また、最後には「手洗いの普及活動」だけにとどまらず、今までのノウハウを生かして今後は「ワークショップなどを通した活動の指導方法」についても後輩に受け継いでいって欲しいとまとめていました。先輩たちの活動が、すこしずつ形を変えて受け継がれていく。これの連続によって、新しい伝統が生まれるかもしれません。
最後に、高校1年3組の取口さんによる「トビタテ!留学JAPAN」の報告がありました。全国の高校生の、主体的な留学を支援するこの制度。今まで本校からも何人も参加してきました。今回取口さんは「国ごとの価値観や文化の違いを学ぶ」という目的で参加しました。しかし、実際に様々な国の人たちと接する中で、自分の考えは間違っていたと感じたそうです。なぜなら、価値観や文化の違いというものは、人種や国籍だけで量れるものではなく、「個人」によって異なるものだと思ったからです。だから、「個人」を尊重し、カルチャーショックをたくさん経験することによって異文化や価値観の違いに寛容になることができるのだと結論づけていました。
確かに、私たちは文化の違いを国によるものだと考えてしまいがちです。しかし、私たちの住む日本の中でさえ、様々な考え方の人がいるわけですから、彼女の言う考え方は本当の意味での「異文化理解」につながるものだと思います。トビタテ!留学JAPANに参加して、このような大事なことに自ら気がつき、そしてそれをこのような場で発表してくれたことは、彼女自身はもちろん、他の生徒たちにとっても意味のあることだと思いました。
SGH活動は、授業や部活動で忙しい生徒たちが時間を作って積極的に活動しています。時間がないながらも素晴らしい発表ができているのは、彼らが自ら「やってみたい!」という気持ちを持って活動しているからに他ならないと思います。今後も自分の研究テーマについて、飽くなき探求を続けていって欲しいと思います。